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誰にでも書けることはある(3/3)

★この記事はKindleにて絶賛好評販売中の拙著
「誰にでも書けることはある。: 初めての電子書籍を書こう 企画から文章の書き方まで」
を3つに分けてnoteにて有料で公開するものです。

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6.執筆の仕方

 企画から構成、イントロの書き方やタイトルの付け方を見てきましたが、ここからが本番というか、これまでは書く前の準備体操のようなものです。
 といって、執筆の仕方についてお伝えすべきは、とにかく書いてみること、この一言に尽きます。

 たしかに、書き方のルールのようなものは存在します。それを丁寧に解説するだけで十分に一冊の本になります。おそらく書き方の事例をふんだんに載せ、書く上での注意点なるものをできる限り集めたものになるでしょう。それらをある程度は体系化してまとめることはできるかもしれませんが、チェックリストのように退屈なものになってしまうような気がします。

 なぜそうなるかというと、これぞ正しい書き方とする正解がひとつではないからです。いい書き方とわるい書き方として多少の優劣は比較できたとしても、言葉遣いの間違いや誤解を招くような書き方でなければ、正しいということになってしまうのです。同じ景色を見てもひとりひとり描く絵は違うように、十人いれば十通りの書き方があると思います。それが証拠に、会社でいつも通りに書いたレポートでも見る上司が変われば、コメントや指摘もずいぶん異なるというのはよくあることです。

 それでも本を書くという点においては、ブログよりも慎重にならざるを得ないポイントがいくつかあります。そのうち、最低限これだけは気を付けた方がよいところを解説していきます。

本を書くときに気を付ける基本の3ポイント

①中学生にわかるくらいのものを書く:
 本を書く上でもっとも心がけるべきは、わかりやすい文章です。
 中学生にもわかるくらいに書くというのは、ライティングの本やセミナーでほぼ必ずいわれることです。では、具体的にどうすればよいかというと、中学生にもわかるくらいの言葉を使って、内容もできるだけかみ砕いて書くということです。

 例えば、専門用語はなるべく使わないようにします。どうしても専門用語が必要な場合は、短く簡単な説明を添えます。
 ひらがなや大和言葉を多めに使って書くと見た目にもすっきりしてわかりやすい文章になります。できるだけ漢字を少なくして、”名詞+する”といった使いまわしを避けます。
 例えば、”開始する”であれば、”始める”にしたり、”説明します”であれば、”書きます”や”述べます”といった大和言葉を使うように心がけます。

②語調を揃えて、前後の文章の語尾はランダムに変える:
 ですます調、である調など語調を揃えます。
 ”である”で終わる文章ばかりが連続して続かないよう、語尾に変化を与えてリズムをつけた方がよい文章になります。
 書き上げた原稿を声に出して読んでみるとよいチェックになります。読み上げてみて、読みにくかったりつっかえたりする部分は、すんなり読める文章に書き換えてみるなど工夫します。

③一文をできるだけ短く簡潔に書く:
 一文はなるべく2、3行(100文字)以内に収めるようにしましょう。それより長い一文は二文に分けられないかを検討します。
 なくても意味が通じる言葉や箇所は徹底して削るとよくなります。繰り返し言葉を避けるように気を付けるとよいでしょう。一段落に同じ言葉が頻出していないかを確認します。少なくとも一文に同じ単語がある場合は、どちらかを削るか別の言葉に置き換えた方がよいでしょう。
 ちなみに、読点「、」もなくても読めるのであれば、極力少なくした方がよいと私は思います。

 これらの3つをなるべく守るように書いてみることが大事です。
 もちろん、書き終えた後のチェックとしてこの3つについて確認することも重要です。
 先の内容をチェックリスト式に書き換えてみましたので、推敲のときなどの参考にしてください。

文章のチェックリスト:
・ 中学生にもわかるくらいの文章になっているか。
・ 専門用語は使っていないか。使う場合は、短く簡単な説明を添えているか。
・ ひらがなや大和言葉を多めに使っているか。”名詞+する”を避けているか。
  例)”開始する”→”始める” ”説明します”→”書きます”、”述べます” など
・ ですます調、である調など語調は揃っているか。
  語尾が同じ文章は続いていないか。
・ 書き上げた原稿を声に出して読んでみたときに、読みにくかったりつっかえたりするところはないか。
・ 一文が100文字以上など長すぎないか。
・ なくても意味が通じる余計な言葉や冗調すぎる箇所はないか。
・ 一段落に同じ言葉が頻出していないか。一文に同じ単語が2つ以上ないか。

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