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7/24

5:30起床。

天気は曇り。
まだ昨日なのかもしれないし、もう今日じゃないかもしれない。

何にも無いよ、僕にはね。
そっちの方が、楽だった?

職業訓練が終わり、
志望した会社は不採用、
延長していた雇用保険も終了、
ニートに戻って、1週間が経った。
絶賛就活中とはいえ、不安は消えない。

僕は、寒いより暑い方が苦手だ。

僕が持っている服の9割は、春服か秋服だ。
冬は、
ヒートテックやらダウンコートやら着込めば何とかなるものの、
夏は、
半袖のシャツは1、2枚しか無いから、長袖のシャツの袖を折るしかない。
(Tシャツは5、6枚あるけど、公衆の面前で着られるものは少ない。)

うちでは、クーラーが大活躍している。
(電気代節約、とかいっている場合じゃない。)
僕が住んでいるアパートは風通しが非常に悪く、冬は温かく夏は暑い。
窓を全開にしても、室内を掃除しているだけで汗だくになる。
おまけに、クーラーは寝室(にしている部屋)にしか付いていない。
そのおかげで、僕は1日のほとんどを寝室で過ごしている。

しかし、ここでも問題発生。
僕はひ弱なので、ひえっひえの部屋に何時間もいると体がだるくなる。
もう、どうにでもしてくれ状態。

というわけで、昨日は昼から図書館に出かけた。
徒歩で。
片道30分。

図書館とはいえ公共の場に行くわけだから、まともな格好に……。
……まともな服は、ほぼ全滅していた。
無いことも無いけど、明日(今日)はハローワークに行くから、
きっちりした服は、残しとかないといけないし……。
結局、いかにもスポーツウェアといったジャージにした。

帽子は持ってないから、トップスに付いているフードを被り、
僕は、その一歩を踏み出したのだった。

5分後、僕は後悔していた。
あっつい。
この炎天下、徒歩30分は無謀だったか?

ふいに顔を上げると、
学生風の女の子が一人、前の方を歩いていた。

女の子は、
茶髪を後ろで1本の三つ編みにして、
小さな頭に小さな麦わら帽子を乗せていた。
トップスは真っ白で、よく見るとセーラーになっていた。
ボトムスは柔らかそうなジーンズで、すらっと着こなしていた。
なんだか、ミニチュアの海兵みたいだった。

お嬢さん、そっちに海は無いよ。
どこへ行こうというのかね……。

僕は当初の目的を放棄して女の子に付いていきたくなったけど、
それは赤信号によって叶わぬ夢となった。
女の子の後ろ姿は、みるみる小さくなっていく。

……こういうのも、白昼夢っていうのかな。
僕は青になった信号を渡ると、ぬるくなった麦茶をぐいと飲みほした。

夏、満喫できたな。
このまま、うちに戻ってしまおうか……。
僕はしばらく、どうでもいい葛藤に頭を悩ませたのだった。

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