「涙は留まる」(詩)

涙が留まる
しとしと と
涙が留まっていく

胸のへこみは丸く
角はいつのまに爪が剥いで
もう何も否とは言えない

止まない雨は無いと言ったひとを
探す気はないのだけれど
それが死ぬまで続くのならば
それは雨が止んだということなのか
悲しみが息を引きとっただけなのか

涙が留まる
しとしと と
底は膨らみ 深さをどこまで掘っていけるのか

胸の凹みは歪に化ける
内で回る涙は知らない
どこまで降るのか 
誰の胸にも
もう訊くことはできない

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?