【本21】会計天国

会計のことがストーリーで分かりやすく書かれた本です。

会社の同僚に借りた本ですが、ストーリーなので読みやすく、色々なケースを通じて会計とは何か、ということが分かりやすいです。

財務諸表は数字がたくさん並んでいて、一体どこをどう見たら、経営状態がどうなのかを知ることができるのか?
それを物語を読み進めながら、理解していくことができます。

☆本の内容☆
○貸借対照表を使ってやるべきこと
①流動資産と流動負債を比べる
 ➡︎ 会社の短期的な財務状態が健全なのか
    流動資産(1年以内に現金化できる資産)よりも流動負債(1年以内に支払うべきお金)が大きくなっていると短期的にアウト。
・固定資産が多くないか

*固定負債と純資産で固定資産を買う。
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【固定資産】            |    【固定負債】
   内装設備  1億         |       長期借入金  1億
   保証金      1億         |  【純資産】
                                  |       資本金         2千万
                                  |       利益剰余金  8千万
合計            2億         |    合計                2億
  ↪︎減価償却によって減少         ↪︎銀行へ返済すると減少
     <スピードが違う>

例えば耐用年数10年、定額法とすると年間1000万
長期借入金が5年で均等に返すとすると年間2000万
右側が1年間で1000万も多く減る
純資産の中の資本金は増えてないから利益剰余金(当期純利益)でお金を調達することになる。
銀行にお金を返済する時に、2000万のうち1000万は減価償却費として貯まったお金が使えるが、残りの1000万は経費にならないから、40%の法人税400万を支払ったあとの当期純利益で調達したお金を使うことになる。

*『短期借入金』は運転資金として使うべきお金。
例えばお客さんがカードを使うと「売掛金」が計上されて、その代金は2ヶ月後に入ってくる。
でも人件費や家賃は翌月には支払わなければならない。
その1ヶ月間のズレを埋めるお金を運転資金という。
『短期借入金』の元本を返済する時には人件費や家賃はすでに経費になってるため、利益が出ることもないし、無駄な税金を支払うこともない。


②純資産と負債・純資産合計を比べる

 ➡︎ 会社の長期的な財務状態が健全なのか

*『自己資本比率=純資産の金額÷負債・純資産の合計金額』
理想は50%
30%が確保できていればOK。

*資本金が11億円以下の会社は、会社全体で400万までしか経費にならない。
(業者を接待した交際費で領収証があったとしても)

*会社で重要なことを決めるときは、3分の2以上の株主の賛成が必要。
・最初は資本金2000万÷5万=400株を発行。
 ・今は純資産1億÷400株=1株25万の価値。
【現在の価値】
①400株 【純資産】資本金2000万、利益剰余金8000万
②100株 【増資】1億  1株100万×100株を発行(将来性を加味して株価を上げてよい)
   ➡︎  ①と②は同額(どちらも1億)
○発行株式数500株
・増資した人は、100株÷500株=20%の持ち分になる。

*ハイリターンでなければ、ハイリスクを覚悟したお金は調達できない。

*総資産利益率=当期純利益÷資産合計


○損益計算書の分析
・最初の分析はざっくりやって、焦点を絞る。
*売上に変動するものが変動費
*売上に関係なく発生するものは固定費
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
突発的に今回だけ発生  (はい)➡︎  【無視】
      (いいえ)⬇︎
売上に連動する部分がない  (はい)➡︎  【固定費】
      (いいえ)⬇︎
売上に比べて少額   (はい) ➡︎  【固定費】
      (いいえ)⬇︎
集計する手間がかかる   (はい)➡︎   【固定費】
      (いいえ)⬇︎
                 【変動費】

*損益分岐点の売上ー変動費ー固定費=0
*損益分岐点の売上=固定費÷(1ー変動費率)
*変動費率=変動費÷売上

損益分岐点の売上は1年間で考えた損益をゼロにできる売上。

*固定費が大きなビジネスを目指すべき。
            ⬇︎
*その次に、会社は4つの選択肢の中でどれを選ぶべきなのか。
     変動費 大     固定費 小
                  ⬇︎会社を大きくする
     変動費 小     固定費 大
                  ⬇︎
      競合会社が参入し、競争激化
         ①変動費を上げる  ✖︎
         ②固定費を上げる
         ③変動費を下げる  ◎
         ④固定費を下げる

