昨日は、春分の日。
らしかった。
春を祝う日。
らしかった。
昨日は、雪が降っていた。
ここ最近でも、冬らしい日。
ぼくは、頭が痛かった。
今も。
アルネは、ぼくの痛む頭を、そっと撫でた。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
鉄瓶の蓋をずらす音。
沸騰するかしないかくらいの、注ぎ口から鳴るシューっという音。
白湯が出来上がっていく音に、耳をすまして。
ぼくは、痛みと向き合わないようにする。
今日の天気も、怪しそうだ。
つまり、荒れそうで、ぼくの具合もすぐれないだろう、という。
でも、やるべきことも、やりたいこともある。
痛みは、少しずつ引いてきた。
あたたまった体と、それから頭で、できることを考えた。