マレーシアでドリアンを大人買いして、平謝りする私
食べものの雑談は、バラエティに富んでいて、クサい食べものは、ある意味盛り上がりますよ~、とお話しました。
そして、世界一、クサいと絶賛される食べもの、シュール・ストレミングについても、ご紹介しました。
(シュール・ストレミングが大好きなスウェーデンっ子のお話はこちら↓)
シュール・ストレミングは、試したことのない私ですが、台湾の臭豆腐は食べたことがあります。
確かに独特の臭いはしますが、慣れてしまえば気にならず、私としては、揚げ豆腐のスパイシー版という印象。
まあまあ美味しくいただきました。
個人的には、納豆もクセのあるチーズなどの発酵食品も、ニンニクも大好きなので、多少の「か・お・り」は気にならず、美味しく食べられます。
初ドリアンは、いい感じ!
ある日、マレーシアのクアラルンプールに出張した私。
2泊3日で、合宿形式のミーティングを、ホテルに缶詰めで行い、最終日の午後にようやく解放されました。
帰国のフライトは夜なので、それまでの数時間はフリーです。
ゆっくり観光する時間はないですが、みんなでディナーを楽しむ時間はありそうです。
みんなで、何食べようか・・と相談していたところ、地元マレーシア出身のマハンドランが、こう提案しました。
「akkieが食べたいものにしよう!
僕らはいつでも食べられるけど、akkieはマレーシア初めてでしょ?」
この合宿で、東南アジア人以外は私だけ、初マレーシアということもあり、マハンドランが気を遣ってくれました。
「ありがとう!
私、東南アジアのごはん、大好き。ナシゴレンとか。」
「じゃ、ナシゴレンで決まり!ところでakkie、ドリアン食べたことある?」
マハンドランが聞いてきました。
「ううん。ドリアンって実物を見たことないから、食べたことないの。
もちろん、どんな「か・お・り」なのかも知らないんだよね~。
日本で売ってるのかなぁ?見たことないなぁ。」
マハンドランと一緒にいた、東南アジア人の面々・・セラ(シンガポール人)、ホン(ベトナム人)、ソーントーン(タイ人)、イダ(インドネシア人)の目がキラリ☆と光りました。
「オッケー!じゃ、食後のデザートはドリアンに決まり!」
ということで、一行は、ナシゴレンとドリアンを食べるために移動しました。
本場のナシゴレンを堪能し、いよいよ、ドリアンタ〜イム。
フルーツ屋さんで、初めてのフルーツの王様にご対面です。
さっそく、ひとくち。
「あら、おいしい☆
それに、思ったほどクサくない。」
初ドリアンを食べる私を見守る、東南アジア各国代表の5人組。
彼らは、私がドリアンを前に
「うわっ、クッさい!食べられない!」
と、大騒ぎすることを、ちょっぴり期待していたようなのですが、
「わぁ、確かに独特のかおりがするけど、美味しいね~☆」
とパクパク食べる姿を見て、拍子抜けしたようです。
でも、美味しい!と食べていること自体に、喜んでくれました。
ドリアンウエハースを大人買い!
イダが、
「akkie、気に入ったなら、おみやげに買っていけば?
フルーツ自体は持って帰れないけど、ドリアンのクリームを使ったスイーツならおみやげにできるよ!」
と、提案してくれました。
たしかに、日本のオフィスで、ドリアンを食べたことのない人は、たくさんいるはず。
そこで、みんなでデパ地下のスーパーに移動しました。
ありがたいことに、なぜか、このメンバーは私のことを、なんだかんだと面倒を見てくれるのです。
「akkie、これ食べて。美味しいから。
あっ、これも食べてみて。あっ、これも!」
と、スパイスや、お茶、コーヒー、チョコレートなど、買い物カゴいっぱいになるまで、詰め込んでいきます。
彼らは「akkieに、日本に持って帰って食べて欲しいもの選び」をしてくれているのですが、本人である、私をそっちのけで一生懸命選んでくれているので(笑)、私はヒマをもてあましています。
そのため、私はドリアンを使ったスイーツを探しに、お土産コーナーへ。
お土産として喜ばれそうな、いい感じの箱に入ったウエハースを見つけました。
「おっ、これ美味しそ☆」
他にもマンゴー味やパイナップル味などもありましたが、ここはやっぱりドリアンでしょ!ということで、ドリアンのみを大量に、まさに大人買い。
そして、ここの買い物は、すべて彼らが支払ってくれたのでした。
彼らが見繕ってくれた、たくさんの東南アジアの食べものと、ドリアンウエハースをスーツケースに詰め込んで、いざ、帰国。
なぜ?オフィスが大騒ぎ
日本のオフィスに出社し、おみやげに買ってきた、大量のドリアンウエハースの箱を、オフィス内のあらゆる休憩室に配ってまわります。
「ドリアンのウエハース?
