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慶應SFC・AO入試(総合型選抜入試)受験の書類を併願校出願にも応用する年間戦略【慶應SFC・筑波・立教・関関同立・女子大等】

はじめに


この記事はSpotify Podcast "クリエイティブな予備校講師がコッソリ教える!AO推薦入試(総合型選抜入試)のウラ話 by 光村映吾"、又はYouTube "光村映吾(旧・ゆるゆる話すAO入試のウラ話ラジオ)" を聴きながら(orながら聴き)閲覧することで理解しやすい内容にしております。

AO入試受験を意識し始めた高校三年生が
まず初めにすること

*YouTubeは下記リンクに5本分の動画を再生リストにまとめています。

現代のAO入試事情に乏しい保護者や高校は既に時代遅れ

AO入試(「総合型選抜入試」が最近の正式名称ですが、認知度を考えAO入試と記載)を利用した大学受験生は益々増えています。AO入試での入学者枠を新設・増設する大学が増えているわけですから当然ですよね。

しかし、日本国内に限れば、少子化の影響もあり大学受験者数の総数は減少。一方で、筆記試験以外の方法で受験可能な大学が増加。
偏差値だけで測ることのできない大学受験の考え方を、保護者の方々も含めて改めなければならないのは、もはや10年以上も前からの受験常識です。残念ながら、担当する生徒やその保護者の方々の理解は、まだまだ乏しいなと思う現状です。


最新の傾向・対策・考え方

そこで今回は、AO推薦入試の、特に慶應や立教など有名私大を志望校として漠然と考えている方にぜひ読んでいただきたい内容をお伝えします。

受験指導を始めて1000人以上の受験生を見てきた中で、見えてきた最新の傾向と対策や考え方です。
出来るだけ合理的な方法で、受験を乗り切る。
というか楽しみつつ視野や見解を拡げることを実践して頂くために。
分かりやすく、年間スケジュールをベースにお話ししましょう。

*優先的に高校三年生のスケジュールで書きます。
(既卒で再度受験される方=いわゆる浪人生や、日本国外の高校を卒業して受験される方のスケジュールは若干異なります。)
*さらに、先頭に「□」を付けております。プリントアウトなどしてチェックリスト的に活用されても良いでしょう。

例として、慶應SFC受験をまずは目先の目標に、筑波大学AC入試+GMARCH系+関関同立+他 単科大学or女子大学などを併願していく想定で書きます。

もちろん、AO入試は一校だけに絞り一般受験に備える方もいるでしょうし、AO入試だけの受験で5校以上受ける方もいるでしょう。あくまで目安です。

念の為に記載しておきますが、

【慶應SFC】:慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにある環境情報学部と総合政策学部の通称
【GMARCH】:学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政大学の受験予備校業界での略称
【関関同立】:関西学院・関西・同志社・立命館大学の受験予備校業界での略称

あくまで知名度や人気度のグループ分けですので、読者の皆様は、大学の名前だけで翻弄されないことを願います。

慶応SFC AO入試と慶応法学部FIT入試の併願は推奨しない

尚、個人的な見解として、慶應SFCと慶應法学部の併願は推奨しておりません。他塾では、両学部のW受験を促すことが多々あります。それは生徒のためではないのです。合格実績数を増やすための営業トークであることがほとんどなのです。

中には、法学部受験をする気もないのに、無理矢理受験させられる方も。
結果SFC対策の時間も減りWで不合格になってしまったケースもあります。


「慶應ブランド」に目が眩むのは生徒さんだけではありません。

学歴(学部卒か修士卒か博士取得か)ではなく、大学名ブランドに依存した古風な方々です。保護者様の親戚界隈での見栄やプライドが邪魔をし、最悪の結果を招くことも毎年あります。受験生当人の意思・意欲がありW受験をするのであれば、覚悟の上で向き合いましょう。

さまざまな理由(リサーチの質が低下するなど)がありまして、第一志望が慶應法学部の方で、併願としてSFCを考えていらっしゃる方の志望理由書サポートは基本的にはお断りしております。

ただし、A4二枚の自由記述書類、自己推薦書Ⅱ、任意提出資料に関しては、どのような志望順位であっても対応いたします。

また、東京藝大や筑波が第一志望の方で、併願として慶應SFCをご検討されている場合は、志望理由書のサポートも勿論対応致します。学問分野に対しての一貫性があれば良いのです。

過去の生徒実績で慶應SFCと慶應法学部の両学部合格者はもちろんいるのですが、当時の出願時期に3週間ほど余裕があったことと、両学部に合格する資質を十分に持ち合わせていたためですので、かなりの特例と捉えて良いでしょう。


では本題に移ります。

新学年になった4月。
何から始めていくのが、合理的で効率が良いのか。

『GWの予定を逆算し夏休みまでをどう過ごすか

■ 高校三年生の4月:出願(候補)学部の確定時期

□ 一般入試+AO入試含めて、志望する「学部・学科」をまず考えてみましょう。志望「校」ではなく。

□ 具体的な職業イメージがあれば、そこに辿り着く為の手段として必要な学科を。そのイメージがなければ、現時点で関心のあることが、どんな学問分野に該当するかを知るところからです。

