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NHK短歌、俳句への投稿作・11月号

各選者に毎月2首、2句は必ず出すと決めていますが、その後、思いついたらまた出します。露草や先月の朝顔など好きな題は数が多くなります。


短歌

選者:川野里子先生 題詠「手」
いつかものを言うかもしれぬ右の手で扉をあける猫を見てると
やはらかき小さき猫の手は愛すべし扉をあけて閉めることなし

選者:山崎聡子先生 題詠「子育てをめぐって」
挙手をして堂々と答え間違えるあんな子ならばこうならなかった
サツマイモ手をかけすぎて駄目になる判っていても親子間殺人
年金のほぼ全額が学費なり祖父母よありがとう今にして


選者:吉川宏志先生 題詠「店員」
外国人の応対をせる店員の巻き舌いっそう巻き強くなる
店員は無味乾燥でいいんですやたら元気なコンビニのレジ
若い人去っておじさんおじさんになったレジにて肉まん頼む

選者:岡野大嗣先生 題詠「?(疑問符)」
縦書きの!?は少し小さいねどうせ消えゆく意見のように
?で終わるからレスしたんだがいいねつかずにわれはぶらんこ

※!?の歌は佳作に採っていただきました。岡野先生、ありがとうございます! 私が好きな岡野さんの歌。

返信はしなくていいからアメリカっぽいドーナツでも食べて元気だして
                            岡野大嗣

やさしい😂


※2首目は「?」でコメントが質問で終わってるので答えなきゃいけないよね、コメント続けるのウザいかもしれんけどごめんね、と思いつつレスしたのに返信がなくてポカーンとなった時のこと。ずっと昔のことでnoteじゃないです。


俳句

選者:夏井いつき先生 題詠「秋刀魚」
焼秋刀魚二つに切られまづうなる
介錯の後の暗転秋刀魚燃ゆ

選者:山田佳乃先生 題詠「間引菜」
間引菜や任される重責と快
間引菜や兵士募集のアルバイト

選者:村上鞆彦先生 題詠「露草」
露草や虚空よりこぼるる詩片
露草や原始の雨の一雫
露草や地に落ち天へ戻る水

選者:高野ムツオ先生 題詠「茸」
闇鍋に茸が入る午前零時
待ち合わせ壁に茸の家の前