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Mr.罪悪感


先日、仕事終わりにスーパーへ行き、お米やらビールやら、我々の食事の主成分となるものを買いに行った。

そこのスーパーは店員がいるレジとセルフレジがあるが、その差は店員がレジ打ちするか、自分でするかの違いくらいだ。店員がレジ打ちした後、自動の支払い機械へ誘導される。

ただ、実はそれ以外にも違いがある。それは支払い機械の画面だ。店員がレジ打ちした後、誘導された機械へ行くと合計金額しか表示されないが、セルフレジだと商品ごとの名称や金額まで表示される。

僕はその日、店員のいるレジで会計をした。その後、先述した通りに自動の支払い機械に誘導された。そこに表示された金額に違和感があった。千円くらい安い気がしたのだ。でも、合計金額しか表示されないため、内訳を確認出来ず、黙って支払いをした。

レシートを確認すると、6本入りのビールのパックが1本分の値段で打たれていた。僕は立ち尽くした。そして、瞬時に考えを巡らせた。

僕が何も言わなければビール6本分を1本分の値段で購入出来た事になる。お店がそれに気づいた際に担当した店員は酷く怒られるかもしれない。僕はそれを想像するだけで罪悪感でそのビールを美味しく飲めないかもしれない。でも安上がりで済むのだからこちらにとってはお得でしかない。むしろもう既に支払っているのだから追加で料金請求されても損した気持ちになるし、返金の手続きなどで時間取られるのも嫌だな。どうすればいいんだ────。

その時の僕は、さながら野球漫画で豪速球のピッチングを見極めるバッターのような頭の回転の速さだった。

「このビール、一本分の値段で打たれてます」

結果、僕は店員に申し出た。お金より罪悪感を背負わない事を優先したのだ。
まあ、返金手続きにそんな大層な時間が奪われる事もなかったのだが、「本当にこれで良かったのか」と後悔を抱えながら帰路についた。

きっと僕はどちらの選択をしていても後悔していた気がする。ただそれほどまでに罪悪感を背負いたくない気持ちが強い。


ちなみに、僕は浮気をしないと心に固く違っている。そもそも出来る技量や魅力があるのかというのはまた別の話。浮気をする事でまず第一に彼女を傷つけたくないし、それと同等にそんな罪悪感を背負ったら自己嫌悪で死にそうだからだ。

浮気をした人は意外とあっけらかんと生きているからびっくりする。

僕は最悪の感性をしているので、ハゲている人が何を喋っても「まあ、ハゲてるけどね」と思うし、浮気してる人がどれだけ本気で恋愛をしても「まあ、浮気した事あるけどね」と思ってしまう。それくらい浮気はダメな事なのに、浮気する奴はいつまでもするし、ハゲてる人はいつまでもハゲてる。そんな気がする。反省の色がまるで見えない。ハゲている事に反省なんてしなくていいのだけれど。

シフトを作る人もそうだ。
自分が連勤にならないように調整して、周りが何回も5連勤になってしまっている状況をなんとも思わないのか。目に見えて自分だけが楽しようとする姿は滑稽極まりない。シフトを作るくらい上の立場なのだから、たくさん働いている姿を見せておけ。

ただ、それほどまでに自分を優先出来るのだから羨ましい。

だから、僕の行いは、「罪悪感を感じないため」というモットーに基づいている。モットーに基づいている...笑

浮気をする人も、自分だけが楽なシフトを作る人も、彼らは皆、罪悪感とうまく共存している。飼い殺しているのか?その心理を知りたい。


SEKAI NO OWARIの楽曲に『Mr.Heartache』という楽曲がある。
全編英語詞だが、和訳すると、「久しぶりだね、心の痛み!君は僕を成長させてくれたよ!」と心の痛みを擬人化して、語りかけるような歌詞だ。


Mr.罪悪感がいたものなら、彼は僕を落ち込ませる原因だし、僕は彼と上手くやっていけないよ。

なあ、Mr.罪悪感。
お前は俺を追い詰めて“罪悪感”を感じないのかい?

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