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夢を見るために、眠るわけじゃない。

夜中に二度目を覚ます。のが、最近の癖になりつつある。中途覚醒は睡眠障害だから、癖でもなんでもないけど、ぼくの中では癖のようなものだ。体が癖になっているから、しょっちゅう起こるんだ。癖、癖、癖。わからないけど。


眠る前に、ウディ・アレンの『アニー・ホール』を見た。何年ぶり。ロマンスコメディ? に分類されるらしいけど、そんなことより、皮肉たっぷりの会話の応酬が目立つ映画。(あと、現実と想像が入り混じったり。)90分と少し。シーンが次々に変わるから、なんだか夢のようでもあった。ぼくの夢は娯楽にならない、愚にもつかないものだけど。


楽しい映画を見たんだから、楽しい夢を見れたらいいんだけどね。いつも通り、寝覚めは悪い。内容は、あんまり覚えていないけど。二度覚醒したから、夢も途切れ途切れ。ぼくは、夢を見るために眠るわけじゃない。映画を見れば事は済む。だから、夢なんてオプションはいらないよ。と、訴えが通ればいいんだけどね。


もしくは。眠る前は、本を読むのがいいんだろうか。活字を追っていくことで、徐々に意識の中へ埋没し――。でも、本と夢の境目がわからなくなるかもしれない。この筋書きは本にあったものなのか、それともぼくの妄想が作り出したものなのか。それは、かなり困る。読み返したときに、頭が混乱する。じゃあ、止めておこう。


結局、なにもしないのが一番なのか。どうせ、なにをしても、なにをしなくても、夢を見る。どうしようもないんだ。「どうして、そんなに夢を嫌うのか?」疲れるんだもの。現実よりも、色んなことに急かされてばかりで。なにかに追われるなんて、しょっちゅうだし。(『なにか』の姿を見たことはない。ただ、追われていることははっきりとわかる。)夢は、現実から逃げるためにあるんじゃないのか。


ええ。ええ。わかっていますよ。所詮夢は、現実の置き換えに過ぎないことは。ろくでもない夢を見るのは、現実のぼくがろくでもないからです。悪夢、悪夢、悪夢の日々。これも、頭に癖が付いてしまった結果だろうか。良い夢なんて、二度と見れない。そもそも、良い夢ってなんだろう。


まあ、「現実の方がまだましか」と思えるのは悪くない。たぶん。少なくとも、今は。いつまでも寝ているわけにはいかないし。別に、悪夢を見せられなくても、ちゃんと起きられるのにな。ぼくはぼくに信用されていない。今さらだな。眠くないけど、コーヒー淹れるか。

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