①が一番楽でダメな方法。
変動費が上がったことで「損益分岐点」の売上は遠くなるし、そこに届かないと赤字は拡大してしまう。
それでいて「損益分岐点」を越えても、利益の額が小さい。ハイリスク・ローリターンの最悪なビジネス。
値下げすると「変動費率=変動費÷売上」が上がって、変動費が大きくなるのと同じ結果になる。

*粗利益が小さいビジネスはすでに死んでいる。
社員一人あたりの粗利益(売上総利益÷人数。原価で処理されている人は除く)
標準1500万 / 目標2000万

③を選択しなければならない。
商品を高く売って変動費率を下げることによって損益分岐点も下がる。
 現在の売価 1000円  ➡︎  原価 800円  利益 200円
 新しい売価 1100円  ➡︎  原価800円  利益200円  値上げ100円
  *会社の粗利  1.5倍

*新しいビジネスを始める時に忘れてはいけないこと。
①新規事業を行う目的をハッキリさせる。
②無理のない目標を立てる。
③撤退のルールを明確にする。

*『歩留率』
例;ハンバーグを作った時に、ひき肉と玉ねぎがハンバーグになる確率。
歩留率が良ければ材料を捨てるロスが少なくなってあらりえきは必然的に大きくなる。

単純に歩留率を計算するだけではなく、どこで悪くなっているのかを考えることも重要。
製造業に限らず、どんな仕事でも歩留率の考え方を頭に置いておく。
例えば営業マンがプレゼンの資料を作るとする。
最初にお客の意見をよく聞いてから作らないと、もう一度全て作り直しになる。
工程の後の方で歩留率が悪くなっているから、それまでにかかった人件費や事務所の賃料を無駄にしたことになる。
これは総務や経理の仕事でも同じ。

*キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー=フリーキャッシュフロー ー 財務キャッシュフロー

フリーキャッシュフロー=営業キャッシュフロー ー 投資キャッシュフロー

フリーキャッシュフローがプラスなら、商売としてはうまくいっていることになる。
営業キャッシュフロー…経営活動の中で生まれる。
投資キャッシュフロー…機械設備などへの投資を表す。

正常な状態であれば、営業キャッシュフローで儲かったお金を投資キャッシュフローで使うことになる。
つまりお弁当を作って売って儲かったお金で新しい機械をということ。それでも余ったお金があれば銀行へ返済。

*節税と会計のテクニックを使いこなせ
①節税のテクニックを使って、会社が使えるお金を増やす
②会計のテクニックを使って、決算書の利益を増やす
③ビジネスモデルを変えることで、現実の売上と利益を増やす
・会社を再生させる時にはこの3つの方法を考える。

*上司の仕事を勘違いしている困った上司
実践経験から営業テクニックを学ぶことが大事と言って、ろくに勉強もしない。

・なぜ会社は高学歴な人材を欲しがるのか。
試験に合格出来る頭の良さは、勉強をやる要領がいいということ。
忙しい仕事の合間でも要領よく勉強してその知識を活かせる人間が成果を上げる。

*売上を伸ばすことと利益を稼ぐことは全く違う。
自分の担当している部署の決算書を作る。
「会社」と「部署」では決算書の項目が変わってくる。

【貸借対照表】
ーーーーーーーーーーーーーー
流動資産    |   負債
  売掛金      |     買掛金
  商品          |     未払金
ーーーーー |ーーーーーーーー
固定資産     |  [お金の調達]
  車両          |

【損益計算書】
売上高
変動費
*貢献利益
*管理可能固定費
*管理可能利益
*管理不能固定費
*事業部利益
*全社共通費

営業利益
(*…特殊な項目)

*部署の「総資産利益率」を見る。
自分の部署の資産に対してどのくらい利益を稼げているか。
(部署の「損益計算書」では営業利益までしか計算しないから、正確には「総資産営業利益率=営業利益÷資産合計」を計算することになる)
目標は会社全体の総資産利益率を超えること。
それよりも小さいと将来会社として別の部署に力を入れられてしまう可能性が。

*貢献利益を大きくすることを目標にしなければならない。


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