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世界真光文明教団の手かざし体験を受けてきた時の話 前編

ふと、真光系の手かざしを体験したい!と思い立ち、世界真光文明教団の公式HPから手かざし体験を申し込んだ。早速メールが返ってくると、近隣の道場を紹介され、予約完了。

思いのほか、宗教的世界と現実世界は近いのだ。

さて、手かざし体験当日。

日時は平日の9時30分、最寄駅から10分ほど歩くと、住宅街の中から一軒家を改修したと思われる道場が見えてきた。

玄関で出迎えてくれたのは、三十代後半~四十代のさわやかな男性。白いポロシャツの胸部分には「divine」と記されている。道場長とのことだ。

軽い挨拶をしたあとは階段を上り2階にある50畳ほどの和室の道場に案内される。まだ信者は誰一人おらず、室内には筆者と道場長だけのようだ。

次に、A4ノートに名前を記入させられる(名前以外の個人情報を記入する必要はなく、確認もないので偽名でも可能)。

ノートには、日付と今までの来訪者の名前がズラッと記されていた。

ゲストである非信者の名前を記すノートなのか、信者込みの来訪者ノートなのかはわからないが、多い日には5~6人の来訪者があるようで、何度も来訪している方の名前も散見された。

ちなみに筆者が教義の説明を受けている間、ノートはずっと開きっぱなしで、来訪者の名前がずっと見えっぱなしだったのはプライバシー保護として少し気になる点であった。

閑話休題。

手かざし体験の前に、道場長から教団の説明を受ける。B5サイズの事務用ファイルに入っているイラストを見せられ説明を受けるスタイルだ。

まず世界真光文明教団は、「受け取る宗教」ではなく「与える宗教」であり、60年以上続いている宗教であるということを、静岡県伊豆市にある本殿の写真とともに説明された。

世界真光文明教団は怪しい新興宗教ではなく、歴史ある由緒正しい宗教であるというイメージを与えるためであろう。

続けて「神界→アストラル界→肉体界」という構成で世界は成っているというイラストを見せられ、神界に存在する魂が穢れると、肉体界で病気や争いなどの不幸が起こるという説明を受ける。こうした不幸を取り除くには、手かざしで神界にある魂を清める必要があるという理屈だ。

道場長というだけあって、口ごもることもなくスラスラと摩訶不思議な世界観が口からでてきているのが印象的だ。

さて世界真光文明教団の世界観について教わると、手かざしの前にお気持ちとしてお布施を受け付けていると説明を受けるが、一つ想定外のことが。

どうやら、神様に奉納するお金がいっぱいあればあるほど手かざしの効果が高まるのだという。一気に金の臭いを感じた瞬間だったが、お金は大事なので仕方がない。ちなみにいくら払うかは自由であるが、金額の一応の目安は銭湯で体を清めることを例に、“それくらい”とのこと

タッチパネル式のモニターに「来訪者」をタッチ、お布施する金額をピピっと入力し、お金を機械に飲み込ませると、その額の記入された紙が出てくる。それを封に入れ、賽銭箱にポストイン!筆者は金欠だったので500円玉をお布施した。

ちなみに、上記一連のやり取りをする際、道場長さんは席を外してくれるので、過度に圧力を感じることはなかった

続いて、神棚の前に移動、二拝三拍手一拝?(記憶があやふやなので正確ではないかも)をして、「神様、本日はよろしくお願いします」的な文言を唱えさせられる。ついでに三代教え主である関口勝利氏らしき人物の肖像写真にも参拝する。

やり方は道場長さんが教えてくれるので安心だ。

そして、道場後方に移動し、全体に向けて「よろしくお願いします」と正座から頭を下げて挨拶。道場中央付近の座布団の横に座らされ、いよいよ手かざしが始まる

まず初めに鬱や不眠などで服薬していないか聞かれたが、特別な業であるという権威付けのためか?

次に、右手の親指を下、左手の親指を上に、手を合わせるように指示され、目をつむらされる。ここからしばらくは、視界が真っ暗闇になり、何をされているのかわからない状態となる。少し不安だ…。

すぐ目の前で道場長の方が声を張り上げ、祝詞(のりと)を口にするのが聴こえる。「かしこみ~!かしこみ~!」という文言が妙に耳に残っている。

最初の数分は周りに誰もおらず、静寂につつまれていたが、道場の開場時間が来たようで、徐々に信者の方が周囲に集まってきたのを耳で感じた。

正直、信者さんたちの目に晒されながら手かざしを体験するとは思ってもいなかったので、少し恥ずかしさを感じた時間であった。

視界が奪われた状態で「野菜が~」といったおばあさん信者達の日常会話が聞こえてくる。そのなかにジャラジャラと小銭の音が聞こえてくる。どうやら、先ほどお布施を入れた機械からお金を取り出しているようだ。

目をつむっている私の周りで、どのような人たちが、何をしているのか…音で推測するしかない時間がしばらく続くことになった。

正直、失礼ではあるが、何か金目の物が盗まれないか少し不安になったのも事実だ。そこで私は一瞬薄目で視界を開いてみると、道場長の方が横に置いたスマホで時間を計りながら真面目に手かざしをしている姿が見えた。

どれくらいの時間が経ったであろうか。厳かな空間に交じる、おばあちゃん達の日常会話、その中で目を閉じ、ひたすら手を合わせる筆者。

こうした非日常の中で受ける手かざしは、一種の瞑想をしているような感覚に襲われる。なにか胸の辺りがぼんやりと温まっているような気もしなくもない。まあ、手かざしの効果ではなく、目を閉じながら同じ体勢でいると感覚が鋭敏になり、些細な体の変化を感じとった結果だろう。

10分くらい経ったであろうか。「お静まり~!お静まり~!」との掛け声とともに手かざしが終わる。

目を開け視界を取り戻し、周りを見渡すと、10人ほどの信者さん達が対面で手かざしをしている光景が。平日の昼間ということもあってか信者さん達のほとんどは高齢者で、若い人は30代とみられる女性ひとりのみ。平日の午前中に限っていえば、高齢者のコミュニティとして機能していることがうかがえた光景であった。

さて手かざしが終わったので、これで終わりかと思っていたら、まだ手かざし体験は続くとのこと…。

『世界真光文明教団の手かざし体験を受けてきた時の話 後編』へ続く。

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