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第4話 マリアちゃん、長すぎるよ!

語り手:ネコのきなこ 挿し絵:猫野 サラ

ボクとマリアちゃんはいつも一緒にゴロゴロ、ゴロゴロ、お昼寝したり、ご飯食べたり、またお昼寝したり、、、ふふふっ。他の人間もこんなふうに生きてるのかなあ。あまり興味はないんだけどね。

ボクは静かでのんびりとしたこのお家が気に入ったし、ゴロゴロしている彼女も大きなネコみたいでいいよ。まるで人間のお家にネコが2匹いるみたいだ。

でもねえ、気になるのがマリアちゃんの毛、、すごく長いんだ。ゆらゆら揺れるからボクのおヒゲがピンピンするんだ、、で、触ってしまう。ネコにも長い毛の綺麗な子がいるけど、ツンツンした子が多くて好きじゃないな。マリアちゃんの毛はねえ、長すぎて、あれじゃあネコのお化けだよ。

ある晩、彼女の毛で遊んでたら、いつの間にか彼女はスヤスヤ寝てるんだ。でね、ボクのイタズラがちょっと困ったことになってしまった。不自由な前足が彼女の長い毛にグルグル巻きついてしまったんだ!! ひゃあー、ど、どうしよう?!?!

それで、もがきながら助けを求めたんだ。ちょっとのことでは起きない、、、でも、大声で泣き叫ぶボクの声にやっと目を覚ました、、何も知らずに。

ナニ、ナニ〜〜? キナちゃん、どこォ〜???? ってむっくり起き上がった! それでね、ボクはなんと! ギャア〜〜〜

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ギャアア〜ア〜〜〜〜〜〜!宙ぶらりんになってしまった!

すご〜〜く恐かったのは彼女の長く響いた叫び声!! ビックリだよ。彼女は、ちょっとリアクションが大げさなんだ。ブラ下がっているボクはバタバタ、バタバタ、、どうしようもなかったんだよ。 するとボクに向かって、なんで、、こんな事が起きるのぉ? ちゃんと静かに寝てよぉ〜〜、キナコ!!! って悲鳴のような文句をタラタラ、、絡まった毛を何とかほどいて、ボクはベッドに着地!

ちゃんと反論したよ、ボクのせいじゃない!ってね。でも、いつの間にか寝てた。やれやれ、、だよね。すぐに寝ちゃうのが彼女の特技の一つなんだって。爆睡だよ。だから、ボクが側でスリスリ、スリスリしてあげたのも彼女は知らない。

色々とびっくりすることは続いたよ。ボクが高いところへジャンプするたびに彼女は叫んだ。ボクはどこへでも、お風呂へだってついていく。そして、蓋の上でじっと見つめて待ってあげるんだ。彼女はお風呂で本っていうやつと遊ぶ、それが本当に長い。人間の遊びはぜんぜんおもしろくないね。

この新しい生活にはだいたい満足してる。ちょっと文句もあるけどね。いや、結構あるかもしれないな。別のときに話すよ。でも、彼女はボクの気持ちが少しずつ分ってきたみたい。もうすでに犬よりネコの方が優秀だってわかったはずだよ。ボクたちネコは人間から教わることはないよ。

でも、人間はボクたちからたくさん学ぶべきだね、ふふふっ。

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