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ドラクエで学んだ困難な壁を仲間と共に乗り越える方法

私はベンチャー企業のプロダクトマネージャーで誰かと一緒に仕事をする機会が多い。

その働き方の原点が実は「ドラクエ」にあったのかもしれないと思い、背景をまとめてみた。

幼少の頃からTVゲームを遊んでいて、最初はドンキーコングや星のカービィなど友達と一緒に遊べるアクションゲームを遊んでいたが、小学4年生になる辺りで友達が習い事に行くようになり一人で遊ぶ機会が増えていた。

その頃学校で流行っていたのがドラクエやFFのいわゆるRPG系のゲームで、ときどき学校でもどこまでクリアしたかや攻略方法などが会話のネタになっていた。

その流行に乗りたいと思い、はじめて買ってもらったRPGが『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』だった。

『ドラゴンクエストVI 幻の大地』とは、1995年に発売された「ドラゴンクエスト」シリーズの6作目の作品。 「発見」をテーマとしており、主人公達が2つの世界を冒険する中で本当の自分自身を見つける、「自分捜しの旅」をするストーリーが展開される。 新しい転職システムや、2つの世界を何度も往復するシナリオを特徴とする。

Google検索より

このゲームを誕生日プレゼントとして買ってもらいワクワクして遊び始めたのだが、うちにはゲームで遊ぶ時2つのルールがある。

その1.勉強(ドリルを1ページ分)するとゲームを30分遊ぶ権利が貰える
その2.ゲームは1日1時間まで

このルールはRPGのような長時間プレイを前提としたゲームと相性が悪く、私はより多くのゲーム数を遊びたい派で一つのゲームを何十時間もやり込む事は少ない。結果、低レベルで無理矢理進めるプレイスタイルが身についた。

RPGにはエリクサー病と言う「使えば便利だけど、入手しにくい貴重なアイテムが使えない」状態を指す言葉があるが、それとは逆で貴重なアイテムを使ったギリギリの戦いでボス攻略を楽しんでいた。

しかし、この戦法が通用しない壁として現れたのがボス「アクバー」だ。

アクバー(中央)とガーディアン(左右)

ボス戦は通常4(主人公側)対1(ボス側)の戦闘で、ステータスはボスの方が高いが手数の多さで主人公側が勝てるゲームバランスになっている。

しかし、このアクバーはガーディアンを2匹を引き連れてるのに加え、2回行動ができるため、主人公側のアドバンテージが無い状態で戦闘がはじまる。

加えて復活呪文ザオリクも使ってくるため、倒したガーディアンが何度も復活する有様だ。

攻略方法としては呪文を封じる事や、行動パターンを予想した対処をすれば良いのだが、RPG初心者の私は攻撃力を呪文で上げてひたすら必殺技で殴り続ける事しかしていなかった。

何度挑んでもアクバーは倒せず、友達に聞いてもレベル上げくらいのアドバイスしか貰えなかったため、仕方なくレベル上げするかと諦めはじめた時、偶然「さくせん」のコマンドが目にとまった。

さくせんは全部で6種類

「さくせん」は戦闘時の行動パターンを決めるものだ。

「めいれいさせろ」は従来のRPG通りプレイヤーが全員の行動を選択でき、それ以外は主人公の行動をプレイヤーが選択して、主人公以外は作戦に従ってコンピュータが行動を自動選択するといったものだった。

今までは「めいれいさせろ」のまま気にせず遊んでいたが、この時はじめて「みんながんばれ」を選択してみた。

主人公一人分の行動しか選択できないのは"遊んでる感"が減り味気ない感じがして、やっぱり「めいれいさせろ」に戻そうかなと思い始めた時、ある事に気がついた。

ダメージへの対処が早く、仲間がなかなか倒れないようになっていたのだ。

「めいれいさせろ」の時、仲間が瀕死のダメージを受けたら次のターンで回復呪文を選択して回復させるが、回復呪文を唱える前に仲間が死んでしまうと一回分の行動と回復呪文が無駄になってしまっていた。

しかし、「みんながんばれ」は仲間が瀕死のダメージを受けた次の行動で仲間が回復呪文を唱えてくれて、回復呪文が間に合わないリスクが少なくなったと同時に一回分の行動が無駄になってしまう事が無くなった。

「めいれいさせろ」がターン毎の状況を見て行動を選択するのに対し、「みんながんばれ」はその瞬間ごとにコンピューターが最適な行動を選択してくれているからだと思われる。

結果、以前より戦闘を長引かせてダメージを蓄積できるようになっていた。

それでも危機は訪れ、仲間のハッサン以外が全員死んでしまった。今回も全滅かと諦めたその時、ハッサンがメガザルを唱えたのだ!

ハッサンは攻撃力も防御力も高く、攻撃の要のアタッカーとして使っていたキャラクターだった。

メガザルは キャラクターが死んでしまうかわりに仲間のHPを回復したり生き返らせる回復系の呪文だが、アタッカーのハッサンがその呪文を覚えていた事を知らなかった。(ゲーム上知る機会はあるが覚えていなかった。)

しかし、「みんながんばれ」はその時取れる選択肢から最適な一手を選んでくれるようで、私が想像できない選択をしてくれた

この時、私は一人でゲームを遊んでいるだけなのに、ボス「アクバー」という困難な壁に一緒に立ち向かう仲間の存在を感じていた

その後、ハッサンのメガザルの甲斐あり「めいれいさせろ」では倒せなかったアクバーを倒すことができた。

その時の気持ちは、自分でやってやった感はあまりなかったが、困難な壁を乗り越える事ができた達成感とそれを仲間と共に乗り越えたワクワク感で満たされていた。

この時の感情を今も仕事の中で感じる事がある。

デザイナーやエンジニアに相談した時に「こんな方法がありますよ!」と教えてもらった時や、それらの結果で困難と思われる目標をチームで達成できたような時だ。

プロダクトマネージャーはきっとRPGの勇者みたいなポジションだろう。

どこのダンジョンに挑むかを決め、戦士、魔法使い、僧侶、ときには遊び人といった仲間の力を借りながらダンジョンの最奥にいるボスに挑むのだ。

その時「めいれいさせろ」のさくせんはいらなくて、「みんながんばれ」でみんなに助けてもらうのがいいのだろう。

但し、みんなががんばれるためになぜダンジョンに挑むかの目的が明らかである事や、装備・道具を整えるのも勇者の責任と肝に命じている

後はラスボスまで仲間と一緒に辿り着いて、世界を平和にするまでやり抜く覚悟があればいい。

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