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es échoppe (エスショップ)立ち上げの経緯と私たちが描く未来。

お久しぶりです。noteを書こうと書こうと思ってもなかなか更新できない上田です。

es échoppe(エスショップ)の経緯


さて、今回、月イチの1日限定ショップ es échoppe(エスショップ)をプレオープンする運びとなりました。これまでご協力いただきました皆様、ありがとうございます!

そこで、あれ?お前たち藍染してたんじゃね?、古着屋だったんじゃないの??と多くの(そうでもないかw)皆様からツッコミが入りそうなので、エスショップの開店に辿り着くまでのお話とショップに込めた思いを少しご説明させていただけたらと思います。

私たちAlternaが目指すのは
「服を使い捨てない今より衣類が循環する社会を目指しています。」

このあたりの経緯や思いはforgoodのクラファンページ
前回の記事を読んでいただければ嬉しいです。

その志は変わらないんですね!
少し手段を変えてアプローチするのが今回はじめるエスショップです。

【es échoppeのエスとは】
月1回1日限定のメンズアパレル専門のPOP UP STOREです。
slow、smart、specialの頭文字が由来。
30代40代の男性がゆっくりと服選びを楽しみながら、自分にあう自分だけの特別な1着に出会う場所を提供したいとの思いを込めました。国内生産の素材にこだわった上質な服、定番として長く着れる服、着心地のいい服だけを集めました。洗練された落ち着いた大人な服が多数あります、新しい自分の"定番"を見つけてください。

エスショップで実現したいことは"スローファッション"の普及浸透です。

「5年後でも自分にとって価値があり続ける「人の暮らしに寄り添う服」を提供したい。いつまでも持っておきたいと思うシンプルで着心地のいい服に出会うお手伝いをします。」



es échoppeスローファッションを提案するセレクトショップ

スローファッションてなんぞや??
って思われるかもしれませんので少しお話しすると

“スローファッションとは、人権や環境・動物に配慮して作られたファッションアイテムのことです。 さらに、消費者がほんとうに必要なものだけを厳選して長く愛用する取り組みを指します。 できるだけ自然素材・リサイクル素材を原料とし、消費者がひとつのアイテムを長く使えるように工夫を凝らしているため、環境にやさしい点が特徴です。"

ってことです。つまりファストファッションの真逆の考え方なんです。

衣類廃棄の解決には2つのアプローチがあります。

廃棄予定、廃棄されるものをどうするか? 
廃棄されないようにするにはどうするか?

これまでのAlterna projectで取り組んできたのは「アップサイクル」という手法。
これは廃棄予定、廃棄されるものをどうするか? です。廃棄予定の衣類にデザインなどを用いて新しい価値をつけ、新商品として販売することです。私たちが考えたのは、廃棄された古着を回収しつ藍染という伝統技術の付加価値をつけてアップサイクルする取り組みです。

ちなみにリメイクと混合しがちで、リメイクは新しい価値に変えていく変化、アップサイクルは変えるのではなく"替える" 意味にの方が近いと思います。アップサイクルと呼ぶならば元の状態に比べて、付加価値が何なのか?が重要。そうした背景やアップサイクルの性質上からどうしても原価コストが増えるので、上代ベースが高騰しやすい傾向にあります。

私たちのAlterna projectも安い商品ではありません。

そこで、より事業計画をブラッシアップしたいと思い、ボーダレスジャパンのスタートアッププログラムに参加することにしました。プログラムで壁打ちする中で見えてきたのが、そもそも「廃棄しない服は作れないのか?」でした。皆様のご協力や応援をいただきましたクラファンで得た資金(応援ありがとうございました!)を活用して当初はオリジナルブランドを開発する予定でした。けれど商品開発というのはとてつもなく時間と資金を使う作業なんですね。
廃棄衣類の課題に取り組むものが中途半端な商品はつくれません。

