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映画を見て何か言っています。(20代・マスコミ編集)

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執筆記事まとめ(2024.01〜随時更新)

2024年執筆記事まとめ(順次更新) 1月カラオケ行こ! みなに幸あれ 神さま待って!お花が咲くから 2月熱のあとに 同感 時が交差する初恋 ソウルメイト 3月きまぐれ ビニールハウス 12日の殺人 4月大阪カジノ 成功したオタク 貴公子 異人たち エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

    • 映画『ずっと独身でいるつもり?』ネタバレ感想/30代のリアル?

      ふくだももこ監督の『君が世界のはじまり』が好きで期待していたが何とも…。結婚観や20〜30世代の女性を取り巻く環境が変わりつつある今、この題材を女性監督が撮ることに期待しすぎたのかも。 雨宮まみの連載が2013年、おかざき真里のコミックが2015年であるとはいえ、結局今までのテンプレのキャラクターから抜け出せていないように感じた。特に松村沙友理演じる港区女子や、徳永えり演じる子育て世代の女性の置かれた状況やそこからの解放もどこかで見たテンプレのまま。多少、パパ活やSNSなど

      • 映画『手』ネタバレ感想/おじさんが好き…でも痛烈

        日活ロマン・ポルノ60周年を記念して、「ROMAN PORNO NOW(ロマンポルノ・ナウ)」として、新たな日活ロマン・ポルノが制作された。その1つが『手』である。 監督は、『ちょっと思い出しただけ』の松井大吾監督。さわ子役は、『彼女はひとり』『本気のしるし 劇場版』の福永朱梨。森役は、『猿楽町で会いましょう』の金子大地。日活ロマンポルノというより、恋愛映画という印象だが、私のような20~30代の女性層を意識した映画だと感じた。 映画を鑑賞後、山崎ナオコーラの原作小説を読

        • 韓国映画『オマージュ』ネタバレ感想/先代に捧ぐ女性監督の物語

          本作を知るきっかけとなったのは、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社・夏目深雪編)であった。韓国の女性監督を取り巻く状況についての記述があり、本作を監督したシン・スウォン監督についても取り上げられていた。 シン・スウォン監督は、韓国初の女性映画監督パク・ナモクと2人目のホン・ウノンについてのドキュメンタリーを手がけた。その際に2人の監督と親交があったという女性編集者と出会い、この映画を制作するきっかけになったという。 本作の主人公は、映画監督のジワンである。ヒ

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          7本

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          絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』読書感想

          前回🔽 時折私は、ビビッとくる本を求めて本屋をぷらぷら彷徨う。そして財布を開きため息をつく。また今度…と欲しいものリストに入れて本屋を立ち去る。そして思い出した時に、そうだ買ってしまおうとポチる。ネットでポチるのではなく、本屋で買えば良かったなと思いつつ。 本作もそんなビビッときた本の一つ。著者名もタイトルもいい。私は意図的に終電を逃すこともあるし、ボケボケして意図せずに終電を逃すこともある。更には、終電に乗り、駅員さんに起こされてハッとして降りたら終着駅だったりする。

          絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』読書感想

          MY課題映画感想/2024.04

          今月の課題映画 大和(カリフォルニア) 大和市の空気感はよく知らないのだが、アイデンティティの揺らぎ、行き場のない苛立ち、息苦しさは伝わってきた。しかし、それ以上にクサさを感じてしまい、模倣から本物へと踏み出すクライマックスも共感性羞恥で見てられなかった。 (★★☆☆☆) 衝動 若者の息苦しさ、澱んだ社会の縮図をベースにしつつもエモーショナルな演出がひたすら寒い。倉悠貴さんと見上愛さんが絵になるのはわかるし、その2人の存在感はあって良いのだが…何だろうな、社会問題を

          MY課題映画感想/2024.04

          韓国映画『成功したオタク』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

          ある日“推し”が犯罪者になった。実際のK-popスターのファンであった監督が、同じような体験をしたファンにインタビューをしていくドキュメンタリー。 背景を知るために、発端となった事件について触れていく。事件は2018年にソウルの江南区にあったクラブ「バーニング・サン」で、セクハラを受けた女性を助けようとした男性が暴行を受けたことから始まり、多数のスターが性的暴行や売春斡旋、違法薬物取引などに関与していた疑惑が浮かび上がっていく。 以下は参考までに。 監督は、チョン・ジュ

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          中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

          以前、『戦慄のリンク』でも触れたが、中国では幽霊の存在を認めてはいない。そのため、本作も悪霊が出てくるとはいえ、恐らく悪霊ではなく人的なものであろうという予想はできるが、どう整合性をつけるのかが気になるところである。 冒頭から意味ありげに道士が出てくる。道士は道教における修行した仙人のような存在である。仏教でいう僧に近いだろうか。映画の内容なのが現実の世界なのか…どうやら前者のようだが。 そして急に若者たちが集められ、試写会を行うという。呼び出したのは映画館を作った理事長

          中国映画『呪霊 八つの棺の呪い』ネタバレ感想/恐怖の試写会

          韓国映画『デシベル』ネタバレ感想/復讐と生き残ってしまった苦悩

          『THE WITCH 魔女 増殖』で登場シーンは少なかったものの、存在感のある役を演じたイ・ジョンソク。他の出演作も見たいと思っていたところに公開されたが、なかなか予定が合わず配信レンタルにてやっと見ることができた。 イメージチェンジのためか分からないが、若手俳優が悪役や狂気的な役を演じることが多いなと思う。 イ・ジョンソクが影のあるテロリストを演じ、孤軍奮闘する元海軍副艦長を演じるのは、『江南ブルース』『最も普通の恋愛』のキム・レウォン。また、本作はASTROのチャウヌ

