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あそぼうフィンランド語

フィンランド語に耳が慣れないうちは、聞き間違い頻繁にあると思われます。個人的にお気に入りは「洗濯機」です。人名でも、ユルキ・カタイネンでどっちやねん、と思ったなどなんでやねん、というくらい、楽しい聞き間違いができます。トッタカイも、「まったくもって」です。
そのうち、顔が赤くなるような言葉にも気づきます。それもたまたまではなく、しばしば使う表現に。しかしこれは、おそらくどんな言語を学んでいても出現する問題ではないかと思います。そんな私たちだって、たまたま日本語で、たまたま気にせず使っている言葉もあるので、気にしないことが一番です。
声楽では、イタリア語で歌うことが頻繁にあります。音大なら入試にすでに言語で歌う用意をします。るじゃどぜおどーろーぜー、ヴィオレッタ・・・で始まるViolettaは, おどろーぜー、もなかなかだと思うのですが、Minna moreroに人気があります。(ローマ字読みします)私はこの曲は歌ったことがありませんが、歌った学生はみな言ってました。そのかわり、グルック作曲のオルフェオとエウリディーチェのエウリディーチェのアリアを原語で歌っていた時、これは言いたくない、と思いながら、死ぬシーンを演じました。書きません。「私は死にます」です。思い起こせば、「原語でオペラをやりたい」と先生に立ち向かっていたのは私たちですし。

さて、フィンランド語。耳が慣れないうちはおそらく「日本語のアルファベット」たる、「あいうえお」を通して耳に入ってきます。あいうえお以降の「かきくけこ」は、あいうえおと母音は同じで、Kがくっついた発音。KaKiKuKeKo という考え方を取り入れると、多少軋轢が減るのではないかと思います。子音だけという音も現代日本語にはないので、アルファベットで返還する癖をつけるのは、結構役に立ちます。

フランス語を通して学んだフィンランド語は、仏語なまりが炸裂して、聞き取りが難しいものでした。HやRを発音できないフランス人が基本的に多いクラスでした。

挨拶のHei!がEi!にしか聞こえない場合。Eiは英語のNoの意味。出会っていきなり、何を「ノー!」と言っているのか?と思いたくなります。少しくだけているらしい挨拶、Moi!はどうかというと、間違えて仏語読みしてモワになったりします。Be動詞の変化形ONは、発音は鼻濁音のままになるとしても、仏語では主語です。・・・と、共通した表記の単語もあるので、こちらもそれなりに、面倒な頭脳の変換が必要です。それはともかく、日本語に聞こえてくる言葉がたくさんあることには変わりありません。あえてカタカナで書いてみると


オドッター、ハイッター、ヘイッパ、マリッター、コピオイダ、ヤッター、カサタ、など、集めると親しみを覚えて覚えるのが余裕、と思えそうです。この中にひとつ日本語から取り入れた言葉があるのにお気づきでしょうか。マリッターです。コンマリさんこと、近藤真理さんの断捨離の本がフィンランドでも流行ったそうで、著者の名前はおなじみなうえに、断捨離することを、konmarittaa, marittaaというのだとか。またコピオイダは、「コピーする」です。意外と輸入語からの造語がたくさんありますし、仏語か英語の単語を、子音のみの部分に母音を増やして発音してみると、通じることもあります。
「今年の新語は辞書には入るのだろうか?」と思います。日本でも同じような現象が、毎年起きています。

ここまで来たから、考えました。オドッターがあるんだから(待つ、の原型)じゃあオソッター、ハイッター、カブッター、ブッター、コロンダー、ワラッターとか、コワケタ、タワケタとか、フィンランド語にしちゃってもいいんじゃないかな。あと何があるかな。
ミラレター、ミター、ヤラレター、クッター、ノンダー、カワイター、カッター、アッター、ヤッターとオッター(これはある)・・・

厳密には、フィンランド語の動詞はその展開パターンにより6種に分けられていますので、「アー」タイプだけでは物足りないものですが、まずは日本語で動詞活用の勉強をしてみるのもおもしろいかもしれません。


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