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アルセーヌ・ルパンの大いなる謎を追う②-カリオストロ4つの謎-

Akiko Nishimoto lit.link(リットリンク)

みなさん、こんにちは!

今日も、アルセーヌ・ルパンの謎に迫るべく、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』を紐解いていきたいと思いますが、その前に!タイトルにも書いたカリオストロ4つの謎について書きたいと思います。

そもそも、カリオストロ4つの謎とはなんぞや⁉ですが、アルセーヌ・ルパン作品を貫く4つの謎で、マリー・アントワネットが語り、カリオストロ伯爵が追い求めていたもの、とされています。

In robore fortuna(イン・ロボール・フォルチュナ) - 「女探偵ドロテ」
ボヘミア諸王の敷石 - 「三十棺桶島」
フランス諸王の富 - 「奇岩城」
七本枝の燭台 - 「カリオストロ伯爵夫人」

それぞれ上記の4つの作品で、その謎が明らかにされるわけですが・・・。

私は昔からこの4つの謎について漠然とした違和感というか、なんとなく解せないものがあったんです。

まず、マリー・アントワネットがこの4つの謎を知っていた、という設定になっていることにびっくりです。

でも、物語の中では、「奇岩城」以外、マリー・アントワネットがこの謎について言及している場面が(私が記憶する限り)ないんです。

マリー・アントワネットは、確かにフランス王家に伝わる財宝の秘密について知っていたけれど、その他の3つの謎については、どうなんでしょうか?

また、アルセーヌ・ルパンシリーズを読んでいる人なら、上記4つの物語を見て、何か違和感を感じる作品がありませんか。

そうです!三十棺桶島です!

In robore fortuna(イン・ロボール・フォルチュナ) - 「女探偵ドロテ」
フランス諸王の富 - 「奇岩城」
七本枝の燭台 - 「カリオストロ伯爵夫人」

三十棺桶島を除く、上の3つの物語に共通していること、それは財宝が絡んだミステリーだということです。

「女探偵ドロテ」では先祖が隠した財宝「奇岩城」ではフランス王家に代々伝わる財宝、そして、「カリオストロ伯爵夫人」では修道院にまつわる財宝が描かれていて、主人公(ルパンとドロテ)が、冒険しながら、敵と戦いながら、財宝を追い求める、という冒険物語になっています。

『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』でも、上記に挙げた3作品、とりわけ女探偵ドロテとカリオストロ伯爵夫人に焦点があてられています。
(追々改めて紹介しますね)

でも、三十棺桶島は、財宝を追い求める話ではなく、ストーリー自体が他のルパン作品と一線を画しているんですよね。

私は、財宝が絡んだミステリーとして、もう1作品挙げるなら、「バール・イ・ヴァ」のほうがしっくりくるんじゃないか、と思っています。

「バール・イ・ヴァ」は、古代ローマの財宝が絡んだミステリーですね。

カリオストロの4つの謎から、三十棺桶島を除いて、代わりにバール・イ・ヴァを入れてみると・・・下記4つの物語は全て、財宝というキーワードで繋がることがわかります。

先祖が残した財宝- 「女探偵ドロテ」
フランス王家の財宝- 「奇岩城」
修道院の財宝 - 「カリオストロ伯爵夫人」
古代ローマの財宝 - 「バール・イ・ヴァ」

因みに、『緑の目の令嬢』も、古代ローマ遺跡が出てくるので、この作品も財宝が絡んだミステリーと言えなくもないと思います。

しかし、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』で、三十棺桶島について触れられた箇所を読んでみると・・・

ボヘミア王の平墓石のある物語に、王家の血の謎が登場しても驚くにはあたらない

と、書いてあって・・・うーん・・・王家の血の謎は、レンヌ・ル・シャトーと関わりがあるのは何となくわかるけれど、ボヘミア王って登場してたかしら⁉

記憶が曖昧なので、三十棺桶島も追々また読み込んでいきたいと思います。

三十棺桶島って、ドルメンやケルト文化、人里離れた孤島で起こる惨劇、そして第一次世界大戦中という時代背景のため、作品全体に醸し出される暗い雰囲気のほうが、はるかにインパクトが強くて、ボヘミア王の印象が薄い💦

とにかく三十棺桶島も、もう一度読まなきゃいけませんね💦

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

次回は、北斗七星を取り上げるか、『ジュール・ヴェルヌの暗号 -レンヌ=ル=シャトーの謎と秘密結社-』をみていくか、その他のことを取り上げるか、まだ検討中ですが、お楽しみに。

https://www.amazon.co.jp/dp/B08WHNCLH3



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