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トヨタ最高益!で思うこと

私の生業であるアルミリサイクル業は自動車生産と密接に関わりがあり、業績は自動車メーカー次第というところがあります。

特に当社が拠点を置く愛知県はトヨタはじめ、関連企業も多く、取引先も自動車部品を作っているところが多く、トヨタの恩恵にあずかっている部分もありますが、今回の決算発表の内容と足元の生産状況との乖離に何とも言えない気持ちになっている関係者もいることでしょう。

まず最初に抑えておかないといけないのは、トヨタの国内と海外の生産比率です。ざっくり国内が1/3、海外が2/3となっています。
営業利益が過去最高の4兆円を超えたとのことですが、円換算の結果だということです。今は1ドル160円です。
4兆円は大きすぎて実感できない数字ですが、トヨタにしてみたら我々が思うほど儲かった感じはないかもしれません。

とはいえ自動車関連メーカーさんにしてみると、原料高で苦しい最中、還元してほしいという気持ちは強いですね。原料は毎月上がっていきますが、製品販価は連動せず、半年据え置きというところもあり、作れば作るほど赤字になっていきます。このままでは日本のものづくりは崩壊しかねません。
加えて、昨年末からのダイハツ、豊田自動織機の検査不正による生産停止、4月からのプリウスのリコールに関わる生産停止と、中小企業の生産に大きな影を落としています。

4月の日経新聞の連載「私の履歴書」で日本製鉄名誉会長で日商会頭を3期務められた三村明夫さんがそのなかで、このように仰っていました。

「取引先に値上げを要請しても、そもそも交渉のテーブルにさえついてくれないという声が相当ある」
「中小企業は大企業に負けない勢いで改善やイノベーションに取り組んでいるが、その果実が手元に残らず、取引先に吸い上げられている」

もちろん自助努力の足りない企業もあると思いますが、フェアな取引を大企業自身が取り組むべきですし、下請法をしっかり守る風土を監督官庁が作っていくことも必要でしょう。
まずはトヨタからはじめよ、です。

一方でトヨタはティア1に対して公正に取引しているが、そこ以降のどこかで不公正な取引が行われているという声もあります。

中小企業も元請けの大企業におんぶにだっこではない事業を作り上げていかなくてはなりません。
これは当社の課題でもあります。
言うは易しですが、創意工夫でいかようにも変化できるのがビジネスの面白さですね!


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