【転職一周年記念】家庭と仕事の両立に悩んだ、私の失敗と成長について語ろう
去年の10月に転職をしました。
今までとても書きづらかった事なのですが、約半年で体調を崩し1ヶ月間休職しました。
沢山悩み、試し、時に休み、今は元気に働いています。
自分にとって大きく価値観が変わる体験だったと感じているため(または価値観がかわらなければ復帰できなかったとも言える)書き残しておきたいと思います。
デザイナーも子育ても変化が激しく、時にハードな仕事です。子育てをしながら働く人、デザイナーしてるけどつよつよになれず悩んでる人には少し共感して頂ける内容なのかなと思い、書き残してみます。
まずは周りの人々に感謝を
はじめに強く主張しておきたいのですが、転職した会社や家庭そのものに原因があったわけではありません。
会社は制度面でも人の面でも暖かくサポートしていただき、入社半年での休職にも関わらずじっくりと待ってくださりました。本当に心強くて、じっくり自分に向き合う事ができ、結果的に短期での復職ができたと感じています。本当に感謝すると同時に、恩を返して行きたいと思っています。
また、妻や娘も寄り添ってくれた事にとても感謝しています。感謝は日々の生活で伝えていきます。ありがとう。
これだけ素晴らしい状況にあって、なぜ自分が体調を崩してしまったのか、、
本来なら転職一年のタイミングで華々しく成果をまとめる記事を書きたいところですが、失敗からの学びとその中での自分の成長について書きたいと思います。
これまでの自分
デザインの仕事はずっと好きで続けて来ましたし、特に30代になってからは自分で新しい事に挑戦しモチベーションも高い自覚もありました。
結果として自分がずっと憧れていた会社に転職もでき、さあここからまたやってやるぞと意気込んでいたところで、突然朝起きられなくなり、自分でも何がなにやらわからぬまま、休職する事になりました。
私は新卒からずっとデザイナーとして働いている人間です。キャリアとしては広告系のグラフィックデザインからWebデザインを経て、今はUX・サービスデザインの領域で活動しています。
思い返せばこれまでも伸び悩んだ事はあったと思います。新たな出会いがあったり、転職をしたり、個人活動をしたり、試行錯誤しながら乗り越えてきました。
デザイナーとして、父としてのとらわれ
時間と体力を自分だけに投資できていた頃と違い、結婚し、子供ができ、自分だけのことを考えていれば良い訳では無くなり、そこに転職での環境の変化も重なりました。
これだけ良い環境にいながら、自分はなぜやる気が起きないのか、なぜ楽しめないのか、、全く原因がわからないまま時間だけが過ぎていきました。
家庭と仕事の環境が同時に変わったこと
双方のバランスを取ろうとしすぎたこと
この2つが主な原因かなと思います。仕事で成果を出さなければ、家事育児をしっかりやらなければ、そればかり考えていました。
家庭と仕事の環境が同時に変わり、焦りを感じた
このころの自分はとにかく自信が無く、なにをやっても満足感を得られず、周りからどんな暖かい言葉を投げかけられてもそれを素直に受け止めることができませんでした。
「中途で入ったのだから結果を出さなければ」
「周りの人と上手くやれているのだろうか」
「会社は自分を採用した事を後悔しているのではないか」
「自分は育児をしっかりできているのだろうか」
「在宅になったのだから育児にしっかり参加しなければ」
「妻は自分と結婚した事を後悔していないだろうか」
そんな事を考え、もっとやらねばと考えていました。
この期間の中でそんな風にプレッシャーをかけてくる人は周りに誰ひとりとしていなかったにもかかわらず、、
双方のバランスを取ろうとしすぎた
渦中にいる間はそんな自分の囚われに全く気付くことができず、ただただ沼の中を歩くような日々でした。
仕事に打ち込もうとすると、子供との時間はとれているか、妻に無理がかかっていないかが気になります。それでいて家族との時間では、満足に仕事ができていない自分が歯痒く、焦りを感じていました。
こんな状態が寝ても冷めても続いていて、精神的に良いはずはありません。
気づけは心身ともに疲弊していました。
全部はできない、自分のできる事をやる
「働く事はマラソンと同じ、無理をせずまずはゆっくり休んでほしい」
休職の相談をした時に、会社の人にかけてもらった言葉です。転職して半年とたっておらず、目立った成果も出ず申し訳ない気持ちでいた自分にとって大変ありがたい言葉でした。
妻とも話す中で、「立派な夫としてしっかりやって欲しいわけではない、お互いでできる事を掛け合わせて、無理なく健康にやっていける方が良い」と言ってもらいました。
今までの自分は、自分がどれほど有能・有用かに囚われていたのかもしれないと思いました。自分なりのプライドや理想があったのかもしれません。自分ができること、できないことを自分で認める事から始め、改めて他者を頼る事が必要なのかもしれないと思いました。
この事に気づき、もう休職もしてしまったんだから守るプライドも何もないな、、と妙に吹っ切れました。会社に戻り仲間に謝って自分を開いていく事を試してみよう、と思うようになりました。
正直、この年齢になってから気づくのが恥ずかしい程の基本的な事に思いました。でも自分の人生だし、自分にとってとても大切な機会だと思いました。
やったこと
復職してからは、仕事でも家庭でもこの事を意識するようにしていました。
自分について知る事
日々の中で試すこと
周りの人について知る事
このころから知人にコーチングを受けないかと声をかけて頂き、定期的に自分の事について話す時間を作ってもらいました。
自分がどんな事を考え、何を大切にして、どんな囚われがあるのか。ここまでの文章は、この期間で内省したから書けたと思います。
そして、少しづつ日々の生活の中で試しています。周りに話をしてみたり、言いにくい事でも話してみたり。こうして書くと当たり前な事ばかりなのですが、思ったよりできていなかった事だと感じています。
そうすると、自分の行動が変わり、周りの人と以前より自分の言葉で話せるようになってきたように思います。
仕事だけでなく、妻とも子供とも素直な言葉で話せるので、自分の緊張も減り、家族の関係の質があきらかにやわらかくなりました。
最後に
デザイナーとして転職は4回目になります。その度にスキル面での成長がありました。今回はプライベートも合わせて、より短期間で内省をして人間性の面で発達が起こっていると思います。一年大変だったけど転職してチャレンジして良かったなぁとしみじみ思います。
成長せねばという気持ちではなく、失敗したからこその焦りのない気持ちで自然に変わっていけているように思います。
もちろんこれからもデザイナーとして学び、実践し続けたいと思っていますが、人間としての経験が重なる事で、家族や自分を大切にしながら、より長く楽しくデザインの仕事を積み重ねていけたらと思っています。
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