「うすまる影」(詩)
歩いていると ふと あなたをさがすことがある
夕日の帰り際
真昼の道路
浅いところまで帰りついた夢路の足下
とうとつに 恋しさが走り回り
胸をさわがせる
あなた
そう呼べたら いいのか
そう呼べないことを 愛するべきか
落ちていくものに 恋しさをくくりつけて
しずかなさよならで触れ合う
ここにある と 言い聞かせても
くり返しても 納得しても
頷いても 歯を食いしばっても
また 恋しさはあらわれる
誰に似たのか 瞬くはやさで
心のいっとう奥の かたい一点目指して
あっちを こっちを 見渡した
そこが どれほど幸福であっても
変わらないものごとだった
私はあなたの 影に潜りたい
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