膿とか毒とか、それ以外にも、
詩を何篇か書いたおかげだと思う。
その日は、よく眠れた。
しばらく書いていなかった。
毎日じゃなくても、2、3日に1篇以上は書いていたから。
でも、1週間近く、なかなか手を付けることが出来ずにいた。
日課である短歌以上に、詩を生むことは、ぼくにとって膿を出す行為らしかった。
引っ越し作業も終盤、ぼくの中で、ずっとな何かが暴れていた。
(もしくは、引っ越しは関係ないのかもしれない。)
荷作りに終わりが見えてきたから、ようやく、2篇書いてみた。
それから、しきりにVAPEを吸った。
呼吸は、吸うより吐く方が長いといいらしい。
VAPEを使うと、意識しなくても、それが出来た。
うるさかったぼくの中も、だんだん鎮まっていく。
あと、もう少し書ける気がして、追加で4篇書いた。
ぼくは、少しずつぼくを取り戻せた気がした。
他に、すること……。
と言えば、やはり引っ越し作業しかない。
カラーボックスを2コ解体した。
(カラーボックスの数え方は「個」でいいんだろうか。)
洗剤等で、長らく使っていないもの、今後も使いそうにないものは破棄した。
ゴミ袋と、夕食の材料を買い足した。
夕食は支度も済ませた。なぜか、いつもより手の込んだものになった。
あと、洗濯物を片付けた。
要するに、ぼくは疲れてしまった。
(あとでわかったことだけど、よく眠れる方の疲れだった。ぼくには、くたくたに疲れても、まったく眠れないときがある。)
手帳とカレンダーを確認する。
契約も解約も、各方面への連絡は済ませた。
荷作りも、終盤に差しかかっている。
入居日と退去日まで、あと2週間くらい。
ずいぶん余裕がある。
これくらいの余裕は、持たせないといけなかった。
ぼくは、自分の体を信用していないから。
つまり、いつ動けなくなるのか、わからないという。
もろもろを早めに進めておくと、丁度よくなるのがぼくだった。
一日の内に出来る色んなことが終わって、ぼくは鉄瓶で白湯を沸かした。おいしい。
ずっと使っていたものを、少しずつ処分して、そのことが、安心をもたらしていた。
愛着がなかったわけじゃないはずだけど。
まあ、引っ越し当日に間に合わないんじゃないかという不安を抱えているよりは、多少住みにくくなっても、しばらくほとんど空の部屋で過ごす方がいい。
ぼんやりしていると、頭が色んなことを考え出して、ぼくはまた、詩を一篇書いた。
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