【本44】直感と論理をつなぐ思考法ーVISION DRIVEN

この本は、本屋さんで見かけて面白そうだなと思って買った本です。
本屋さんはいろんな本との出会いがあって、何時間でも居れる場所ですよね〜!!

この本の「はじめに」に出てくる、

『最近、「本当にやりたいこと」がわからなくなってきて…』

という一文から引き込まれて、

『「他人モード」にハイジャックされた脳』

という言葉を見た時、この本を買おうと思いました。

皆さんはどんな本のどんな言葉に引き寄せられますか?
それが今のあなたの目の前の課題なのだと思います。
目の前にある課題を、先送りにせず、見なかったフリをせず、自分の直感を信じて向き合ってみましょう。

☆本の内容☆

人から受け取った情報に反応する「他人モード」の行動。
ふつうに生きていると、僕たちの脳はずっと「他人モード」になっており、「自分がどう感じるか」よりも「どうすれば他人が満足するか」ばかりを考えている。

「自分モード」のスイッチを切ったまま日々を過ごしていると、僕たちは「何がしたいのか」を思い出せなくなる。

これは本当にそうだなと思います。
私が感じている、『自分自身と深く向き合うこと』というのも、まさに「他人モード」から「自分モード」への切り替えなんだと思います。

人も組織も「これがやりたい!」があると強い。
『妄想』を駆動力に出来る人・組織は強い。
ビジョナリーな人たちは、途方もないビジョンを駆動力にしながらも、同時に「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むことを忘れていない。
本書では、このような思考のモードを『ビジョン思考(Vision thinking)と呼んでいる。

ビジョン思考って聞くだけでワクワクしませんか?
ただの妄想に終わらせず、かたちにして、行動する。

他人が抱える問題の解決ばかりに夢中になっていると、「誰の役にも立たないけれど、自分にとって大切なこと」が視界から消えていく。
人の役に立つのがうれしいと思って続けていると、いつのまにか「自分がなくなっている」ことに気づく。

本書ではビジョン思考の全体像を、イラストを使った地図で分かりやすく説明されています。
今の自分はどこにいるんだろう、と考えながら読むと楽しみながら理解が進むと思います。

変わるための「まわり道」ートランジション理論ー
『人生における転機には3つの段階がある』
①終わらせる段階
②ニュートラルな段階
③次のステージを探す段階
このうち誰にとっても顕著なのは、①終わらせる段階に生まれる違和感だ。
それまでは楽しかったはずの仕事や趣味が途端に彩りを失い、面白みが感じられなくなる。
このような「モノクロの日常」を感じとったときこそ、「自らの心の声に耳を傾けるチャンス」だと思った方がいい。

私もこんなふうに感じていました。
「モノクロの日常」。
まさにその通り。
周りは何も変わっていない。
ただ自分の意識が変化しただけ。
ここからどうやって「フルカラーの日常」に戻るのか。

第一のアトリエ 妄想の部屋
「地上」の世界でフタをしている自分自身の内面や潜在意識と向き合い、「本当の関心」と出会う。
大事なのは、自分の持つ欲望や、好きなこと、ワクワクすることに向き合うこと。

まずは自分のワクワクを知ること。
これがなかなか難しい。
自分がどんなことにワクワクするのか、それを自分の中から見つけ出してあげること。

第二のアトリエ 知覚の部屋
妄想の解像度を高める。
自分にピンとくるビジョンの設計図や世界観のコラージュをつくっていく。

ぼんやりとした輪郭をはっきりした形にしていく。
さまざまな写真や、詩のフレーズ、視覚や聴覚、体感覚を使ってインスピレーションを得ましょう。
そのためにはまず、自分の中にいろんな情報が必要ですね。
日ごろから、自分がピンとくるものを集めておくと良いですね。

第三のアトリエ 組替の部屋
「独自性」を徹底的に突き詰めていく。
他人の目を気にせずに主観的にアウトプットしただけの構想を、他人の目線で外から眺め直し、自分らしい世界観に基づいた独自のコンセプトへと磨き上げていく。

とことん自分の中から出し切ったら、次は外の目線。
誰に見てもらうかも重要!!

