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コロナで転職希望者が増えたという報道に触れて

久々の記事です。といいますか、前回までのシリーズも完了できていないのに、全く別のことを書いてしまいます。

報道の内容

上記の記事は日経Styleからの転用ですが、日経以外にも各所で同様の報道がされています。私自身の実感としても、私、人材紹介エージェントとしての顔もあるので、4月から9月までの上半期を総合して振り返ってみますと、転職希望の方との面談数は、以前と比べて倍増(文字とおり2倍くらい、というかそれ以上)にはなっていました。
面談が、電話あるいはオンラインに変わったということもあると思いますが、それ以上に、コロナという全く新しい事態に際し、

・会社と自分との関係
・自分の働き方
・現在勤めている会社のこと(ネガティブな意味で)

を考え直す機会となった、あるいは薄々感じてはいたけれど、明確に認識はしていなかった事実が白日の下に晒されたからだと、個人的には思っています。

個人で生きていく時代へ

私は、コロナよりだいぶ以前から終身雇用は崩壊していたと思っています。もっと言えば、そもそも、全労働人口の約2割程度の方がお勤めになっている “大手企業” の方にしか適用されていなかった制度だったと認識していますが、その終身雇用が、やっと名実ともに、コロナによってもたらされた突然の大きな社会変化によって、このたび、崩壊を迎えたのだろうと思っています。つまりは、終わりの終わりです。

日本の高度経済成長を支えてきたと言われている日本的経営の3種の神器のうち1つ “終身雇用” が、名実ともに世の中から消えようとしているのは、寂しさと不安と共に、大きな可能性も秘めているとも思っています。

会社の色に合わせるか? 
自分の色=職人色(プロ)を出して生きるのか?

これまでは、大手企業と、巷のベンチャーの皮を被った零細ブラック企業(当社もそのうちの1社)は、会社色に染まってくれそうなヒトを、割合として多く採用する傾向があったと思います。新卒採用という制度そのものは全く否定はしていませんが、中途 < 新卒採用 という会社では、会社色染まってくれそう人材を好む傾向があったようにも思います。ご批判覚悟で言えば、マネジメントが楽だからという理由もあったように思います。

でも、コロナが来ました。

そもそも、従来のマネジメントが通用しない。。。『在宅中も勤務時間はWebカメラはONにしてなさい!』って上司に言われて、その一言で転職を決意したという方が、私のところにも面談に来ました。
こうなってくると、従来のマネジメント手法という話よりも、さらに深堀りして、会社色って何だったのだろうと考えさせられます。
余談ですが、昭和生まれ、平成バブル入社世代の私は、在宅カメラONは賛成派です。だってコロナ前、毎日、出社してた時は、個室勤務じゃなかったでしょ!?って言いたいくらいです。(言えないけど・・)

でも、そんな私みたいな旧式人間の方がもう世の中にあっていない。『在宅カメラON!』なんて言う方がオカシイ。
むしろ、言われて転職考えるほうが正解。そうなんです。旧式のくせに私は、この社会変化が良いのだと思っています。

つまりは、監視体制での仕事から、成果物主義への仕事へ変われば良いのだと思います。労働時間での管理から、成果物での管理へ。
1億総(労働人口は6,000万人ですが)プロ化ですね。
野球に例えると、

・打席数よりも、打率
・打率よりも、打点

そんなところでしょうか? どこでどう働こうが、週に何日働こうが、要は結果だせればOKという時代になりそうな予感がしています。
逆に、わかりやすい結果が出せそうにない人だけが、電車乗って、毎日会社に行くみたいなことになるのかなと。ついでに付け加えておきますと、わかりやい結果とは、会社(職場)が決めるので、職種には依存しないような気がしていますが。
それと、プロ化は良いけど、新卒の方はどうするの?は別の機会に話したいと思います。なので、そこは一旦、省きますね。

仕事と自分の関係は、お金だけじゃない

先の先の世の中は、どうなるか見通しは私には分かりませんが、前述の1億総プロ化が進めば、賃金格差は出てきそうな予感もしています。
でも、賃金格差が悪か?といえば、それも違うような気がしています。社会のセーフティネットを国がどう約束してくれるのか?という政治的な問題を別にして考えれば、労働からの対価、幸せは、賃金だけではなくなると思います。

・時間を沢山もらえて幸せなケース
・働く場所が選べて幸せなケース
・やりたい仕事だけが選べて幸せなケース
・煩わしい人間関係がなくて幸せなケース

いろいろと個人の価値観(ワークスタイル)にあった選択ができるようになると思います。それで良いのだろうと思います。
結果的に、マクロでみたら、

得意なことを得意な人が、ハイクオリティでアウトプットする社会

になっていくような気がしています。
なんだか、イノベーティブな社会を期待させます。

より安く。より早く。より良く。

日本経済を支えてきた、こんな合言葉(?)も死後になっている今、その幻想にすがって、会社で嫌いなことする(させられる)よりも良い時代が来たように思っています。格差とインフレが重なると、私みたいな旧式中年にはとても、とても、ツライのですが、でも、ついでに賃金が高い人からより所得が上がっていくことで、現在のデフレ経済からも脱却できれば、将来のためには良いのだろうと思います。

これからの転職先選び

話が、変な方向になってきました。すみません。元に戻します。
コロナで転職希望が増えたという話です。
個人的には、コロナ前から進行していた働き方への意識改革が、コロナによって一気に加速したことは良かったと思っています。
ただし、ひとつ転職希望者にも採用企業にもお願いしたいのは、

(転職希望者へ)→ 転職先選びの基準を再考してくださいね
(採用企業へ) → 採用基準を会社色からちょっと変えてみてくださいね

ということです。
私は、もうコロナによる社会変化を知ったら、世の中、元には戻れないような気がしています。会社と個人、仕事と個人の関係も、どんどん変化していくと思います。個人はより個人で、会社はより成果で、そんな風に判断できるようになると良いなと思っています。そうした中で、安易に従来と同じ価値基準で会社や人材を選ぶと、早晩、間違えたー!ってなるのでは、と心配しています。

もちろん、こういった価値観、労働観、もっというと経営トレンド、マネジメントのトレンドは、振り子みたいなものなので、どっちかに振れたら、また反対側に戻ってくる反作用が働きます。どちらかが絶対に良いということは、そもそもないのだろうと思います。

今まで、歴史を紐解けば、昭和初期から、会社(組織)色方向に振れていたので、今回のコロナで反対側、個人主義方向もいいかなと。
働く人の多くが、自分らしく働いてみたら、どんな社会になるのか?日本ビジネス界はどんなアウトプットを出せるようになるのか?楽しみな気がしてなりません。
皆さんはどうお考えですか?

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