【本37】「おカネの天才」の育て方

年齢層が6つに分かれていて、それぞれの層で教えるべきことが書かれています。
就学前、小学生、中学生、高校生、大学生、社会人。

うちは小学生なので、小学生のところと中学生のところを参考に読んでいきました。

子どもたちの様子がとても分かりやすく書いてあり、その時どう感じているかがユーモアたっぷりに書いてあります。

☆本の内容☆
子供がお金のことを持ち出すと、大抵の親はうろたえる。
嘘をつく(「ごめんね、お財布忘れちゃったから今は買えないの」)。
心配する(「うちの子に奨学金が返済できるかしら?」)。
先送りする(「絶対にきちんとお小遣い制を守るってきめたから!でも来月からね」)。
要するに、人生の中のお金に関する事実を子供に教えることを避けている。
それはなぜか。
ほとんどの親たち自身がお金に詳しくないと感じているから。
しかし、子供がお金をどう扱うようになるかに最も大きな影響を与えるのは親だ。

○子供とお金の話をするときのルール

子供は3歳にもなると、お金の概念を理解できるようになる。
すごく幼稚な理解ではあっても、価値や交換といった概念がわかり始める。
小さな子供はなんでも知りたがり、それを理解する力がある。
お金について興味を示したら、お金はどこからくるのか、どうお金を支払うのかを教えるきっかけにする。
親が説教モードに入るとだいたい、子供は話を聞かなくなる。
それよりも、たとえ話で要点を伝えよう。
実際のエピソードは心に刺さる。

具体的な数字を示すと、お金の話は理解しやすい。
「若いうちから確定拠出年金にお金を入れることが大事だよ」というより、「22歳から毎月315ドルを確定拠出口座に入れておくと、65歳の時には100万ドル以上になるんだよ」と言えばいい。
どこから数字を引っ張ってきたらいいかわからない時は、オンラインの金利計算機を使うと便利。

子供は賢い。
「買えません」では納得しない。
いずれにしろ「買えません」と言われても、子供は信じていない。
今は手元にお金がない、といっても通用しない。
現金がなくても、いくらでも買い物ができることくらい、子供にもわかる。
お金がないと言ったすぐ後にクレジットカードを使えば、たちまち嘘がバレる。

ほかのしつけと同じく、お金も少しずつ心構えをさせなければならない。

子供は、特にティーンエイジャーは、何を言っても親の思い通りにはしてくれない。
説教すれば、逆効果だ。
だから日常生活の中にうまく織り込むこと。
おばあちゃんからお小遣いをもらったら?
一緒に銀行に行って、貯蓄預金口座を開き、お小遣いをためさせよう。
それが、金利と選択について話し合うきっかけになる。

どんな風に子供とお金の勉強をしようかと考えていましたが、改まってするよりも、日常生活の中で少しずつ考えるきっかけを与える方が良いんだなと思いました。

○貯金しよう

無駄遣いせず、本当に欲しいものを買えるように、お金を貯めるためのスキルを教える。
自動的に貯金する習慣をつけることが重要。

手に入れたお金の4分の1を貯める、など大まかなルールを決める。

「機会損失」の概念を教えてあげる。
機会損失とは、なにかを得るために何かを諦めるということ。

口座へ預け入れることを教える。
金利はタダでもらえるお金。
口座を選ぶポイント。
ただしオンライン銀行は、現金のやりとりがないので避ける。

現金でのやりとりを意識して行うこと。
それが子供にとっては一番わかりやすい。

○努力には見返りがある

「やり抜く力」が知性よりも、子供の成功を左右する。
能力よりも、努力を褒める。
絵を描いて見せてくれたら、「きれいね」と褒めるより、「よく頑張って描いたね。二つの円を結んでるこの線の青色がすごく美しい」と褒めたほうがいい。
細かく指摘することで、子供がその絵につぎ込んだ作業にあなたが注意を払っていることが伝わる。
何かを根気強くやり抜く力があれば、人生の困難や逆境を克服できることを子供に伝える。

家のお手伝いは家族の一員として当たり前のこと。
余分な仕事にはご褒美をあげていい。

仕事はいつも楽しいばかりではないけれど、仕事があるのはありがたいこと、と教えること。
どんな場合でも相手を尊重し、嫌な気持ちを飲み込んで仕事なり勉強なりに励む必要があることも話すといい。
家族の食べ物や着るもの、住む場所を確保するだけの十分なお金を得られる手段があることに感謝を表す。

やり抜く力は、とても大事ですね。
自分自身がやりきった、と思えるかどうか。

○借金とは何か

ものを買うにはお金がかかる。
現金であれ、クレジットカードであれ。
学校に入ると、子供の「欲しい欲しい病」は全開になる。
「欲しい」が「ないと困る」になり、さらには「持ってないのは自分だけ」と言い出す。
クレジットカードを使うと、もっとお金がかかることを説明する。

