Ayumiの歴史さんぽ

生まれも育ちも鎌倉の歴史好き。好きな時代は日本史なら飛鳥奈良~南北朝、時々幕末。 世界…

Ayumiの歴史さんぽ

生まれも育ちも鎌倉の歴史好き。好きな時代は日本史なら飛鳥奈良~南北朝、時々幕末。 世界史なら春秋戦国・三国志・フランス革命・イスラム史。 京大→東大院卒。 毒親育ちの生きづらさも語ります。 https://www.instagram.com/ayumi.ohno_official

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変態レベルに歴史が好きです。

「変態」と言われたことがある。 それもこれも、私の“歴史好き”がいささか度を越したレベルであるゆえだ。 と言っても、その変態さ加減を一言で表すのは難しい。 そこでこの記事では、「自己紹介」の代わりとして、小学生時代から大学卒業までの私の「歴史遍歴」を1年毎に振り返ってみることをした。 読者の皆さんがこのnoteを読んで引いてしまわないことを願いたい。 【小学2年】  親が漫画日本の歴史20巻を買って来たのが全てのはじまり。試しに1巻読んでみたら止まらず、一気に読破して歴史

    • 過敏性腸症候群がつらい。それでも私は、旅をする。

      私は旅行が好きだ。 旅をして、その土地に刻まれた歴史や、誰かの生きた証を辿ることが大好きだ。 スーツケースに荷物を詰め、早朝のバスや飛行機に乗り込む時のワクワク感。 見知らぬ土地で、地図を頼りに目当ての史跡に着いた時の達成感…。 旅でしか得られない感情は、何ものにも代えがたい。 けれど私にとって旅とは、ただ楽しいだけの時間ではない。 ほんの少しだけ、人よりもチャレンジングな行為なのだ。 私の鞄には、どこに行くにも必ず薬が入っている。 その中身は、ストロカインやチアトンと

      • 宮城谷昌光が好きすぎる女が、愛を詰め込んだ読書レビュー。

         中国古代史を中心に、ゆたかな発想力と、徹底した史料考究に裏打ちされた作品を世に送り出して来た宮城谷昌光先生。  14歳で中国古典を読む楽しさに目覚めて以来、私は宮城谷作品を追い続け、その魅力に魅せられてきた。  そんな溢れる作品愛を、20歳の時思い立ち、書き綴ったのがこのnoteの内容である。  文章には20歳なりの衒いや気負いが滲み出ていて、今読み返すと恥ずかしい部分もある。だが、その”青臭さ”も含めてそのまま公開することにした。  ラインナップは「草原の風」「奇貨居くべ

        • 「三国志」に人生を侵食されている。

          「三国志」が好きだ。 小学三年生の頃からずっと好きだ。 事の起こりは8歳の春。 親が「三銃士」と間違えて子供向けの「三国志」の本を買ってきたことにさかのぼる。 中国の話なんて興味ない、と悪態をついた幼い私は、しかし読み始めて5分と経たずに前言を撤回した。 そしてそこから、まっさかさまに「三国志」の沼に落ちた。 小学生は、他人の目なんて気にしない。その情熱は、大人よりずっと純粋でまっすぐだ。 瞬く間に私の漢字練習帳は三国志の人物名で埋め尽くされ、作文の宿題は全て三国志のプレ

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        変態レベルに歴史が好きです。

          惣領冬実「チェーザレ」完結に寄せて

          誰にとっても、人生の中で忘れられない光を放つ作品があると思います。 それは子供の頃出会った絵本であったり、はじめてのデートで見た映画であったり 小説や漫画なら、人生の節目に寄り添ってくれた、何度も読み返すような大切な作品かもしれません。 私にとってそのような作品のひとつが、惣領冬実先生の「チェーザレ 破壊の創造者」でした。 私と「チェーザレ」との出会いは京大受験の帰り道。 新幹線に乗る前に書店に駆け込んで、この漫画を手に取ったことでした。 作品の主役――ルネサンス期の悪

