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一座建立 いちざこんりゅう (茶道)

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タイトルの「一座建立(いちざこんりゅう)」は茶道で出会ったことばです。茶道に触れる中で、学んだこと、感じたことを記します。
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#和の文化

お茶会の亭主、席主

先日の大寄せの茶会。 (大寄せの茶会とは、たくさんのお客さんを招くお茶会(実際にはお客さんがチケットを買う。もちろんご招待の方もいると思いますが)) これまでの大学時代のお茶会では、亭主(お茶を点てる人)と半東(はんとう:亭主のサポート)という役割分担がありました。 それで、亭主と正客(お客さんの代表)がお道具などについて問答します。 しかし、今回のお茶会では、「よくしゃべる人がいるな~」と思ったら、その人が亭主だと言われました。 えっ?亭主ってお茶を点てる人じゃないの

日常に取り入れやすいお点前 新しいお点前

今日のお茶のお稽古は、略点前(りゃくてまえ)と立礼(りゅうれい)でした。 略点前のほうは、名前の通り、簡略化されたお点前です。 常よりも、お道具の数が少なく、釜や柄杓(ひしゃく)の代わりに鉄瓶(または銀瓶)を使います。 自宅などで、お道具がなくても、ないなりにお茶を楽しめば良いのだなと感じられるお点前です。 自宅には、釜も鉄瓶もありませんが、電気ケトルをつかって挑戦してみようかと思います。 また立礼(りゅうれい)は、亭主も客も椅子に座った状態でお点前が進行します。 足が楽

ひさしぶりの茶の湯フルコース《茶事》03

昨日は、稽古茶事(けいこちゃじ)でした。 茶事とは、茶の湯のフルコースのようなもので、懐石(お料理)、濃茶(こいちゃ)、薄茶(うすちゃ)を頂く、4時間程度の正式なおもてなしです。 昨日は、お稽古の一環だったので、お料理は先生があらかじめご用意下さり、炭点前、濃茶、薄茶のお点前を、他の生徒さんと交代で務めました。 私は、濃茶の亭主(ていしゅ:お点前をする人)を担当しました。 茶事自体は、大学時代の部活動以来で、久しぶりのこと。 大学時代に経験した茶事は、お料理がとにかくたく

《禁じられた花》茶席の花の話

お茶室の床の間には、花が飾られます。 掛け軸がなんのことだかさっぱりわからない、 それどころかそもそも読めないのに対し ただそこにある美しさを感じればよい花にほっとさせられます。 (花もまた、「名前がわからない問題」を孕んでいますが) そんなお茶室の心のオアシス、茶花(ちゃばな)ですが、 どんな花でもいいというわけではありません。 茶花にはふさわしくないとされた禁花(きんか)があります。 「南方録」には千利休の教えとして禁花を示す歌が残されています。 花入に入れない花

茶道豆知識 |女点前、男点前

お点前って、実は男女で違うんですよ。 現代では、茶道は主に女性のもの、というイメージがありますが 歴史の授業で習った茶道関連の人物は男性だらけでしたよね。 村田珠光、武野紹鷗、千利休、豊臣秀吉… というわけで、もともとは男性のお点前が先にあり、のちに女性の体格や動作に合わせて女性のお点前が行われるようになりました。 (流派にもよるかも。でも基本的には男性点前を女性点前に改良しているはず) 具体的には、熱くなった釜のふたを取るのに、男性は素手で、女性は服紗(ふくさ)という

掛け軸の意味 |お茶を通じて学べること

お茶室の床の間には、掛け軸がかけられます。 そこには禅語(禅宗の教えの言葉)や和歌、手紙、絵画などが記されています。 もちろん、掛け軸も亭主がその日のために選んだものであり、茶会のテーマが示されています。 亭主が心を尽くし準備した茶会を存分に味わうためには、掛物の理解が必須です。 しかしながら… 絵画はともかく、まず字が読めない! 崩し字がわからないし、万葉仮名もわからない。 読み方を教わっても、次はその意味がわからない。 意味を聞いても、やはりまたもやわからない。

ひさしぶりの茶の湯フルコース《茶事》01

茶事(ちゃじ)、お聞きになったことはありますか? 茶の湯のフルコースのようなものです。 今月のお稽古は、茶事とのこと。 予習を兼ねて、その流れを少しご紹介。 ちなみに全部で4時間ほど!! 茶事の流れ (風炉の正午の茶事を客側の視点を中心に、超絶ざっくりと) 席入り(12時ごろ) お茶室に入る前に、別の場所(寄付、腰付待合)で一時待機。 蹲踞(つくばい)で手と口を清める。 お茶室に入る。 お茶室の飾り(軸やお道具等)を拝見する。 主客(亭主と客、ホストとゲスト)の挨拶。