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          『国葬』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

          1953年、スターリンが死去し、国葬が行われた。その時のアーカイブ映像がリトアニアから発掘された。そのアーカイブ映像を再構築したのが、本作である。本作の内容に触れる前に、スターリンについてみていこう。 グルジアに生まれ、民族的にはグルジア人であったスターリンは、マルクス主義に傾倒し、革命を起こし、崩壊した帝政ロシアの後にソビエト政権を主導したレーニンのもとで参謀として活躍した。 1924年のレーニンの死後、後継者争いを制したスターリンは、指導者となり五カ年計画を打ち出す。

          『国葬』ネタバレ感想/ドキュメンタリー映画

          チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』読書感想

          前回🔽 チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』を読み終え、チェッコリで行われたチョン・ソヨンのトークイベントをオンラインで視聴した。読みながらぐるぐると考えたことを一つ一つ整理しつつまとめていこうと思う。 何気なく書店でこのタイトルが目に入り、ふと手に取った。本当はイム・ソルアの『最善の人生』を探していたのだが…。(その本は置いてなかった) 手にとってぱらりと中に目を通し、すぐ買うことに決めた。私は“発言する女性”として生きていきたいと思っているし、そう

          チョン・ソヨン『#発言する女性として生きるということ』読書感想

          映画『赤の涙』ネタバレ感想/軍事政権化の学生運動を描く

          スペイン、ウルグアイ合作。1975年の軍事政権下を舞台に、学生運動に身を投じ、拷問の末投獄された女性の生涯を描く。中南米の歴史に明るくないので、こんなことがあったのかと非常に興味深い映画であった。 中南米といえば、1950年代のキューバ革命は聞いたことがあるかもしれない。チェ・ゲバラ、フィデロ・カストロを中心とした武装解放闘争である。 勿論キューバ革命の影響は他の国にも波及した。しかし、そのような革命分子はキューバ以外は軍事政権により抑えられたようである。アメリカが軍事介

          映画『赤の涙』ネタバレ感想/軍事政権化の学生運動を描く

          日活ロマンポルノ『桃尻娘シリーズ』ネタバレ感想/竹田かほりと亜湖の名コンビ

          竹田かほり演じるレナと、亜湖演じる裕子の青春模様を描いたエロティックコメディ。『桃尻娘 ピンク・ヒップ・ガール』、『桃尻娘 ラブ・アタック』の前2作は日活ロマンポルノとして制作されたが、3作目の『桃尻娘 プロポーズ大作戦』は一般映画として公開された。 日活ロマンポルノの中でも若い層向けで、女性でも見やすい印象。しかし、平成っ子の私には70年代のティーンのリアルが分かりかねるので、妙に芝居がかったセリフ回しなど、どこまで当時のティーンを再現しているのかは気になる。 では、そ

          日活ロマンポルノ『桃尻娘シリーズ』ネタバレ感想/竹田かほりと亜湖の名コンビ

          映画『歯まん』ネタバレ感想/人と違う自身の体に恐怖する少女

          高校生の遥香は、恋人の洋一とラブホテルに。そこで初めて性行為をした遥香だが、その最中自身の性器に歯が生え、洋一の性器を噛みちぎってしまう。 呆然とする遥香の目の前で血飛沫が。ピューっと飛び出る血飛沫はチープさと相まってなかなかシュール。呆然としながらも次第に恐怖が遥香を襲う。洋一は呼びかけても応答しない。 出血箇所をおさえて、病院に運べば死なないのではないか、と思わなくもないが、その辺りは突っ込んでいたらキリがないので…。 その場を飛び出してしまった遥香はその日から幻覚

          映画『歯まん』ネタバレ感想/人と違う自身の体に恐怖する少女

          ホン・サンスとキム・ミニについて/『草の葉』『川沿いのホテル』『逃げた女』『イントロダクション』『あなたの顔の前に』

          ホン・サンス監督作の『草の葉』、『川沿いのホテル』を見て、改めてホン・サンス作品について色々考えてみた。まとまりはないが、自分の考えの整理という意味も込めて書いておきたい。 変わらずどうしようもない恋愛模様を描き続け、ミニマムな世界にしか興味を持っていない作家は他に見たことがない。反復やズームなどの技法はホン・サンスにしか出しえない味わいがあり、気づいたらもう虜である。 同じような三角関係に、男性は映画監督や作家、脚本家、俳優ときている。ホン・サンス自身を投影しているので

          ホン・サンスとキム・ミニについて/『草の葉』『川沿いのホテル』『逃げた女』『イントロダクション』『あなたの顔の前に』

          ヒコロヒー『きれはし』読書感想

          (人物名は敬称略) 今、私は絶望と自己嫌悪と様々な感情の渦の中にいる。まず、給料が少なかった。今月やりくりできる気がしない。試写会で映画を見て、気が晴れるかと思ったが…帰りの電車の中でどうしても読みたくてヒコロヒーの『きれはし』を全部読んでしまった。 誤解のないように言っておくとヒコロヒーの文章が悪いのではない。むしろ逆だ、すごく良かったのだ。だからこそ私は己の不甲斐なさにのたうち回っている。 「こんなはずじゃなかった」と言わせない私のプライドの高さが全てを邪魔している

          ヒコロヒー『きれはし』読書感想