          惣領冬実「チェーザレ」完結に寄せて

          夜の神社に行ったなら。Ayumiの歴史さんぽ~鎌倉編~

          あなたは、夜の神社に行ったことがあるだろうか? 人がいない参道。 本殿に灯るほのかな灯り。 ひっそりと忍び寄ってくる闇。 夜の神社は、昼間とはすこし違った顔を私たちに見せてくれる。 そして私にとってたいせつな氏神さま――鎌倉の鶴岡八幡宮も、そんな神社のひとつだ。 いつも観光客でにぎわうこの神社は、夜になるとひっそりと静まり返る。 そして神社へ続く参道「段葛」の石灯籠には、一斉に灯りがともる。少し幻想的な風景だ。↓ 地元の人は、鶴岡八幡宮を「八幡さま」と呼ぶ。 「

          夜の神社に行ったなら。Ayumiの歴史さんぽ~鎌倉編~

          四谷正宗の眠る場所 Ayumiの歴史さんぽ ~東京編~

          昼下がりの四谷。 大通りを外れて住宅街に入ると、そこには喧騒とはかけ離れた静けさが広がっている。 まばらな人通り。生活の気配がする路地。 「君の名は。」で有名になった須賀神社を通り抜けたまたその先。 住宅街の中に、その場所はある。 訪ね人もいない小さな寺。「宗福寺」。 この場所にひっそりと眠るのが、「四谷正宗」と呼ばれてその才を謳われた、江戸時代の刀鍛冶だ。 江戸末期に彗星のごとく現れ、天才ともてはやされ、そして四十二歳でみずからの命を断ったひとりの職人。 その謎

          四谷正宗の眠る場所 Ayumiの歴史さんぽ ~東京編~

          その場所は、とっておきの”隠れ家” Ayumiの歴史さんぽ~鎌倉編~

          あなたには、「とっておきの隠れ家」があるだろうか。 疲れた時、悩んだ時、ふらりと行ってほっと息をつける場所。 人には教えたくない、思わず独り占めしたくなる空間。 それは何も大層な場所ではない。 例えば最寄り駅に通じるちいさな小道とか、誰もいない公園とか、夕暮れ時の河原とか。たぶんそんなとりとめもない場所だ。 かくいう私にも、そんな場所がある。 鎌倉にあるひとつのちいさなお寺。名前は「海蔵寺(かいぞうじ)」。 小学生の頃からずっと、私のsafe placeになってくれ

          その場所は、とっておきの”隠れ家” Ayumiの歴史さんぽ~鎌倉編~

          毒親育ちの私が、「ひとり旅が出来る女」になるまで。

          はじめてひとり旅をしたのは、22歳の時だった。 我ながら、ずいぶんと遅い“ひとり旅デビュー”だと思わずにはいられない。 行きたい場所は、たくさんあった。 歴史が好きな私にとって、誰かのゆかりの場所を訪ねることは積年の夢だったからだ。 けれど旅ができることは、私にとって、決して当たり前ではない。 行きたいときに、行きたい場所に行けること。 思い立って、ふらりと旅に出られること。 生まれた時から、“毒親”である祖母の下で育った私にとって、 それはただ、途方もなく贅沢な

          毒親育ちの私が、「ひとり旅が出来る女」になるまで。

          Noteに戻って来た日。

          noteを最後に更新したのはいつだっただろう。 それさえ思い出せないくらい長い間、私は、「物を書くこと」から離れてしまっていた気がします。 完璧主義なわたしは、自分が決めたテーマや予定通りにnoteが更新できないことに焦り、いつしか、更新を止めてしまっていました。 以前、「京大歴女のまったり歴史講座」として更新していたnoteを読んでくださっていた皆さん、ありがとうございました。 この先、当アカウントは「Ayumiの歴史さんぽ」として再始動いたします。 三度の飯より

          Noteに戻って来た日。

          好き過ぎて手放せない! 私の一押し歴史小説BEST5  ~京大歴女のまったり歴史講座⑧~

          まったり歴史講座番外編!本日は歴史小説。 歴史について知りたい、楽しみたい…けど新書は少しハードルが高いというそこのあなた、まずは歴史小説を思う存分楽しんでみてはいかがでしょうか? この連載を始めてから、ありがたいことに何度か、周囲から「おすすめの歴史小説を教えて」というコメントを頂きました。 お言葉に甘えて、好きな5冊を勝手にプレゼンしちゃいます。 ………といっても、数ある作品の中から5冊のお気に入りを選ぶのは至難の業。古代、幕末、中国、ヨーロッパとジャンルを分けて選

