夜を追いかけていたいのに、

2/20。

6:00起床。

天気は曇り。





もう、6時なのか。


まだ2時くらいだと思っていたけど、違ったらしい。


「まだ夜なんだ」という安心。


「もう朝なのか」という不安。


混じり合って、目の前で明滅する。


パートナーのスティックコーヒーを、1本拝借する。


立ち上る匂いを吸い込みながら、自嘲する。


ブラックなんて、飲めないくせに。


しかし、淹れたからには飲むのだ……。


少しずつすすっては、むせる。


なんて朝だ。


いや。


もう、朝なのか……。


暗いのが好き。


明るいのは嫌い。


でも、あんまり暗いと、それはそれで不安だから。


薄暗いのが、丁度いい。


外は、すでに明るくなりつつある。


日が延びていく。


春が近いんだ。


それは、うれしいことだけど。


暗い時間が、短くなってしまうのは。


僕にとっては、あんまりよろしくない。


しょうがない。


お天道さまには、誰も逆らえない。


あるがままに生きるのだ……。それは、ちょっと違うか。


まあまあ、落ち着け。


それでも、まだ暗い方だ。


自分はまだ、朝と夜の狭間にいるんだ。


たぶん。


おそらく。


ああ。


あの空は、どこまでが朝で、どこまでが夜なんだろう?


出来れば、夜を追いかけていたい。


夜の中で、目を閉じていたい。


僕を、何より安心させてくれるもの。


けれど、いつも置いてけぼりをくらう。


「夜は、朝があるから夜になれるんだ」と。


それは、そうかもしれない。


じゃあ、『夜』なんて名前付いていなくてもいいよ。


だから、置いていかないでよ……。


その願いは、必ず徒労に終わる。


それを知っていても、願わずにはいられない。


僕は、憶病だ。


朝のことも、嫌いじゃないはずなのに。


明るいのが、だめなんて。


僕は、本当にだめだな……。


でも、他にもいるのかな。


つまり、明るいのがだめな人は。


じゃあ、その人もだめとは限らないな。


だめなのは、僕だけで結構……。


この日記を書き始めて、まだ30分なのに。


外は着実に明るくなっている。


これはもう、夜の色じゃない。


朝の色……。


冷めてしまったコーヒーが、嘲笑っている。


何だよ。


お前のことは、ちゃんと飲み干すよ。


僕は、笑い続けているコーヒーを一気に胃に収めた。


少しだけ、目まいがした。


大丈夫。


そう唱えるしかない。


僕は大丈夫。


朝になっても、昼になっても、大丈夫。





「僕だけが、鳴いている」


これは、
ぼくと、ドッペルゲンガーのドッペルさんの話。


連載中。


この記事が参加している募集

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。