すり減って塵になればいいのに
眠るのが怖い。
今までが、そうじゃなかったわけじゃない。でも、眠気がひどくなると、なにもかもどうでもよくなって、眠ってしまう。それはもう、抗いようがない。
でも、怖いあまり、眠気が来なくなった。
夜になったら、就寝するにふさわしい時間になったら、眠らないといけない。そんなときに限って、ぼくは眠れない。
夢を見るのが怖い。次の日になるのが怖い。
昨日は、泣いた。いつぶりだったのか、そんなに経っていないのか、忘れた。傍目から見てもすぐにわかるほど、ぼろぼろ泣いた。
たぶん、デッサンで集中力を使い果たしていたのも、あるかもしれない。そこへ、パートナーが帰ってきて。翌日の予定を話し始めた。
翌日、つまり今日は、義父母とパートナー、そしてぼくで、出かける予定だった。少し前に誕生日だったパートナー。義父母が、靴をプレゼントしてくれるらしく、その買い物に。それから、お茶に。
その話を、突然聞いたわけじゃない。前々から聞いていた。翌日であることも、把握していた。
けれど、ぼくは、なんといえばいいのか、パニックになった。
義父母と会うときは、いつもそうだ。ぼくは、彼らに嫌な態度をされたことは、一度もない。気のいい人達だ。けれど、義理の家族という、掴みきれない距離感に、ぼくはいつも、どうすればいいのか、わからなくなる。
愛想笑いで、顔が痛い。
もっと、気を回した方がいいんだろうか。
義父母と会ったあとは、いつも消耗している。彼らが、悪いわけではないのに。
ただでさえ、仲よくしてくれる友人達が相手でも、そうなのに。話している最中でも、気を悪くしていないか、考えて。別れてからは、反省して後悔して。
完璧に会話をこなすことは、不可能だ。それでも、気にしないではいられない。ぼくは、いつも疲れている。相手が身内となれば、より疲れは。
ぼくは、自分の家族とも、上手くいっていないのに。
どの家庭にも、事情がある? わかっている、当たり前だろ。
でも、パートナーが気軽に実家へ寄ったり、友人が淹れたコーヒーを友人の両親がいただくのを見たりする度、自分は異常だと思わざるをえなかった。
ぼくは泣いた。大声は出せなかった。
パートナーはずっと、背中をさすってくれた。また、気を遣わせてしまった。
パートナーに、友人達に。恵まれている環境に身を置いても、なお、苦しんでいるぼくは、何なんだろう。
しねばいいのに。
義父母とパートナーのお出かけに、ぼくは行かないことにした。
朝方に目を覚まして、眠れなくなって、朝になるころにひどい眠気。
今朝は、「しにたい」が強い。「しにたい」と「生きたい」どっちが正解?
わからないまま、外は明るくなった。
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