マガジンのカバー画像

鹿狩りフラミニヤ―創作

19
自然発生的に生まれた掌編や散文詩ともつかない「創作」寄りのもの、およびお題をきめて書いた習作をこのマガジンで販売しています。不定期的に更新され、原稿用紙で二百枚程度になったらひと… もっと読む
記事のなかには試し読みができるものもあります。記事がたまっていくうち無料公開の記事を増やす可能性が… もっと詳しく
¥500
運営しているクリエイター

#フォロー

十一月半ばに書かれたパスティッシュ風の幕間的掌編

十一月半ばに書かれたパスティッシュ風の幕間的掌編

「そうですか」
 それは広く長い河川の流れとは異なっている。
 それは地下からしみ出す水がいずれなにかのはずみに、掘り抜き井戸を溢れるのとも異なっていて、そしてまた海辺におとずれる潮の満ち干とも決定的に性質をたがえている。
 あらゆる意味においてそれらの比喩は、適切さに欠ける。

   □

 ただ私はみていたのだ。穏やかな波頭のうねりをみつめているうち、時をかけてなにかが漂着する「時」の訪れその

もっとみる