スタジアムにおける技術活用って?
お久しぶりです、あかさとです。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
今回も、あくまでも考え方の整理になります。
スタジアムにおける技術活用 #とは になると、 #スマートスタジアム というキーワードと共に、インフラやツールと言った最終的に目に見える部分で報道されていますよね。
例えば、DAZNさんを流すから、スタジアムWi-Fi整備しました!とか、モバイルオーダー入れました!とか。
それもとても大切なのですが、少し立ち止まって、なんでするんでしたっけ?という視点で、この #スマートスタジアム なるキーワードが意味するスタジアムでの技術活用について、自分なりに整理します。
なお、自分のスタンスは、ファンがスタジアムで快適に観戦するためには技術活用はマストだと認識しています。
スマートスタジアムという文脈
そもそもスマートスタジアムとはどういう状態であれば、そうなるのでしょう?発信者によってまちまちですが、とりあえずインターネットにつながるスタジアムという文脈で使用されていますね。
(例1)5Gを活用した高性能なIoT技術、電子決済などを組み合わせて、これまでにないスポーツ体験を提供するとして注目を集めているのがスマートスタジアムです
(例2)インターネットに快適につながるスタジアムへ。そこから、ICTを利活用してヒト・モノ・コトが相互につながる仕組みやスタジアム内で楽しめるコンテンツやサービスをお届けします。 また、観戦にいらした方々の興味の対象が、スタジアムの周辺地域やコミュニティにまでひろがるきっかけをつくっていきます。
(例3)スマートスタジアムとは、一般的にICT技術を駆使してファンの感動やエンゲージメントを高める設備を備えたスタジアムのことを指します。
もう少し前の、4年前の2016年にも記事が出ていますが、あまり変わらないですね。最近の記事でもありますが、より具体的なツールが細かく書かれていましたが、ネットを活用するという根っこは同じです。
少し乱暴にまとめると、今までスマートスタジアムという単語と共に語られる文脈は、4年以上前から手を変え品を変え、インターネットをスタジアムで活用したい、またはネットを活用したツールが出てきた時に使われてきたという印象です。
本当にそのツールを入れたり、インフラを整備した結果、スマートスタジアムになるのでしょうか?という疑問が晴れなかったのですが、お話を聞く機会もありましたので、少しそれを振り返りたいというnoteになります。
スタジアムにおける技術活用って?
そもそもスタジアムでインターネットなり、ツールってなぜ入れるのでしょうか?
観戦出来て、清潔で、楽しければ良くないですか?という部分は当然基本にはあります。
そこにデジタル領域を組み合わせれば3つのことが拡張できますよねという話だと捉えています。
〇スタジアムにおける技術活用の考え方(まとめ)
【大前提】
お客様はプレーをあくまで見に来ているので、それを邪魔しないように不満足度を解消するようにする
【活用の考え方】
考え方1:(主に)顧客不満足度の解消
考え方2:収益機会を最大化
考え方3:ビジネスの機会を改善する
これらの目的を起点にして、色々と自分なりに整理していきます。
考え方1:(主に)顧客不満足度の解消
考え方1:(主に)顧客不満足度の解消
【ポイント】
①体験を個人個人で最適化する
②困っている部分をケアする
③ファンに選択肢を提供する
〇サジェストによる促進
①と③は一緒になる部分が多いのですが、Amazonでのサジェストと同じように、DB記録からよく買う商品やそれに類似した商品、新商品、キャンペーンのプッシュができますよね?そうすると、アレコレと選ぶことができますよね?
他にはチケットをアップグレードさせる特別オファーをだして見るとか。
〇ナビ機能
②は、例えばビーコンを使った混雑マップで、混雑状況を提示するとか、よく日本の文脈で出てくるスマートスタジアムのツール部分ですね。
あとは電子チケットで紛失しないようにとか、今後は場内ナビゲーションなんかも考えられますよね。
混雑状況から場内サイネージに誘導を出すとかもできますし、よくやる飲食のスマートオーダーなんかもここの考え方ですよね。
電子チケットで入場すれば、追いかけられますから、こういう仕組みも組めますよね!