珍しいね~。ありがとう!」
(やはり、マンゴーでもなく、パイナップルでもなく、ドリアンを選んで良かった!)
と、内心で自らのおみやげセンスを自画自賛しながら、箱を配り終えました。
自分の席に戻って、さぁ仕事!
と、パソコンに向かうや否や・・。
なんだ!このニオイは!
オフィスの向こう側から、大声が次々と聞こえてきます。
周りの騒ぎを特に気にせず、パソコンに向かうマイペースな私。
すると、別のところからも、
おいっ!異臭がするぞ!
オフィスのあちこちが、騒がしくなっています。
「たしかに臭いな・・。」
と、思いながら、仕事をしていると、同僚が私のところにやってきました。
「akkie、あのウエハースさ、買う前に試食した?」
「ううん、試食してないよ。
箱がいい感じだったし、おみやげコーナーにあったから、きっとおいしいと思うよ」
ノンキな返事をする私。
同僚は、そんな悠長に構えている場合ではないのだよ、と焦った様子で
「あれ、ヤバい思うよ。
あっちの休憩室、行ってみ。めっちゃ異臭がするから。
最近、日本では異臭事件があちこちで起こってて、ニュースにもなってるから、早く対処しないと大ごとになっちゃうよ。」
(マジ!?)
私はPCの手を止め、走って騒ぎのするところに向かいました。
すると、なんとも表現しがたい、ガス漏れかと思うようなニオイが、辺りに充満しているではありませんか!
だけど、私がマレーシアで食べた生のドリアンは、こんな強烈なニオイではありません。
(なんだ、ドリアンじゃなさそう。それにしても何だろ。すんごい異臭。
すると、たまたま、そばにいた人から、
「これだよ、これ。食べてみ。」
私が配った、ドリアンウエハースが差し出されました。
そこで、ひと口。
んぐぐぐぐっ・・・。
息ができないほど、強烈なニオイ!!
まるで化学薬品か、ガスを食べさせられているような、これまで経験したことのないような味で、飲み込めません。
ティッシュに吐き出しましたが、吐き出した後も、口の中にニオイが染み込み、クラクラします。
どうやら、ウエハースのクリームは、ドリアンを濃縮しているため、強烈なニオイを発するようなのです。
私がマレーシアで、ご機嫌に大人買いした、大量のドリアンウエハース。
そのドリアンウエハースが、ひとつならまだしも、フロアに点在する、あちこちの休憩室で封が開けられたため、ガスのような、息のできないような強烈なニオイ・・冗談抜きで事件になりそうなくらいの異臭を放っています。
1フロア100名は入る、広いオフィススペースの、どこもかしこも異臭騒ぎ。
大変なことをしでかしてしまった・・。
私は、何人かの心優しい同僚に助けられながら、すでに配ったドリアンウエハースを回収するために、各休憩室に向かいました。
そして、そこのエリアの人たちに、平謝りでお詫びしながら、ドリアンウエハースを回収していきました。
ありがたいことに、異臭の原因が「お土産のドリアンウエハース」だと知ったオフィスの人たちは、みなさん心の広い人たちばかりで、私は大きな叱責を受けることもなく、苦笑いされるだけですみました。
中には面白がって試食を申し出る人もいて、何とか騒ぎを収めることができたのでした。
ドリアンを 濃縮したものには 気をつけよう!
これが、私が今回のマレーシア出張で一番学んだことでした。
次回も、オフィスをざわつかせる騒動に発展した、もうひとつのおみやげお菓子をご紹介します。
サポートありがとうございます。 いただいたサポートは、誰かをサポートするために使わせていただきます!