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アンドレアス・ドレーゼン - ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ (2022) Rabiye Kurnaz gegen George W. Bush
第72回ベルリン国際映画祭銀熊賞(主演俳優賞/脚本賞)作品。『グンダーマン 優しき裏切り者の歌』(2018)のアンドレアス・ドレーゼン監督。米国9・11テロから20年以上が経過した今、グアンタナモ収容所のことを覚えている人はどれぐらいいるのだろう。『モーリタニアン 黒塗りの記録』が2021年だから、これをきっかけにまた調べたりした人もいるかもしれない。ドレーゼン監督は、無実の罪で5年もの間グアンタナモに収監されたムラート・クルナス本人の著作の映画化を計画するも、あまりにも悲惨
タイカ・ワイティティ - ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル(2016) Hunt for the wilder people
タイカ・ワイティティはどうしてこんなに優しいんだろう。「愛している」と言われること、愛されていると認識できること。そういったことを描いてきたティーンエイジャーの物語はこれまでもたくさん作られてきた/そして、これからもたくさん作られるだろうけれど、ワイティティのこの映画が特別な愛の映画として描くのではないまま、特別な映画になってしまったことに驚いてしまった(そして、それは瞬間によるかけがえなさに由来している)。なにより、13歳のリッキー・ベイカーを演じたジュリアン・デニソンの輝
メーサーロシュ・マールタ - ドント・クライ プリティ・ガールズ!(1970) Szép lányok, ne sírjatok!
メーサローシュ・マールタ監督の長編3作目。劇場公開時はおそらく、残暑きびしい、蒸し蒸しとした日々のなかで、なんとか心を奮い立たせて映画館に行こうとしたものの、ぜんぜんだめで、ひたすら天井を眺めていたのをめちゃくちゃに覚えている。(気圧、湿気もろもろ、世界に左右されまくるあたしの身体🥲) 婚約者がいながら音楽家の青年と恋に落ちた女性の逃避行を、ドキュメンタリー風のカメラワークで瑞々しく映し出した青春もの。これまでは、そうやってふたりのあいだで揺れ動く主人公というのは男性とされ