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花相の読書紀行№.132『空飛ぶ馬』

日常の中にある不思議を、貴方も解いてみませんか?

【空飛ぶ馬】/北村薫
<あらすじ>
「私たちの日常にひそむささいだけれど不可思議な謎のなかに、貴重な人生の輝きや生きてゆくことの哀しみが隠されていることを教えてくれる」と宮部みゆきが絶賛する通り、これは本格推理の面白さと小説の醍醐味とがきわめて幸福な結婚をして生まれ出た作品である。異才・北村薫のデビュー作。
*第2位『このミステリーがすごい!'92』国内編
*第7位『もっとすごい!!このミステリーがすごい!』1988-2008年版ベスト・オブ・ベスト国内編
◆織部の部屋
「私」と円柴師匠が、大学の加茂先生を通じて知り合うきっかけを、加茂先生が幼い頃見た「見るはずののない夢」についての謎解きを通じて描かれています。
◆砂糖合戦
喫茶店の隅の席で陰気に座る若い三人の女性は、なぜみんな揃って大量の砂糖を注文した紅茶に入れたのか?
◆胡桃の中の鳥
山形県は蔵王まで、友人である正(しょう)ちゃん、江美ちゃんと共に、円紫師匠の独演会にやってきた「私」。そこで出会った小さな女の子と、シートカバーを外されてしまった江美ちゃんの車の謎とは?
◆赤頭巾
ある絵本作家の家の近所の公園に、毎週日曜日の夜になると出没する女の子。
彼女はいつも、何か赤いものを身についていることから「赤頭巾」と呼ばれていたが‥‥。絵本作家の女性が書いた「赤ずきん」と外に立つ「赤頭巾」との関係とは?
◆空飛ぶ馬
クリスマスが近づいていたある日、幼稚園に贈られて来た木馬。
しかし木馬はその晩、幼稚園から消えていた。にもかかわらず次の朝にはきちんと園に戻ってきていた。木馬は、空を飛んだのか?

★感想
円紫シリーズの一作目。
実は、これが北村薫さんの作品初でした。
北村薫さんと言う作家さんの素晴らしさを知り、尚且つ
「私にも気軽に読めるのね。」
と、思わせてくれた一冊です。

この作品は、主人公の“わたし”と噺家さんが探偵役で、日常に起こるちょっとした “不可思” を解決していく短編集です。

人が死なない優しい文章のミステリー。
心の温まるお話に、読み終わったときには探偵役の円紫さんにちょっと惚れちゃいました。❤
いやいや、決して惚れっぽくは無いのですが・・・(笑)

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