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2.22だけど、猫に全く関係ない川柳

前半は投句会へ送る川柳のボツ作。
後半は、ただただ書き連ねてた川柳です。


【やがて】

手はやがて萎んで白く蝶は飛ぶ

白い手はやがて貝殻 そして蝶

この身にはやがて孤独もやわらいで

果てよりやがて一枚のドアは開く

ああやがて私は貝に戻ります

慎ましい淡いもやがて濃い紅へ

升目に置くつらなりやがて海も生み

血はやがて描くだろうか理想郷

やがてへと流れ着いたのわたしだけ


【浮く】

頬に溶け残りもしない雪の影

浮き上がるように落ちていく雪片よ

浮き上がる あなたの溶けた空の青



【烏賊】

あの日はねあなたの方が烏だった (なんで烏賊って書くのかを読んで)

烏賊と烏のカップルも悪くない (同じく)

烏賊と同じ適温なのよ私って

烏賊のように引きずり込むよその濡れ羽 (そのまんま。烏賊の字の意味から)


【香】

このケーキ鼻先を冷やす香りだわ

ねえあなた わたしのかおりは此れですよ

その名から愛と同じ香り零れ


【雑詠】

藍を言うその唇は私のよ

熊を見て まさかあなたを思いだす

皿を持ち冷めた口付けこれも愛 (サロメを思って)

これがいい これだけでいい私の手

星の逝く光かもねと手を握る

影のよに光があったその目には

大人の顔を両手に埋め笑う

天国を飛びまわってた哀しい夢

また三時 目を合わせない星ばかり

脳の隅 白い蜘蛛の巣払う手も白

磨き上げる今は青くて鈍い骨

角生やしそれでも想ったわたしです

動力は月の魔力か恋の足

きれいだね終わる世界の墨の色

千羽目のくちばしの無い青いツル

どうせなら刺せばよかった白椿

夕暮れといっしょに沈んでやりたくて

わたくしは燃え盛る火と清水です

白々と燃え上がりゆく言葉たち

さよならを噛みしめるためのホッチキス


ここからのは、打ちながら思い出した、先月と今月の川柳教室で出されたお題の川柳です。

【散る】

もう散ったのか冬の残骸白雪よ

私の勇敢さの散った鱗雲

散ることの無いものを君に贈りたい

散り積もり塵も積もった路踏み固め

【包む】

あの子だけ赤いリボンに包まれて

母という役職つつむ肉は私

わたくしの言葉をつつむあたたかな血

両の手で頬をとどめて赤さすり


以上、とりとめのない川柳でした。

川柳人口というのが少ないのだと最近知りました。

川柳って面白いのに。

頭の血管切れそうになるくらい。


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