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読書記録:占星術殺人事件

読み終わってしまった…!!
めちゃくちゃ面白くて読み終わった喪失感で淋しくなっている…!
御手洗さんと石岡君の話しもっと聴いていたかったな…!!他愛ない会話をもう少しだけ…!できれば江本君もいてくれるともっと嬉しい…!!


※以下ネタバレ有り感想(ブロマンスに触れるところもあります)

序盤は事件の説明を細かに聞かされるって感じで映像でない分、ちょっと理解するのが難しいな…と感じていたんですが、図解がついていて有り難かったです。

でもどれだけ事件の情報が増えてもその分わからないことばかりが積み上がって、トリックも犯人も何もわからないまま小説の半分を過ぎて本当にこれは納得のいく形で着地するの?!と戸惑ってました。

これでトリックが甘いとか、納得するのは難しいとかいうラストであればこんなに有名ではないだろうし、何よりお勧め頂いた本なので、期待値を上げられるだけ上げても安心!
でもわからないことばっかり!
の往復でワクワクとハラハラがずっと繰り返されて最高でした…!

そうして期待を最大に膨らませて読み進めても受け止めてくれる器がこの小説にはあって、ラストしっかり全部回収しきったところはものすごく気持ちよくて圧巻でした!

お勧め頂いた方から主人公の御手洗さんが好きと伺っていたので、どんな探偵さんなんだろう!と楽しみに読み進めていたら、割と初っ端からうつ病という説明がされて衝撃を受けました…!
患ってる主人公…めっちゃ掴まれますね…!面白い!!

天才特有の気難しいところもあるけど、ユーモアやカリスマ性というか、その存在のオシャレさみたいなものを感じるし、何より誰かの矜持を守る慈しみ深さを感じて、とっても魅力的な主人公だと思いました!

でも主人公にしては寡黙な方というか、語り部がワトソン役の石岡君なので仕方ないのですが、もう少し話してほしいなと思わせるバランスと魅力とが求心力になっているのかなと、そんな風に御手洗さんに翻弄されていることにもちょっと喜びがあります…!

石岡君視点の進行なので付かず離れずいるのかと思ったらすれ違い続けて主人公不在の数日があるとは、そこも型破りでとっても面白かったです!
その間何も進展がなく廃人のようになっちゃうとか、人間味もあっていいですよね〜!
かと思ったらたった2時間で犯人にまで辿り着くという天才ぶり!

一作目なので、これまでの石岡君との関係性をどう築いてきたのか知らないのが惜しく感じました…!どんな出会いだったのか知りたい〜〜!!

御手洗さんがまだ何も活躍という活躍をしてないままでも(それを作中で指摘する石岡君も斬新)ずっと石岡君は御手洗さんの非凡さを認めていて、信頼してるんですよね…!尊い!

和製シャーロックホームズと呼ばれているのがよくわかります!シャーロックは映画やドラマしか見た事はないんですが、バディ物いいですよね!

二人の関係性が抜群に愛おしくて…!!
苦手な方いたら申し訳ないんですが、これはBL同人誌作られるのめっちゃわかる…!と思ってしまいました…。
島田先生の「それは別物だから怒り出すことはない。原作が影響をうけたり、ダメになったりしたら、こちらの力が足りないのだと思う」ってお言葉もかなり寛容で素敵ですよね…!

本を開けばずっと石岡君が話しかけてくれるので、まるで友人になったような親しみを覚えてしまって、本当にちょっと寂しいです。

読書って楽しいなあ〜としみじみ思える時間でした。

でもラストに近づくにつれ、終わってほしくないのと、犯人の切なさみたいな物悲しさがあって、それを静かに受け止める御手洗さんにまた魅了されるという…!

調べたらシリーズまだまだたくさんあるんですね!しかも玉木宏さんで実写化も!
また2人に会いに行きたいと思います!

以下、読みながらちょこちょこメモしておいた好きなところとか

御手洗さん自分で「変人で嫌われ者」って言っちゃうとこがかわいいな。自分のこと理解してて取り繕わないとこがいい。

「友人なんて数える程しかいない」の中に石岡さんが入ってるんだろうな、なんか愛しいな

え?石岡君、御手洗さんが唯一の友人なん?
意外すぎるやろ…御手洗さんには江本君もおるのに…!!

(ゆっくり食べろって注意した)の括弧書き愛しい

江本君と石岡君が本人を目の前に御手洗さんをディスり合うのおもろ
「占いは偏屈老人の仕事」
「まだお若いのにねぇ……」
「お気の毒なことです……」
この「……」が最高w

「ベッド吊り上げ説、常識的でないので除外します。」
ええーー!?あんなに何度か推考されてたのに?!すごいこんな方法が?!って思ってたのにアッサリ除外された…

「淋しくなれば君もいてくれる、ぼくは一人ぼっちじゃない」
仲良し…!!

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