□ 前年度の募集要項で構わないので、志望する大学・学部・学科の受験日程と出願条件(評定足切りや資格の有無)を確認する。

□ AO入試の場合、どんな書類(題意・文字数・必要書類・Web or 郵送など)の事務的なチェックも忘れずに。
→慶應SFCのAO入試で必要な書類を、募集要項を図解して説明した記事を後日公開予定ですので、合わせて御覧ください。

□ スケジュール的に、出願が最も早いと予想できる慶應SFCの活動記録・活動報告をまず書いてみる。

□ 任意提出資料にできるもの・したいもの・出来そうなものを挙げる。

□ 5月のGW連休でどれだけ時間が使えるかから逆算して、必要な書類の準備や視察が可能か考えておく。


■ 5月初旬〜中旬:予備校やサポート依頼できる人を探す時期

□ GWはとにかくリサーチに出かける。これが最強。机上の空論にならない実体験は面接でも活きる。

□ GWのリサーチ内容を資料にまとめる。まずは目次を考えることで構成を練る。

・PowerPointやKeynoteなどに手を出すのはまだ後でもいい。
・出願書類(全出願校を想定した上での)全体と各書類の目次(構成)を考える。ここに時間をかける。
・一気に集中して担当講師と構成を練るのが最も効率が良い。知識の浅いスタッフでは難しい。

→『目次とセットで資料の構成をする』を御覧ください。 

□ 「自己アピール」に関わる過去〜現在進行形の活動も資料にしていく。これも上記同様に構成を練ってから。効率よくやりましょう。

□ 視察での不明点や疑問点、新たな気づきをリサーチ。「サーチ」ではなく「リサーチ」をする。書籍・論文をリストアップ。

□ リサーチをする中で、興味を持った学問分野や職業や事例などが5〜7月くらいに決まり出すと書類の質を上げやすい。

□ ネットの情報や予備校の謳い文句に惑わされて、「AO入試の為の研究テーマ」にならないように注意。

□ 研究テーマは思いつくものではなく、「たどり着くもの」。アイデアはたくさんあっても良いが、「コンセプト」の設定が重要。

□ コンセプトの設定には、これまでの学内外の活動や思考の整理整頓が必要。
→「整理」と「整頓」を徹底的にサポートしてくれる講師や先輩・先生・友人などの「他者」を探す。
→ 一人で出来る場合もあるが、客観性が欲しいので、家族など近親者の視点も欲しいが、第三者の存在はかなり心強い。


■ 5月下旬〜7月中旬

□ リサーチの資料化の継続を徹底する。

□ 週末や部活休みを使って近場or日帰りで視察など出来れば行く。

□ 定期テストは得意科目のはずなのに評定4未満の科目と評定2点代になりそうな苦手科目を中心に頑張る。
・最後の評定に関わる時期です。科目平均によって0.1上がることで、受験可能な選択肢が増える大学もあります。

□ 予備校や塾の指導内容に不満が出てくる時期でもある。
・セカンドオピニオン的に無料相談・体験授業に行くのは良い刺激になるかもしれない。
・ただし、勧誘目的の保護者面談で都合の良い営業トークに騙されないよう注意。
→予備校選びの注意点は、後日公開予定です。
*私どもは体験授業価格で30分程のご相談に応じております。

□ この時期に、SFCや併願校に出す任意提出資料(その他添付資料など名称は様々)を2種類ほど、80%の完成度を目指したい。

・1種類では全体のバランスを考えにくく、3種類を超えると期末試験の負担にもなるため、まずは2種類でいい。

・1種類の2〜3ページだけでも作成し、考え方・作り方・見せ方・伝え方などに関して、徹底的に質を高めてから、残りのページも質を高めた状態で量を増やしていく。

・闇雲に量産するだけでの予備校の指導では効率が悪く、中には疲弊して挫折する生徒もいます。

・何をアピールするために、どのような経緯で、どんな成果に繋がったのか、を意識する。

□ この任意提出資料の作成を通して、コンピュータでのレイアウトスキルだけでなく、文章執筆スピード、リサーチ力、デザイン表現などを鍛える時期であることも意識。

・ここで鍛えた受験生の8月後半の自由記述はレベルが3段階くらい変わってくる。
→初歩中の初歩からレベル1段階でも上げたい方は、こちらの動画も是非参照して欲しい。

( 次号『AO入試出願前最後の自由時間:夏休みの賢い使い方』に続く )

#AllWrite


ある時は、アイデアを出す前のコンセプト段階からデザインを想定した戦略を企画・支援するフリーランス策士。 ある時は、予備校・専門学校・企業研修で効果的な「伝わる」表現をロジカルにレクチャーする講師。