「純資産」とは何かを理解する。
6年生くらいになると、学校で負の数字について学ぶ。
このタイミングで「マイナスのお金」について説明するとちょうどいい。
誰かに10ドル借りたとする。
ポケットに6ドルあったとしても、「純資産」はマイナス4ドルだ。
純資産とは、持っているお金から、誰かに借りているお金を引いた額。

借金の金利がかさむとどうなるかを、具体的な数字で説明する。
もし毎月の最低支払額だけを払い続けたら、合計でいくら余分に支払うことになるかを数字で示す。

お金を借りるということは、きちんと子供に教えておかないといけないですね。
基本的には借金はしないこと。
大きな買い物でローンを組んだ場合、どう支払うのが一番良い支払い方か。
数字で示して説明するというのが、分かりやすくていいですね。

○賢くお金を使おう

ダメと言ったら絶対にダメ。
もしあなたが子供のしつこいせがみに負けて、以前にダメと言っていたおもちゃやお菓子やゲーム機を買ってあげたとしたら、子供のスロットマシンになっている。
プレーし続けていれば(つまり、しつこくせがんでいれば)、いつかは当たるし、少なくとも数回は当たりが出ると思い、欲しいものをせがみ続ける。

ものを買う理由を説明する。
次に子供と一緒に買い物するときは、同じような品物をいくつか見せて、値段の違いを指摘しよう。

家族の予算作りに子供を参加させる。
家族の支出を決めるときのトレードオフについては、できる限り子供に教えた方がいい。
そして子供に意見を聞こう。

子供に消費者としての不満を経験させる。
親は子供をがっかりさせないように気を配り、子供が傷つかないように、子供が粗悪品を掴まされたりしないように、守ろうとする。
しかしそれでは、子供は賢い消費者になれない。

私もスロットマシンになっているな〜、と読んでて思いました。反省。
子供に教えるよりも先に、親がきちんとルールを明確にしないと、子供は混乱してしまう。

○保険をかける

私たちは皆、人生でリスクを取る。
大きなリスクをとる人もいれば、あまりリスクを取らない人もいる。
そして保険は、思いがけず誰かを傷つけてしまったときのためでもある。
保険に入るときは、全体像を見て、大きなリスク、例えば命(生命保険)、健康(健康保険)、持ち物(家財保険やテナント保険)を守ることを考えた方がいい。

大切なものを守るための保険は、シンプルに説明した方が分かりやすいですね。
もしもの時、どれだけの保障があれば十分か。

○投資についての単純な真実

株式とは、あなたが所有できる、会社のほんの小さな一部。
ものを作るにはお金が必要で、そのお金を募るために、多くの会社は「株」を売り出す。
「株」を買うということは、その会社に「投資」することだ。
そして、その会社のほんの一部を所有するということだ。

「分散」についても説明が必要。
一社の株だけを買うということは、この会社に大きな賭けをするということ。
もしたくさんの会社の株を持っていれば、お金を全部失うリスクは減る。
株価の下がる会社もあれば、上がる会社もあるので、全体でみればうまく行く可能性が高まる。

「複利」についても必ず説明しておく。
金利が金利を生むことを「複利」と呼ぶ。
複利によってお金がたちまち増える。
逆にしても同じ。
借り入れの複利もたちまち増える。

「72の法則」を知る。
利子で72を割る。そうすると元本を2倍にするためにかかる年数がわかる。
たとえば、8%の利子がつく口座にお金を投資したら、9年で元本が2倍になる。

投資について、自分もほったらかしにしているのでなんとも言えない。
ただ、投資にはどんな種類があって、どんなメリット、デメリットがあるのかを簡単に説明できるようにしておくと良いなと思いました。
これも改まって話すと難しくなってしまうので、日常の会話の中で出てきたときに、自然に話せるようにしておきたいな。

○社会に還元しよう

子供が「共感して」いなくても、心配しなくていい。
「ふりをしているうちに本物になる」。
義務感からでも、心からの善意によるものでも、行動することに意味がある。

人はみなそれぞれで、「たくさんのものを持っている人」から「十分ではない人」まで幅があり、自分より足りていない人がいることを子供に教えることが重要。

本当の慈善というものは、今あるものの中から、少しでも誰かに分け与えることだ。

衝動的に寄付しない。
道で誰かに声を掛けられたりしたとき、その場でお金を渡すかどうかを決めず、調べてから寄付をすること。
寄付をした場合は、領収証を保存すること。

海外は寄付やチャリティーが身近なものだと思うが、日本ではあまり感じられない。
自分自身も、今まであまり意識したことがないし、それこそ衝動的に寄付している方が強いかもしれない。
まずは自分がきちんと調べて、どんなことを支援したいと思っているかを深掘りしていこう。
「もしこの世界でひとつだけ変えられることがあるとしたら、何を変える?」



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