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親からの精神的な自立

父のすい臓癌が分かって約二週間。やはり父は確実に日々弱ってきている感じがします。

リビングの座椅子で過ごしていたのが今では背中が痛いので和室のこたつで一日中、横になって過ごしています。

ぼくは大学入学の際に一度、実家を出て四年ほど親と離れて暮らしています。

そして卒業後は実家へ舞い戻ってきたのでそれから
三十前半まで再び実家で過ごしています。

飼っていた愛犬が亡くなったことが転機になり、
三十前半からアパートを借りて一人暮らしを
始めて38歳で結婚したのでそれからは
ずっと家を出ています。

なぜ、三十代からまた実家を出たのか
それは親からの甘えを断ち切るためです。

結婚してからは孤独感を感じないですが
中年独身で過ごしたアパートでの四年間は
家に帰ってもそれは寂しい生活でした。

若さがあった大学時代は若さによる強さから
孤独感を乗り切れました。
中年三十代での一人暮らしはまた一段
辛い孤独感があります。

ただ、実家を出たことによる親からの
自立により、二度、親と別れる疑似体験
自らしたことになります。

ただ、一人アパートで過ごしていても実家では
親が生きていてくれるという安心感があり、
本当の意味での親からの自立はできていなかった
ということになります。

それが今回の親の癌発覚により、親がこの世から
いなくなるということが現実的になりました。

そして数か月後に親が亡くなるとそれは実質的かつ
強制的に親からの自立となります。まだ、母が
生きているのでその点はありがたいことですが
前家族の中心的な存在である父が亡くなると
そのダメージは計り知れません。

今、思えば自分から実家を出た疑似体験は
今回の衝撃的な出来事のダメージを緩和
するために自ら申し出たことだったのかも
知れません。

これが結婚もせずに親とずっと一緒に今まで
暮らしてきたとなると親の死のダメージは
とてつもない苦しみになっていることでしょう。


親からの精神的な自立

それは親が実際に亡くなってからが

本当に自立なのかも知れません。


自分の分身である親の死

それは人生の最大苦行といえる修行で
あります。

生老病死 愛別離苦 

親と実家から離れて暮らす

親とこの世から離れて暮らす


とてつもない違いがあります。

そしてさらに配偶者との別れも
いつかやってきます。

生まれた時も一人で生まれてきて

死ぬ時も死んだら一人であの世へ行きます。


一人で生きていく覚悟 精神的強さ

これを身に付けることが大事なのでは
ないのでしょうか。


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