空点前から… さらり、ふわりと、しなやかに、垣根を越えて、知恵を活かせ

茶道のお稽古の後は、自宅に戻り、ご指摘いただいた事項等を極力、メモするようにしています。 自宅にはお道具がないので、それ以上のことはできないわ~と考え、 そういった振り返りすらしなかった学生時代と比較して、成長したわと悦に入っておりました。 そんなある日、茶道の心構えが示されている書籍を読んでいたら、 当たり前のように『空点前』(からでまえ)という言葉が出てきました。 ハッとしました。 空点前 お道具を利用せずに、頭の中でお道具をイメージしてお点前の流れ・所作を確認す

和の意匠04 亀甲 | お茶を通じて学べること

今住んでいる家の近くの歩道脇には、アジサイが多く植えられています。 少しずつ色づいてきましたね。楽しみです。 亀甲(きっこう) 亀甲(きっこう)、読んで字のごとく、亀の甲羅がもととなっている意匠です。 『鶴は千年、亀は万年』。 亀といえば、長寿吉兆の象徴です。 亀甲文様の歴史は古く、正倉院宝物裂にも亀甲模様のものがあるそうですよ。 ページトップの画像も、亀甲の一種。三色の重ね亀甲です。

風炉のお点前に変わり、炭も小振りに

昨日のお茶のお稽古から、夏バージョン、風炉(ふろ)のお点前が始まりました。 薄茶(いわゆるお抹茶)の運びのお点前(最も基本の点前)のお稽古をしていただきました。 予習の成果か、おもったよりも動けたので、ほっとしています。 とはいえ、ご指摘を受けたことを数えたら、13点もありました!あらまっ 炉(主に冬)から風炉(主に夏)に変わる経験は学生時代を通じて何度かしてきたはずなのですが、気付いていなかったことがありました。 それは炭のサイズ。 炉の季節と比較して、二回りほど小さ

風炉の季節に備えねば | 茶の湯備忘録

お茶のお稽古を再開したのが、去年の11月で炉の季節からだったので 風炉のお点前は実に10年以上ぶり。 (炉と風炉でお点前が変わります) 風炉の季節:5月のはじめ立夏(2018年では5月5日)の頃から11月はじめ立冬(同じく11月7日)の頃、主に夏の季節。 炉の季節:11月はじめ立冬の頃から5月のはじめ立夏の頃、主に冬の季節。 炉のお点前がおぼつかないうちに、風炉のお点前の季節になってしまいました。 半年もあれば、充分に覚えられたでしょと言う声も聞こえてきそうですが な

Design of Tea Ceremony |〈距離〉を変えずに〈距離感〉を変えるデザイン

Design of Tea Ceremony |炉とか風炉とか 季節によって変わるお点前 で、季節により釜の位置が変わることをお伝えしました。 変わるのは釜の位置だけではありません。 亭主(お茶を点てる人)の座る向きも変わります。 風炉(夏の季節・右下図)では、亭主の目線は客を捉えないのに対し 炉(冬の季節・左下図)では、主客は炉を挟んでゆるやかに向かい合う。 (鼻と目で体の向きを表しています。鳥のお茶会みたいに見えますね) まぁね、これから暑くなっていく季節、向かい

七事式 茶カブキ初体験

今日はお茶のお稽古でした。 七事式のひとつ、茶カブキをはじめて体験しました。 これ、大変です。 一度のお稽古で、濃茶(薄茶(いわゆるお抹茶)のこ~いもの)を五服も頂きます。 エスプレッソを5杯飲むようなイメージでしょうか? 茶カブキは、お茶を飲み当てる遊びの要素のあるお稽古です。 結果、ぜんぜん当たりませんでした。 一方で、常のお稽古よりもお茶を味わうことに集中できたように思います。 ********* 足がしびれてお困りの方は、こちら(お茶小ネタ 正座で足はしびれます 

金粉入りお抹茶

先日のお稽古で、金粉入りのお抹茶を頂きました。 写真撮れば良かったなぁ。 金粉が入っているということで、なんとなく気持ちが浮き立ち お稽古の場も華やいだように感じました。 ごちそうさまでした。