これらは、サクラメントのgolden1centerでは実際にやってましたので、もし行かれる際にはぜひ体験してきてください。
※データセンターを撮影しようとしたら、止められました笑
考え方2:収益機会を最大化
考え方2:収益機会を最大化
【ポイント】
①スタジアムの場所でアクティベーションを変える
②スタジアムにいるからできる体験を作る
③仮想通貨を使ったインセンティブ
〇スタジアムの場所でアクティベーションを変える
ビーコンでつないでおけば、コンコースのとある場所、ゲート入ってすぐ、客席などそれぞれでプッシュできますよね?
売店の前についたらクーポンがポンと飛んでくる、ある選手がゴールを決めたらキャンペーンでやるというのがリアルタイムで飛ばせることも考えられます。ロケーションごとのリアルタイム販促も可能になります。
〇スタジアムにいるからできる体験を作る
所謂新しい観戦体験になります。5GをつかったVRなんかが最近出始めていますが、それ以外にも、場内の数千枚のデジタルサイネージとビジョン、音響、照明を連動させた一体演出もそうですし、そういう演出には注目が高まることで価値がでますからスポンサードも提案しやすいですよね。
〇仮想通貨を使ったインセンティブ
日本ではまだそこまでトライされていないですよね。
ポイント制度をさらに推し進めて、仮想通貨をポイント代わりに運用してやってますよね。
来場させたければ、指定時間にチェックインすればいくらかを口座に入れたり、アクティベーションでディーラーや店舗に行って、QRコードを読み込めば進呈したりできます。
仮想通貨なので、すぐでも使えるし、有効期限も決められますし、対応する他社サービスや場内での決済でも使用可能と使い勝手が非常にいいです。
そして全て履歴に残るので、効果測定が自分たちで出来ることになってPDCAを回していける。ノウハウを蓄えられるのが一番革新的かもしれないですね。
なお参考ですが、日本だとサンフレッチェ広島さんが仮想通貨による取り組みを実施しています。
考え方3:ビジネスの機会を改善する
考え方3:ビジネスの機会を改善する
【ポイント】
①来場者の事をより知る
②来場者をセグメントしてビジネスをする
③来場者に顧客体験を提供する
例えばコスト削減として、入場のタイミングが明らかに30分前に集中していたから、場内の警備員手配をそれに併せて短くしたり、
座席にバラつきがあったら、会場エリアを当日アップグレードなどで集約することで、同じく警備の工数を減らすこともできますよね。
また、ERPではないですが、場内の動向や売れ行きをダッシュボードで把握できるソフトがあるのですね。(なんて名前だったかは失念しました、、、)
それとCRMを組み合わせて、顧客DBを作ることでセールスに生かしたりできます。
最後にどうしていこうか?
ここまでツラツラを書いていましたが、これを実現するために必要なのが、超高速大容量通信を可能にする膨大なアクセスポイントなんですね。
※ようやくインフラの話になりました
先ほどから例に出しました、golden1centerは1,000か所、リーバイススタジアムは1,400か所あるそうです。
この話題を現地で伺ったときに、インスタを25万人が同時に上げてもパンクしないんだぜ笑と言われたのですが、どの辺がアメリカンジョークなのか私にはわかりませんでした、、、
ちなみに先進事例として語られるNACK5スタジアムのアクセスポイント数は75か所ぐらいですし、メットライフドームは140か所ぐらいですね。
実際、アクセス網の構築とサーバー費用で億単位の投資が必要になるので、通信事業者との提携(実証実験)による整備というのが、実際に取りうる手段かなとは思います。
プライベートで積んでいくとかなりの投資になりますから。
更に実現に向かっていくなら、自分からアイデアを向こうに渡して一緒につくるか、
アメリカのスタジアムテックの会社と提携している通信事業者を抱き込んで、自分で向こうの会社とやり取りしてローカライズしていくか。。。
どちらも組織として進めるなら本腰入れないとできないですよね。
今日の内容よりも目先の課題としては、場内の決済をQRにしようかとか、電子チケットで行けるのか?という段階なので、海の向こうはまだまだ眩しいなという感想です。
ただ、アプリを通じたインフォメーションプラットフォームとビーコンによる連動はこれは活かせるので、実際に検討するとしたらここかなと考えてます。(とはいえ、そこまでの余力がない)
もし読まれて実現させたら連絡ください、ホントに。
今回はあくまでも考え方の整理なので、これからですね。頑張ろう。
※参考ですが、5Gになるとこんな感じかな?というのも昨年10月に書きました。アレからまた変わってますから、参考でご笑覧ください。
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