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ふかっちゃんロスに効く!?ドラマ『きらきらひかる』を振り返る

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』も全23週の15週目。3人ヒロインによるリレー形式で、現在主役を演じている深津絵里さんですが、今週中には最終ヒロインの川栄李奈さんに代わる模様。初代ヒロインの上白石萌音さんと違い、今後も出番はありそうですが、好演していただけに寂しい思いも。

そんな「ふかっちゃんロス」をご心配な方におすすめなのが、深津さん主演の連続ドラマ『きらきらひかる』(1998年1月期)。以前にも『今、「震災ドラマ」を振り返る』という記事で取り上げたことがありますが、ちょっと深掘りしてみます。

原作は『モリのアサガオ』などでも知られる郷田マモラさんのもう一つの代表作。絵柄が超個性的なので、手を出していない人もいるでしょうが、青木雄二さんの『ナニワ金融道』と同じく、読めば面白さがわかる傑作。

ドラマでは、主人公・天野ひかる(深津さん)を、監察医の新人設定に改変。ひかるが監察医になるきっかけになった、法医学教室助教授の裕里子(鈴木京香さん)、先輩監察医の栄子(小林聡美さん)、警視庁捜査一課の紀子(松雪泰子さん)はオリジナルキャラ。

今日では『アンナチュラル』や『監察医朝顔』など、法医学をテーマにしたドラマは珍しくないですが、1998年当時はまだ目新しく。真実を追求し、死者の声を聴こうとする天野の奮闘がベースでありながらも、4人の女性たちのスタイリッシュな食事や恋バナも盛り込まれ、視聴者に受け入れやすく。

脚本は今や大御所といってもいい井上由美子さん。1991年に脚本家デビューですから、まだ7年目だったんですね。その後も、『GOOD LUCK!!』『白い巨塔』『14才の母』『緊急取調室』『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』など、30年以上も第一線で活躍中です。

キャリア的に出演者をみると、深津さんは『踊る大捜査線』(1997年)スタート翌年で、『カバチタレ』(2001年)の前。鈴木さんは『ラヂオの時間』(1997年)の公開直後。小林さんは三谷幸喜さんと1995年に結婚。松雪さんは『白鳥麗子でございます!』(1993年)のイメージがまだ残ってたなあ。

天野の上司・田所もいいキャラで、『踊る大捜査線』の柳葉敏郎さんが演じているところもポイント。田所と月山のツンデレ関係に萌える。「殺しても死なない月山くんへ」って最高かよ。

一話完結ながら、最終的に裕里子の恋人を寝取って、行方が分からなくなった妹・冴子(篠原涼子さん)の“死”の真相が明らかに。阪神淡路大震災とチェルノブイリ原発事故がキーワード。震災と原発、311を経験した今見ると、また違った感慨を持つかも知れません。

余談:「警視庁」と「警察庁」の違いを押さえておくことが刑事ドラマに必要なように、法医学ドラマでは「監察医」と「法医学者」の違いも知っておきたいところ。『アンナチュラル』のミコト(石原さとみさん)は「法医学者」の中の「解剖医」という設定。ちなみに、『監察医朝顔』で三宅弘城さんが演じているのが「検視官」(警察官の職種)。




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