あかつき@教育を哲学する

様々なベクトルで教育を哲学します。幼小中高の教員免許をもち、小学校に勤務しています。ク…

あかつき@教育を哲学する

様々なベクトルで教育を哲学します。幼小中高の教員免許をもち、小学校に勤務しています。クラシック音楽が好きです。

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教育学って何するの? #1

note初投稿です。 初回である今回は、私の関心事の一つである教育学についてお話しします。 教育学を誤解していた 私は高校生の頃、学校の教師になりたいと思い、教育学部を受験しました。 ですから当時の私が抱いていた教育学部のイメージはあくまでも、学校の先生になるための勉強をするところ、でした。具体的には、教えるテクニックを学ぶ場所だと思っていたのです。 もちろん講義の中には、教えるテクニックになるような情報も沢山出てきます。 しかし教育学がそんな単純な学問ではないというこ

    • 愛を感じたいから、悪戯をする #17

      阿佐ヶ谷駅にて 昨日、JR阿佐ヶ谷駅の近くを歩いていたら、こんなものに出会いました。 どうやらハロウィンに合わせて、高架橋脚に落書きをするイベントをやっていたようです。 「本当に落書きしちゃって大丈夫なの?」と心配になってしまいますが、この高架橋脚はよくできた偽物のようですので、ご安心を。 言われなければ気付かないほど、本物に擬態しています。 イベントについて このイベントを企画・運営されているのは、阿佐ヶ谷エンジンズという団体だそうです。 今回のイベントのチラシに

      • CoREF×内田洋行の学瞰システムが凄過ぎた。 #16

        昨日、教育環境デザイン研究所CoREFのワークショップ「学習科学の視点に基づく授業研究」に参加してきました。 CoREFさんでは「知識構成型ジグソー法」を活用した授業実践を行うことで、学習科学(人はいかにして学ぶのか)について研究されています。 (「知識構成型ジグソー法」とは…) 「人はいかに学ぶのか」 話し合い活動で、答えを導き出すまでの間に、どのような対話や呟きがあったのか。 その会話や呟きを拾っていくことで、子どもたちの思考の流れを知ることができる。 そういう考え方

        • 小説『君たちはどう生きるか』は何を語っているのか3/3 #15

          吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』の根底のテーマについて、私なりの解釈でご紹介してきました。 最終回の本記事では、この小説が書かれた時代背景に触れながら、私が小説を読んだ感想についてお話しします。 (第1回はこちらから) おかしいと感じたことを「おかしい」と言えること 私が驚いたのは、この小説が書かれたのが1937年であるということです。 この小説が出版されたと同時に、日中戦争が始まったのです。 すでに言論や出版の自由が制限されている中で、いかに少年少女に訴えかけ、

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        教育学って何するの? #1

          小説『君たちはどう生きるか』は何を語っているのか2/3 #14

          吉野源三郎の小説『君たちはどう生きるか』の根底のテーマについて、私なりの解釈でご紹介しています。 本記事は第1回の続きです。 人は心に弱さを抱えている 人は心に弱さを抱えているものです。 ですから、お互いに好意を尽くし合わなければならないとどんなに心で感じていても、いつでもそのようにすることができるわけではありません。 自分の友人が誰かの悪口を言っていたら、一緒になって悪口を言ってしまうかもしれません。 誰かをからかっていたら、クスクスと笑ってしまうかもしれません。 誰か

          小説『君たちはどう生きるか』は何を語っているのか2/3 #14

          小説『君たちはどう生きるか』は何を語っているのか1/3 #13

          2023年7月14日より、スタジオジブリの新作映画、『君たちはどう生きるか』が公開されましたね。 直接の原作ではありませんが、吉野源三郎著の小説『君たちはどう生きるか』が題材になっているということで、せっかくなので、この時期に初めて読んでみました。 ここでは、この小説の根底にあるテーマについて、私なりの解釈でご紹介したいと思います。(全3回) 小説を読んでみたけど、よく分からなかったという方にぜひこの記事を読んでいただきたいと、思っています。 物語の結論 この小説は、中学

          小説『君たちはどう生きるか』は何を語っているのか1/3 #13

          さて、吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』を読み、私なりの解釈を記事3本分にまとめてみました。 明日から3日間、17時に1本ずつ投稿していきますので、ぜひお読みください。

          さて、吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』を読み、私なりの解釈を記事3本分にまとめてみました。 明日から3日間、17時に1本ずつ投稿していきますので、ぜひお読みください。

          春先に投稿を再開しますと言いながら、夏真っ只中になってしまいました。 仕事と定期更新の両立は思っていたよりも厳しかったです。 定期更新はやめて、今後は余裕がある時に更新していくことにします。

