面白くなれば許されるし許せる。

本当はレポートを進めなければいけないのだが、一向に書けない。どうやら小生は客観的な文章を書くのが苦手らしくて、脚本とか小説とか随筆(このnoteのこと。ブログではないような気がしたので、エッセイということにした。随筆の方が字面が綺麗なので、随筆)は主観的文章だから苦しみながらも楽しく書けるのだけど、レポートは苦痛のみ。今はメンタルやば期なので、苦痛に耐えられなくて息抜きにこの文章を書いている。結局息抜きも文章。絵描きの人が絵の息抜きに落書きをするのと一緒だ。
書き言葉が好きだ。というか、言葉が好きで、自分が使う分には書き言葉が好き。自分の頭の中を言語化するとき、お喋りでやろうとすると脱線しまくって大体失敗する。整理して話すことが苦手だ。だけど、言葉を書くときは修正がしやすいから、比較的上手く言語化できる。話し言葉は修正が効かないから怖い。
だから、俳優は凄いなと思っている。小生もたまに俳優をやるのだけど、そのたびに常に違和感や恐怖を抱えてしまって、ここは小生の活動するフィールドじゃないなと思って、劇作家になることにした。小生の頭は処理速度が遅いので、すぐに感情とか思考とかいろいろなものでぐちゃぐちゃになって、それを吐き出さないと追い詰められて自傷に走りがちなので、脚本などを書いてなんとかする。演劇を作るときは、個人的な問題じゃなくて社会に対しての気持ちが動機になることが多い。最近ぐちゃぐちゃの頭の中身はぐちゃぐちゃのまま取り出すのが正しいんじゃないかと思って、ぐちゃぐちゃで破綻したままの劇を書くようにしている。社会だってそもそもぐちゃぐちゃで矛盾だらけで、矛盾だらけの言葉を俳優たちは喋ってくれる。話し言葉は修正が効かないから、なるべく正しい言葉にしたくてパソコンに向かって唸り続けている。俳優は劇作家の言葉を代わりに喋るのだけど、お喋りなんていういちばん危険な行為で、しかも自分が考えた言葉じゃないものを上手く乗りこなすから、本当に凄いなと思う。だからこそ言葉の責任は劇作家がとらなきゃいけないと思う。改稿もまだ進んでいない。今この文章を読み直したら滅茶苦茶で支離滅裂で笑ってしまった。でも、これがいちばん小生の頭の中を正しく反映していると思う。

小生の通っている専攻にはプレゼミという制度があって、1年後期と2年前期の計2回履修する。名前の通り、ゼミのお試し版だ。小生は演劇のゼミに所属したかったので、最初のプレゼミは演劇の評論をするゼミにした。2回目のプレゼミを決めるときに、もうひとつ開講していた演劇系のプレゼミの内容に興味が持てなかったので、小説を執筆するゼミにした。
そのゼミでは4,000字以内の短編を書くという課題があって、しかも生徒同士の講評会をするために6月半ばには提出しなければいけなかった。小生は自分以外のことが書けないので、高校生の頃にはじめて非行に走ったときのことを書いた。父へのコンプレックスを拗らせた痛い18歳の自分を書いた。先日プレゼミの最後の講義があった。講義が終わって、荷物をまとめているときに先生に声をかけられた。「橋本さんどこのゼミ?」と聞かれたので所属予定のゼミを伝えた(演劇のゼミだ)。演劇の作・演出をしていると伝えた。先生は劇作家で小説を書く人もいるから橋本さんも是非小説を書いてみたらいいといった内容の話をしてくれた。面白かった、と言ってくれた。嬉しいと同時にほっとした。小説にした小生はとても褒められるような子供じゃなくて、本来だったら叱られるべき行動をしている。でも小説にしたら咎められなかった。純粋に作品を褒めてもらった。駄目な自分も作品にしたら、その作品が面白かったら許されるんじゃないかなと思った。現に今これを書いている部屋も脱ぎ捨てたままの服や大量のプリントや実家から届いた食物の入った段ボールで足の踏み場もない有様で、毎日飲まなければいけない薬も2日前から飲んでいないし、連絡も仕事も課題も滞っている。なんとかしなければいけないとはわかっているのに憂鬱に押し潰されてベッドから出られなくて、事態は悪化するばかりで、もう生きるの嫌だなあ逃げたいなあと鬱々と思う。だけど、もしかしたら、この駄目な自分を作品になるように言葉にしてしまえば、その言葉が面白かったら、ひょっとして今の姿を許してもらえるんじゃないかと考えている。というより、自分で自分を許したい。自分じゃ上手くできないから、他人からの評価で代用したいのだ。その思考がもう駄目なのだけど、それすらも許されたい。弱虫ほど自分に甘い。許しを請うための作品ってみっともないけど、みっともないのが橋本あきらで、みっともなくていいから堂々と息ができるようになりたい。
言葉が好きだ。いちばん表現しやすいツールだから。現実はまだちっとも面白い作家じゃないので言葉ともっと仲良くなりたい。言葉を愛して、言葉と協力したい。劇作家として成長するのが目下の課題。面白くなって自分を愛したい。

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