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夢がぼくをころそうとしている。

連日家族の夢を見る。しんでしまえと思う家族も、しんでほしくない家族も。ぼくは、転げ落ちるように、情緒が安定しなくなった。


憎んでいることも、なにもかもどうでもよくなることもあれば、突然腹立たしくなることもある。もし、親が近所に住んでいたら、躊躇いなくころしにいくくらいに。


(近所に住んでいてもいなくても、ぼくが実行に移さないのは、パートナーに迷惑がかかるから、の一点だけ。もし、パートナーがぼくより先にいなくなって、まだ親が生きていたら。ぼくは喜んで犯罪者になる。)


意味のない薬。なんのために飲んでいるんだろう。たぶん、下には下があるからだろう。ぼくが最低と感じているより、もっと下が。今苦しいとしても、より苦しまないためだろう。


まったく苦しまない、は、叶わないらしい。それは、そうだろう。そもそも、元凶さえなくなれば、薬の量だって、今よりずっと少なくなるだろう。ありえない話だ。


一昨日見た夢では、母方の祖母が出てきた。祖父母の中で、唯一存命の。


ぼくは、祖母が好きだ。子どものころは、母の実家である祖母の家へ、よく遊びに行っていた。祖母は認知症で、何年も前から、もの忘れが多くなり、滅多に会えなくなったぼくは、よく妹と間違えられた。


夢の中で、祖母はぼくを覚えていた。覚えていてくれていた。実際とは、まったく違う祖母。ぼくの頭の中の。それでも嬉しかった。


両親とほぼ絶縁状態の今、祖母がどんな様子なのか、まったくわからない。ぼくは、いつか祖母が亡くなっても、葬儀には行かないと決めている。


本当は行きたい。でも行かない。葬儀が終わった直後、最悪、その最中か。祖母とはまったく関係なく、親がぼくを罵倒する時間が必ずあるだろうから。


もしかしたら、親だけじゃないかもしれない。ぼく以外の人間は全員、親の味方なのかもしれない。親の証言を頼りに、ぼくのことばは一切無視されて。


祖母の葬儀を台無しにしたくない。親に二度と会いたくない。ぼくは、存命(であるはず)の祖母が、元気でいてくれるように、何事もなければ帰省しているはずの時期に、毎年願っている。


孫がこんな人間になったことを、孫と娘が不和であることを知らずに、祖母がこの先も生きることは、せめてもの幸せだろうか。


まともに生きられないことが悲しい。突然怒り狂ったり、涙が出たりすることが悔しい。怯えずに毎日を過ごすことが、こんなにもむずかしい。

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