第四のアトリエ 表現の部屋
いったん具体的な作品にする。
ビジョンを簡単にプロトタイピングしたもので十分。
小規模グループで批評し合い、そこで得た感想やフィードバックによってモチベーションを高めたり、次なる妄想の種をつくったりする。

より具体的に見えてくる。
私はこういうのは苦手だなぁと感じます。
なかなか自分が思ったこととかを、人に見せてフィードバックをもらうというのができてないなぁ。
本書でも、『アウトプットが足りない』という言葉が出てきますが、ここを実践できている人は少ないのかもしれません。

「余白づくり」がすべての起点になる。
余白を作ることなくして、なんらかの創造的アイデアが生まれることはない。
「余裕ができたらやってみよう」ではなく、先回りして余白をつくる。

これは個人でも組織でも同じみたいです。

『10%成長よりも10倍成長を考える』
10%の成長をしようと思えば、生産性を10%高めたり、シェアを10%増やしたりといったがんばりが求められる。
他方、10倍の成長は、その種の努力では到達不可能だと分かっているので、根本的に別のやり方を考えるしかない。
途方もなく大きな目標があると、個人の創造力や内発的な動機に訴えかけるアプローチを取らざるを得ないくなり、「努力」の呪縛から自分を解放することができる。

この、「個人の創造力や内発的な動機」にアプローチするためには余白が必要です。
職場でも、意識的に余白をつくる環境を整えることで、インスピレーションが湧いたり、「こんなことやってみたい」という内発的動機に気づくきっかけになります。

いかにしてトップに現場の情報を集約し、最適な意思決定を下せるかという考え方を前提とする限り、「情報集約」→「合意形成」→「意思決定」→「伝達」→「リソース低下」→「現場の実行」という具合に、いくつもの中間プロセスが必要になる。
このマネジメント・モデルでは、もはや時代の変化スピードにはとてもついていけない。
不要な階層性を取り去り、個人がフラットに価値を生む「場」をつくる、自立分散型の組織こそが、21世紀ビジネスの勝者となるのかもしれない。

一握りの優秀な人たちに任せるだけでは、その人たちがいなくなったとき、急激に組織の力が低下してしまいます。

一人一人が自立して、考え、行動していくことを強力にサポートする環境を整える必要があると思います。

妄想(ビジョン)を引き出すための具体的なメソッドは「紙×手書き」が基本。
「感情アウトプット」を練習する。(ジャーナリング)
「そのときに感じていること」を「ありのままに吐き出す」。

この、妄想を引き出すための具体的なメソッドは、本書に色々なパターンが紹介されているので、ぜひ見てみてください。
自分に合ったメソッドで実践してみるといいと思います。
「自分モード」にシフトすることが、私にとってかなりハードルが高いようです。
少しずつ自分の「ありのままの想い」を吐き出したみたいと思います。

知覚力を磨く
同じ情報からどのような意味を「つくる」かは、本来、人それぞれである。
状況判断の優劣は、情報から独自の意味をつくり出す「知覚力」が左右する。
知覚力は大きく3つのプロセスから成り立っている。
①感知ーありのままに観る
②解釈ーインプットを自分なりのフレームにまとめる
③意味づけーまとめあげた考えに意味を与える
それぞれの力を磨くための具体的な方法は、
①感知ー言語モードをオフにして、ありのままによく見る。
②解釈ー「箇条書き」ではなく、「絵」にして考える。
③意味づけー2つのモードを往復し、「意味」をつくる。

それぞれの詳しい説明は省きますが、①感知の『ありのままに観る』というのは、なかなか出来ていないことだなと思いました。
ありのままに観ているようで、本当は自分の今までの経験からのフィルターごしに観ていることが多いようです。
ありのままの情報を、どれだけ細かくインプットできるかで、アウトプットの質が変わってきます。

De-sign=概念を壊してつくり直すこと
行為としてのデザインには、対象を構成要素に分解した上で、再び組み立て直すというニュアンスがある。
「あたりまえ」を洗い出し、違和感を探り、逆を考えてみる。

この分解の実践法として、『あまのじゃくキャンバス』というのが紹介されていました。
これは面白そう!やってみたい!と思いました。
色んな発想が浮かびそう!

この本は、ただ「これをこうしてみたら良い」ということが書いてあるだけではなく、「きちんと自分のモノにするために具体的に何をどうしたら良いか」という実践の方法がたくさん書いてあります。
行動するためのさまざまな方法に触れ、ワクワクしながら自分に合った方法を試してみましょう!


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