見出し画像

キャプテンサンダーボルト/阿部和重、伊坂幸太郎

マリアビートルに続き、これもいつか映画化してほしい作品。

共作だがどこを誰が担当ではなく、お互いに干渉しあった作品だというが、ぜんぜんつなぎ目がわからなくてまったく違和感がない。
一気読みで駆け抜けてしまった。

野球少年の頃のまま大きくなった憎めない相葉、落ち着いているとみせかけてやっぱりあの頃のままなんじゃないの?という井ノ原。
戦隊サンダーボルトの鼻歌で再会するなんて、ドラマティックですごく楽しい。 

そして、仙台山形が舞台。
蔵王の御釜まで巻き込むなんて。 
青春の続きのような、ハチャメチャに駆け抜けた感。
人生が思っていたのと違って、うまく回らないもどかしさ、苦悩、疲労、閉塞感。 
そんなものをぶち破って駆け抜けて駆け抜けて、世界を救うために必死に生きる。
あの頃の少年たちが、大人になってもこうして繋がってる。
文庫化にあたり追加された後日談も、ほのぼのしていてとてもよかった。

ゴールデンスランバーでの逃亡劇は、土地勘があるがゆえに、臨場感がたまらなかった。
読みながら息切れするくらい。
今回は、御釜の秘密を誰かに話したくなる。
「御釜に地下施設があるの、知ってる?」

この記事が参加している募集

読書感想文