          好き過ぎて手放せない! 私の一押し歴史小説BEST5  ~京大歴女のまったり歴史講座⑧~

          唯一無二の世界観「平清盛」 ~私のイチ押し大河ドラマ~ 京大歴女のまったり歴史講座⑦

          年始といえば、新しい大河ドラマがはじまる季節。 大河ドラマは、わたしたちが「歴史に触れる」もっとも身近な素材のひとつです。 小学2年から大河ドラマを見続けている筆者が、これだけは!というオススメ大河について語ります。 私が今まで見た大河ドラマの中でダントツに推したい作品、それは「平清盛」。 というと、ちょっと驚く方もいらっしゃるかもしれません。 2012年大河ドラマ「平清盛」といえば、画面が汚いだの話がわかりにくいだのと叩かれ、歴史的低視聴率で話題になってしまった作品だ

          唯一無二の世界観「平清盛」 ~私のイチ押し大河ドラマ~ 京大歴女のまったり歴史講座⑦

          NHKの本気、「八重の桜」~私のイチ押し大河ドラマ~  京大歴女のまったり歴史講座⑥

          年の始めといえば、新しい大河ドラマがはじまる季節。 大河ドラマは、わたしたちが歴史に触れる、もっとも身近な素材のひとつ。 小学2年から大河ドラマを見続けているわたしが、中でもイチ押しに推している作品を語ります。 一つ目は、2013年の大河ドラマ「八重の桜」。 主人公は綾瀬はるかさん演じる新島(山本)八重。 幕末の会津藩に生まれ、戊辰戦争では自ら銃を持って戦った女戦士。そして、のちに新島襄の妻となり、共に同志社大学の創立に尽くした女性の一代記です。 そんな「八重の桜」は

          NHKの本気、「八重の桜」~私のイチ押し大河ドラマ~  京大歴女のまったり歴史講座⑥

          フランス最高の王妃アンヌ (後編) 京大歴女のまったり歴史講座⑤

          ※有名なフランス国王ルイ14世。その栄光の影には、彼を「太陽王」たらしめた母の姿がありました・・・。ルイ14世の母・アンヌ=ドートリッシュ。彼女の波乱の生涯を辿ります。 はじめての方は、「前編」からご覧ください。 ○反乱軍、王宮に侵入!~逃避行のはじまり 長引く戦争と、慢性的な戦費の不足、改善しない生活・・・。人々の怒りの矛先は、スペイン出身の王妃と、イタリア出身のマザランに向かいます。 講和条約の締結に向け、交渉がはじまっていたその頃、パリのマザラン邸には、石つぶてが

          フランス最高の王妃アンヌ (後編) 京大歴女のまったり歴史講座⑤

          フランス最高の王妃アンヌ(中編) 京大歴女のまったり歴史講座④

          ※有名なルイ14世の母・アンヌ=ドートリッシュ。歴史の陰に隠れた、彼女の波乱の生涯を辿ります。はじめての方は、「前編」からご覧ください。 ○「奇跡の子」ルイ14世の誕生 1637年12月5日。嵐で外出予定が中止になったルイ13世は、偶然が重なって、たった一晩、王妃アンヌの寝室で過ごすことになります。 この一夜が、アンヌの人生を変えました。 結婚16年目、37歳ではじめての子供を授かるのです。 ルイと名付けられたこの息子こそ、のちのルイ14世。ヴェルサイユ宮殿を造営し

          フランス最高の王妃アンヌ(中編) 京大歴女のまったり歴史講座④

          人は、何歳からでも輝ける~フランス最高の王妃アンヌ(前編)~  京大歴女のまったり歴史講座③

          フランスの王妃さまと聞いて、みなさんがまっさきに思い浮かべるのはマリー=アントワネットでしょうか。 フランス革命でギロチンに送られたアントワネットの波乱の人生は、たくさんの物語の題材となり、今もなお多くの人を惹きつけます。 しかし、本日ご紹介するのは、かの有名なマリー=アントワネットではありません。 マリー=アントワネットより3代前の王妃さま・アンヌ=ドートリッシュです。 彼女はルイ13世の王妃であり、ヴェルサイユ宮殿を造営したルイ14世のお母さんに当たります。 「

          人は、何歳からでも輝ける~フランス最高の王妃アンヌ(前編)~  京大歴女のまったり歴史講座③