ぼくには、それしかできないから
頭が痛くない日だった。
寒かったけど、予報は外れて、晴れていた。
引っ越しの準備も、週末に珈琲屋になる準備(ほぼ終わっている)も、進めないといけない。
でも、なにかが限界だった。
だから、海が見えるところへ行った。
頭痛がないおかげで、電車で1時間くらいの遠出はできる。
村上春樹は、海岸のすぐ近くで生まれ育ったらしい。
ぼくも、そうだった。
だから、だろうか。
引用した部分は、とてもわかる気がした。
水を見ること。
波を見ること。
水平線を見ること。
他には、目の前になにもないこと。
それが、なによりぼくを安心させた。
本も、集中して読めた。
別の場所では、一切頭に入ってこなかったのだけど、海を目の前にしていると、いくらでも集中できる気がした。
キッチンカーが近くにあったので、サンドイッチを注文した。
ボリュームがそれなりにあったとはいえ、腹九分にはなった。
近ごろのぼくは、胃が縮んだ気がする。
間食したわけでもないのに、いつもなら少なめの量で、満腹になることが多くなった。
引っ越しまで、ようやく、あと1ヶ月。
緊張しているんだろうか。
わからない。
エネルギーがいる時期なので、困るのだけど。
あと、帰ったら不正出血があった。
いろいろと、体に問題が起きている。
起きすぎでは。
でも、どうしようもない。今は、頓服の抗不安薬がないと、生活できないくらいだ。
なんとかやっていくしかない。
ぼくには、それしかできないんだから。
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