夢が叶った、その後は(今朝は、白湯)
そうか、と思った。
ぼくが、新しい家に住み始めて。
どこかで、感じていたこと。
ぼくは、ぼくの人生で、叶うことはないと思っていた夢が、叶って。
ぼくのことを、「変」とか、「頭がおかしい」とか、決して言わない、家族が欲しい夢が。
それから、ずっと、まだ20代も終わらない内から、余生が始まったのだと、思っていて。
(脅かす人さえ来なければ)静かで、だれかの気配があまりしない、この家に来たことで、その実感が、より強いものになっている。気がする。
パートナーがいて。
「ぼくを生んだ人達」から、行方をくらませて。
(だれかが、バラさなければ。その不安は、少なからずあるけど。)
平穏な生活。
ただ、時間が過ぎるのを、待つような。
そんな感覚もある。
アルネは、肩を控えめにすくめた。
ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。
住まいを変えたことが、いいことなのかと言えば、やっぱり、いいことだと思う。
不調が減ったことも、喜ばしいことだ。
そのことに、体はまだ慣れていないみたいだけど。
その内に、健康的な人間になっていくんだろうか。
それは、わからないけど。
今はただ、ぼんやりしていたくて。
ぼくは、蝋燭に火を点けた。
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