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もう、とっくに壊れているとしても、

一昨日、眠れたのは3時も近くなってからだった。ので、昨日の朝は、朝の内に起きられなかった。


どれだけ眠っても、眠いのか、そうじゃないのか、判断が付かなかった。頭の中に、なにかがいるみたいだ。壊れたなにかが。


コーヒーを飲むために、外へ出る。


コーヒー屋は知人で、そのまた知人に、ぼくは会った。知人(コーヒー屋)は、(コーヒー屋の)知人に、ぼくを紹介した。


「『あいじ』ですか。苗字ですか?」

「名前です」

「名前? 下の名前?」

「そうです」


間違っていないのだけど、間違っていることを教えた。


『相地』は本名ではないけど、ぼくにとって(もしくは、ぼくの周りの人達にとって)本名のようなもの。ぼくは、いつもそう名乗っている。


生まれたときに、付いた名前? 教えるわけないだろ、そんなもの。


その日は、そんなつもりはなかったのだけど、カラオケに寄ることにした。一時間だけ。もちろん、一人だ。週一で通うのが、癖になってきた。


どれだけ声を張り上げてもいいことと、狭くて暗い空間が、ぼくを安心させた。


昨日まで取り乱していたぼくは、だいぶ落ち着きを取り戻していた。翌日、ビジネスホテルを一泊予約したおかげなのかもしれない。

旅行じゃない。ホテルは、自転車どころか、徒歩でも無理のない距離。素泊まりでも、最も安いプランを選んだ。


夜になっても、ずっと一人でいられるように。そんな一日が、必要だと思ったから。


一昨日、パートナーは了承してくれた。ぼくに必要なことだと、わかってくれた。


つくづく面倒な人間だと、ぼくはぼくに思う。でも、なるべく壊れないように、できることはしておきたい。生きたいと思える限りは。


生産性のない、なんの役にも立たない人間でごめんなさい。なるべく早く、なにかが生み出せるように、努力します。ごめんなさい。


ぼくは、本当はもう、とっくに壊れているのかもしれない。辛うじて動いている、頭のわずかな部分だけで、生きているのかもしれない。


戯言も、大概にしろ。


落ち着いてきた、なんてウソだったな。苦しい。早く、明日になればいいのに。それもウソだ。朝になる度、律儀に絶望するくせに。今日はどうしよう、どうしよう。そんなことで、頭を抱える。


一昨日、眠れたのは3時も近くなってからだった。不眠ゆえだけど、でも、楽しい時間だった。静かで、(寝室の扉を閉じれば)ぼくしかいなくて、誰もいなくて、それが、ぼくの安寧だった。


ぼくの不安定が、直らなかったらどうしよう。ぼくの頭は、いつも重いか、痛んでいる。

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