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【詩】春風が運んできた恋

背伸びして入った高校
希望で胸を膨らませていたけれど
授業が始まっていきなり躓いた

「こんばんは」
入ってきた家庭教師は
反則級の好みのタイプ
でもそれっきり何も喋らなくて
無口な人と思った

彼はだんだん話し始めて
笑顔も出てきた
気が散って勉強どころじゃない
彼が帰る頃には兄妹みたいに
ふざけあっていた

彼が帰って行くのを
ベランダに出て見送った
生暖かい春風に吹かれながら
彼が見えなくなるまで
小さくなっていく後ろ姿を見ていた

もう恋の予感を確信していた
でもそれから7年も
あの人の魅力に取り憑かれてしまうなんて
15歳の私はまだ知らないでいた

©2023-2024 alice hanasaki

※この作品は創作であり、
私生活とは関係ありません。

#虎吉の毎月note#春風
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