転職の思考法_見出し

いい会社の定義が変わる ~「転職の思考法」~ 【アキラの書評vol.2】


はじめに

第一弾、「狂気」を生み出す教育については読んで頂けましたでしょうか?初めてのnoteで緊張しておりましたが、予想外の多くのお声を頂きまして嬉しい限りです。

引き続き、拙い内容で恐縮ですが、お付き合いいただければ嬉しいです。

さて、アキラの書評シリーズ第二弾は、同志で友人でもある『鬼才』北野唯我君が執筆し、2か月で10万部突破というとんでもない影響力を持ち始めた

「転職の思考法」(ダイヤモンド社)

について書きたいと思います。

この本は物語調で読みやすく書かれているんですが、その中身は本質がビッシリ。人事や人材ビジネスに関わる人のみならず、若手も中堅もベテランも、全員が読んでおくべき本だと思います。

さらに言えば、本作では唯我君の脳みその10%ぐらいしか表現されていないので、今後の著作にも大いに期待が膨らむところであります。

【そもそも「キャリア」って】

みなさんご存知の「キャリア」という単語。この響きを聞いた時にみなさんはどんなこと、どんなサービスを思い浮かべますか。

一部の方はご存知頂いているかと思いますが、私はこの一年半名刺アプリ「Eight」にてHR領域の新規事業の責任者を拝命していました。過分なる評価と相半ばする色々な挫折を経験しましたが、HR Techという世界に片足を踏み入れていたわけです。

その中で感じていたのは、

「キャリア≒転職(キャリアチェンジ)」

みたいな文脈で語られることの多さ。何を隠そう、自分自身もそうでした。

「キャリア」と「ライフ」

人事から異動し、HRサービスを企画する際、長く使われるEightの特性を生かして、現職でのキャリアアップやスキルアップもサポートできるサービスにしたいと考えていました。そんな中、イギリス人の同僚に「『Lifetime Career Building』というのをサービスのタグラインにしたいんだよね」って話したんです。そうしたら

「アキラ、CareerはそもそもLifetimeに渡るものだからその表現はおかしい」

って指摘されたんです。海外では当たり前に「Life」に近い意味で「Career」という単語を使うのだと。

ハッと気づきました。自分を含めた日本人の方の多くが「キャリア」=「キャリアチェンジ」(新卒の場合は就職)という文脈でその言葉を捉えていて、キャリアサービスというと「リクナビ」「ビズリーチ」などのサービスを挙げます。

要は、ライフの延長線上(同一線上)にキャリアがないということです。線ではなく点でキャリアを捉えているとも言い換えられます。

その結果、何が起きているか。それは「転職のタブー視」「キャリア思考の停止」だと思っています。本作はこういった状況にメスを入れるだけでなく、その先にある「日本全体の生産性向上」や「国力アップ」を見据えているので魂が震えるのです。

(NHKデビューした時の緊張の面持ち)

【転職の思考法のポイント】

定番となりつつある長い前置きを経て、ようやく本書の紹介並びに自身が得た気づきについて言及したいと思います。

「金言」☆の数で気づきの多さを表現

☆☆☆いつでも辞められる人が、辞めない会社がいい会社
☆☆仕事のおける「to do」型と「being」型
☆☆上司を見て仕事をするか、マーケットを見て仕事をするか

「銀言」金言の次に重要

☆マーケットバリュー=「技術資産」×「人的資産」×「業界の生産性」
☆パートナーへの相談は「ロジック」「共感」「信頼」がカギ
☆いいベンチャーの見極めポイント「競合」「現場の優秀さ」「同業からの評判」

むちゃくちゃ書きたいポイントはあったのですが、金言3つと銀言(こんな表現あるのか?)3つに絞ってみました。詳細は是非とも本書を手に取って読んでほしいのですが、簡単に言及します。

【金言】

☆☆☆いつでも辞められる人が、辞めない会社がいい会社

本当にこれです。とにかく個人の立場に立った際に、この一言に尽きます。人事の立場からしても、ある種の循環というのは適切に行われるべきだと思っているし、優秀な人には新しいポジションやチャレンジを提供しなければならないと常々思うわけです。

☆☆仕事のおける「to do」型と「being」型

昔の自分は「やりたいこと」が明確な「to do」型に憧れまくって憤死していました。自分が「being」型と割り切ってから、本当に世界が広がったし、本書では99%の人は「being」型と断言してくれていて、そしてその活きる道も提言しているので救われます。

☆☆上司を見て仕事をするか、マーケットを見て仕事をするか

上司がマーケットが分かっている場合はこの限りにあらずですが、多くの場合はそうでないケースが多いと感じます。そんな中で、自分のキャリアのためにマーケットと対峙すること、マーケットを知ることは必須だと思います。また、上司を見ないという意味ではないのであしからず。上司のニーズに強烈に応えることもまた重要です。

【銀言】

☆マーケットバリュー=「技術資産」×「人的資産」×「業界の生産性」

前者二つはわかりやすく、伸ばしていきましょう以外のコメントはないのですが、それにかける「業界の生産性」は重要だなとSansanにいて強く感じます。ROIという観点でバリューを積み上げられている感覚です。

☆パートナーへの相談は「ロジック」「共感」「信頼」がカギ

多くの場合、ロジックだけで突っ走り、事故っているような気がしています。採用責任者をやりながら、奥様ブロックになるケースを避けるため
どのようにお話しいただくかの台本を書いたこともあります。エグゼクティブに近い方ほど、ロジックが強いのでそういうサポートが効きました。

☆いいベンチャーの見極めポイント「競合」「現場の優秀さ」「同業からの評判」

特に「現場の優秀さ」と「同業からの評判」は重要だなと思います。一つの判断材料としてリファラル採用がどの程度の率で採用に貢献しているかを見ることでわかる部分もあると思っています。この二つがそろっている会社は良い雰囲気のことが多く、リファラル率が高いですよね。

【西村の気づき】

自分自身、日本のキャリアを考える環境は一昔前に比べると、改善されてきているように思います。他方、情報が氾濫して判断する「軸」というのを持つことができなくなっているのも事実。

その「軸」を持てた人から自分のキャリアを自分の手の中に収めることができるのではないかと。そのためのヒントが本書にはちりばめられています。

【最後に】

北野唯我という男。とてつもないです。他方、彼がやろうとしてることは壮大すぎて、彼一人ではできないのも確か。我こそは日本のHR界を変えたい、日本をよくしたいという人いたら、西村まで気軽にご連絡ください。色々と企んでいるので。

※唯我君が企んでいる記事がこちら

【紹介コーナー】

転職の思考法」:本書。マストバイ。

物語調の本で自分が好きなのは、ほかにもこんなのがあります。有名ですが紹介。

成功者の告白」:成功に潜む闇を解明した本
夢をかなえるゾウ」:成功哲学の名著
営業の魔法」:営業本として純粋におすすめ

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