じゃあ
自分たちが「やれること」は何か?と考えました。

それがメンズのセレクトショップです。
私のアパレル小売の経験を活かして、商品をお客様に届ける役目をしたい。この強みを活かしたいと考えました。

さぬき市津田の藍染工房キマイラさんとの藍染「Alterna project」や国内古着の取り扱いは継続してエスショップでも販売します。オリジナルアパレルの開発はまだ諦めてはないので、いずれ最強におしゃれな国産サスティナブル&エシカルオリジナルブランドをクリエイトしますw
私達と商品開発したい地場産業の皆さま、ご連絡お待ちしておりますー

地域のものつくりの課題

そうした経緯からオリジナルブランド制作を見据えて、香川はもちろん新潟から和歌山、岡山など地場産業の方々、メーカー、職人さんに色々と相談したりヒアリングさせていただいたんですね。
そこで新たに見えてきた課題がありました。

それは地場産業の厳しい現状でした。

私はテーラー時代のツテをたどり工場を探していましたが、その縫製工場が残念ながら廃業していました。他にも似たような事例があり国内縫製工場の生産量はとんでもなく減少していました。
工場の方々は口々に「後継者がいない」と嘆いておられました。これは寂しい話、この現状をどうにかしたいな、と感じていました。

調べてみると国内廃棄は51万トンに対して海外の輸入がほとんどで国内生産量はわずか数%しかみたないのが日本のアパレルの流通状況でした。

厳しい状況の国内生産者がいるのに海外輸入に頼る、しかも総量の半分以上は廃棄されている。

いやいや、それはおかしいでしょう。

そこで思いついたのが、廃棄衣類の課題に取り組むのに国内地場産業のメーカーさん、職人さんの技術を活用できないか?考えたわけです。

実際に今回エスショップで扱うブランドさんは、そうしたアパレル業界の構造に疑問を持ち、環境にも人にもエシカルな洋服作りに真摯に向き合っている地場産業さんばかりです。

同じ思いの生産者がいるんだ!

そうしてes échoppe(エスショップ)の構想がまとまりました。

国内のエシカルなものつくり、スローファッションを背景生産している地場産業、国内メーカー、伝統工芸技術を使った服を集めたセレクトショップ。

驚いたのが、そうした国内ブランドのプロダクトは全て「着心地のいい」洋服ばかりだったんです。着心地がよいから捨てたく無い、そう思っていただけるんじゃないかなぁと感じたんですね。

廃棄されない=捨てたくない服だと思います。お客様に安心していつまでも長く着れる定番の服を提供したいと思います。

これまで20数年アパレル小売をしてきて衣類廃棄の要因のひとつに自分がなっていたと自覚しています。だからこそ、生産者や消費者にばかり責任を求めるのではなく私たち小売、売り手が出来ることがもっとあると思います。

今回のes échoppeでは小売店が売りっぱなしにしない仕組みの工夫をしています。小売店も痛みを少し負う。衣類廃棄のテーマはスケールが大きいです、生産者、消費者、販売者、全てのステークホルダーがこの課題の痛み分けをしないと解決できない課題だと考えています。

将来的にはes échoppeが地域の作り手と消費者を直接結ぶ場所になればいい。
地場産業のプラットフォームになりたい。地域商社ではなく、ローカルメイクのプロダクトをきっちり売ることにまでコミットする地域小売店です。

・お客様が安心して着れる国産の着心地の良い服をお届けする
・国内生産者の商品をちゃんと販売まで責任もって取り組む小売店
・服に困った時に何でも相談できる場所、リペア、染め直し、回収までするお店

それが実現すれば、1着をいまより永く着用することにつながり結果的に衣類廃棄の課題にコミットできると考えています。

今月6月11日のアジサーキュラーパークでのイベントは、定番で安心して着用できるアイテムばかりを揃えています。おそらく飽きの来ないデザインのものばかりだと思います。ぜひお手に取られてみてください。


es échopp (エスショップ)の思いはこちら。





次回は私が考える「おしゃれっ」をお伝えできたら幸いです。


ウエダカツヒト
セレクトショップで販売員キャリアをスタート。麻布テーラーで紳士服のオーダーメイドを学びながら店長や広報を歴任。バーニーズニューヨークではメンズマネージャーを経験。神戸市にファンションコラムを連載。その後、ソーシャルビジネスに出会い、エシカルアパレルの普及浸透や衣類廃棄の課題に取り組んでいる。1977 神戸市生まれ

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