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第11話 マリアちゃんの浮気?

語り手:ネコのきなこ 挿し絵:猫野 サラ


マリアちゃんが、 怪しい。

ボク以外のネコと逢引してるみたい。

ちゃんと帰ってくるんだけど、匂うんだ。他のヤツのニオイが。しかも一匹や二匹じゃなくて、もっとたくさんのニオイがする。

 どうしよう、、

マリアちゃんはズボラで、だらだらと猫みたいに生きていて、気持ち良さそうにいつもゴロゴロ、ゴロゴロしてるから、外の世界はあまり好きじゃないって思っていたんだ。ボクのことが大好きで、いつも一緒にいるのが嬉しいみたいだった、、だけど、他の猫とときどき会ってるのは間違いない! それにね、、浮気の回数が増えてるような気がしてるんだ。酷いよ、ボクを裏切るなんて! 

逢引から帰ってくると彼女はすぐにご飯大盛りで食べてるんだ。ボクはもう心配で心配でたまらないのに!!

で、思い切ってボクの気持ちをぶちまけたんだ。でもね、あっさりと無視されてしまったよ。彼女は大きな口で晩ごはんを本当に美味しそうに食べていて、僕が文句を言ってると、

も〜キナちゃん、うるさいよ! 静かにして! ゆっくりご飯食べさせて!と、大声で怒ってるんだ。

あ〜、鈍感だなあ〜ボクの気持ちが全く伝わらないよ。ボクは噛み付いたり、スリスリしたり、いろんなことしてがんばったよ。だけど、彼女は本当に鈍い!食べることしか考えてない! それからねえ、すごく失礼なんだよ!

えっ? えっ? あれっ? キナちゃん、、、 まさか他の猫たちのニオイがわかったの?? あれ、ヤキモチやいてる?? ぎゃはっは〜

ボクを笑うんだ!ひどいよね、 許せないよ! もう絶交だよ!ボクはお風呂だって、トイレだって、どこへでも一緒についていってあげてたんだ。だけど、今日はもう本当に怒ったからね。


ボクは暗いお部屋で知らん顔してずっと寝てたんだ。すると、長〜〜いお風呂から出てきたマリアちゃんが無理やりボクをベッドへ。キナちゃん、キナちゃん、って顔をスリスリさせてくる、ネコみたいにね。仲直りの仕方をボクが教えてあげたとおりにやってたよ。

そして、ムーチョさんって人のことを話し始めたんだ。

ムーチョさんていうのは獣医さんで、保健所ってところに持ち込まれる可哀想な子猫たちを引き出してお世話しながら、一緒に暮らしていける人間を探してるんだって。それをね、たった一人でやってるんだよ。凄い人間がいるんだね。

保健所へ連れていかれた子猫たちは全部が助かるわけではないんだって。もう手遅れの子や、病気の子、低体温の子、、、

話を聞いてたらボクは涙が出てきたよ、、。そんな可哀想な子たちが一杯いるなんて。

そうか、マリアちゃんはそこでお手伝いしてるんだね。それでいつも他の猫の匂いがするんだね。

そう、子猫のお世話をしたり、お掃除をしたりしてるんだって。汚れた子猫たちをお風呂に入れるのが大好きらしい。ノビちゃんていうムーチョさんの犬とも仲良くなって散歩にも行くんだって。マリアちゃん、凄いじゃないか!!! そんなことができるなんて。もうズボラなんて呼ばないよ、ボク。

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チョロ松とジンジャーは里親さんが見つからずに、ずっといるらしい。チョロ松って、、なんだかボクに似てるらしいよ、きっと綺麗なネコだよね。いつも鼻水出してて、ボクもだけど、ふふふっ。あ、キンちゃんってネコは熊本の地震災害のときにやってきたんだって。オスなのに子猫の面倒を見てくれてね、凄く優しい里親さんが見つかったときマリアちゃんは涙が止まらなかったらしい。涙もろいからね、、ふふふっ。

マリアちゃんの話は尽きることなく、ムーチョさんとの出会いまで話し始めたんだ、、、もう丑三つ時を過ぎてるよ!

何年も前に、、サルサパーティーでムーチョさんが、、を弾いてくれ、、て、、ふぁ〜〜〜、すごく、お客さんが来、、ムーチョさん、素晴ら、し、い、とき、に、、、、、

はぁ〜〜、ごめん、安心、したら眠くなってしまったよ。

おやす、、、、マリアちゃん


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