          春先に投稿を再開しますと言いながら、夏真っ只中になってしまいました。 仕事と定期更新の両立は思っていたよりも厳しかったです。 定期更新はやめて、今後は余裕がある時に更新していくことにします。

          火・金の定期更新ですが、一旦お休みします。 春先に再開予定です。

          火・金の定期更新ですが、一旦お休みします。 春先に再開予定です。

          【体験談】アメリカの小学校でのバレンタイン #12

          先日はバレンタインでした。 今回はバレンタインの思い出エピソードとして、私がアメリカの小学校で経験したバレンタインの様子をお話しします。 少しの違和感 アメリカ現地の小学校へ転入してから2週間ほどが経った、2月のある日のことです。 学校に登校すると、いつもは見かけない大きな袋を、みんな手に持っています。 「みんなが持っている袋は何なんだろう」と何となく不思議に思いながらその日は始まりました。 急になにか始まった 午前中はいつもと何の変わりもなく授業が進んだので、お昼に

          【体験談】アメリカの小学校でのバレンタイン #12

          私がnoteを始めた理由【思考と表現7/7】 #11

          【思考と表現】シリーズ全7回中の最終回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 まとめ ここまで[思考]と[表現]について述べてきました。 ここで、ここまでの内容を振り返って整理してみたいと思います。 もともと考えるという行為が好きだった私は、自分が考えたことを他の人に伝えることが苦手でした。 他の人に伝えることが苦手な原因を探っていくうちに、実は自分は「考えているつもり」になっていて、思考停止してしまっていることに気がつきます。 思考停止の状態というのは

          私がnoteを始めた理由【思考と表現7/7】 #11

          思考は調理、表現は食事(後編)【思考と表現6/7】 #10

          【思考と表現】シリーズ全7回中の第6回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 食べてやっと味が分かる 「自分が[調理]したものがどんなものであるかを明らかにし」というのはつまり、どんな味がするのかを確かめるということです。 実際に調理をする際、調理する前や調理している途中の時点で、これから完成しようとしている料理がどんな味なのかある程度予想はできると思います。(カレーを完成させる前の時点で、カレーがどんな味なのか経験から想像できますよね。) しかし、出来上

          思考は調理、表現は食事(後編)【思考と表現6/7】 #10

          思考は調理、表現は食事(前編)【思考と表現5/7】 #9

          【思考と表現】シリーズ全7回中の第5回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 [思考]と[表現]の関係は調理と食事の関係に似ている 前回、「[思考]を[表現]する」ということについて、次のようにまとめました。 ここからは、[表現]することが[思考]にとってどれだけ重要であるかについて、述べていきたいと思います。 私は、[思考]と[表現]の関係は、調理と食事の関係に似ていると思っています。 そもそも、調理というもの自体が[思考]と似ています。 必要な食

          思考は調理、表現は食事(前編)【思考と表現5/7】 #9

          思考停止しないために(後編)【思考と表現4/7】 #8

          【思考と表現】シリーズ全7回中の第4回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 [思考]を[表現]する “整った”状態を詳しく言い換えるならば、自分が考えたことが“認識できる”状態です。 自分で[思考]しているのだから、自分が考えていることは常に自分で“認識できる”状態になっているに違いないと思ってしまいそうです。 しかし、かつての私は[思考]が空回りして、“[思考]しているつもり”になっていたことの反省を踏まえると、自分の[思考]が、きちんと自分で“認識で

          思考停止しないために(後編)【思考と表現4/7】 #8

          思考停止しないために(前編)【思考と表現3/7】 #7

          【思考と表現】シリーズ全7回中の第3回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 「結論:よく分からない」を回避する鍵 答えを出すことで「分かった気になる」ことを避けてきた私は、思考停止に陥ってしまっていました。 別の言い方をすれば、答えを出すことを放棄していました。 このことに気づいた今、[思考]という営みを回復させる方法を考えなければなりません。 今、最も避けなければならないのは、「結論:よく分からない」という空虚な答えです。 ですから、「分かった気になる

          思考停止しないために(前編)【思考と表現3/7】 #7

          考えているつもりになっていた話(後編)【思考と表現2/7】 #6

          【思考と表現】シリーズ全7回中の第2回です。 お時間ありましたら、第1回からお読みください。 「よく分からない」は本当にダメ? 私は考えることが好きです。 そのために本を読んだりして、勉強もします。 最初は、学べば学ぶほど沢山のことを知り、「分かった」という感覚を味わうことができました。 しかしある勉強量を超えると、何が正しいのか「よく分からない」と感じるようになってくるのです。 この感覚は、一つの分野をある程度熱心にやられた方なら共感していただけると思います。 私は、

          考えているつもりになっていた話(後編)【思考と表現2/7】 #6