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一人旅の余韻は3年残る……「心細さ」と「特別」

6月1日から7日。
中学時代から憧れていた北海道一人旅に行ってから、3年が経った。

最近実家を出て、新居に1人でいるとき。
テレビに北海道が映ったとき。
そもそも「北海道」というワードを聞くだけでも。
あの旅のことを思い出す。

そうだ、北海道行こう。

もとはゲームの影響だったが、北海道が大好きな私。大学4年の春、「ヤバい、長旅をするなら就職する前に行っとかなきゃ!」と、慌てて計画を立てた。
ペーパードライバーなので、必然的に交通手段は鉄道メイン。
旅の期間で北海道をまわりきるためのルートを決め、乗換案内とにらめっこして行程を決め、泊地を決めた。
通学の電車のなか、スマホでホテルを調べ、予約を取った。

乗り継ぎの悪い鉄道で、広い北海道を回る計画を立てるのは、パズルのような作業だった。
とはいえ行きたい場所を調べるワクワク、行程を一からくみ上げるワクワク。本当に楽しい作業だった。

インドア実家民が一人旅をした結果

とはいえ、実家暮らしのインドア派学生が、1週間誰とも話さず、見知らぬ場所を旅するわけである。
しかも一人旅はこれで人生二度目。心細くなるのは当然のことだった。

旅の初日、釧路から根室の間、だだっ広い平原や湿原を、1両の気動車でひたすら移動する、あの心細さ。
根室のスーパーで夕飯を調達し、慣れないホテルの部屋で袋を開け、箸をもらい忘れたことに気づいたときの心細さ。
美瑛でのサイクリングで、グーグルマップに指示されたルートがひどい砂利道だったときの心細さ。

「心細さ」と「特別」

でもその心細ささえ、今思えば全然嫌いではない。
心細さ、と書いたが、ある種の非日常感ともいえる。
目に映るものすべてが初めてで、不慣れだからこそ感じる特別な感覚。旅の醍醐味でもある。

その「心細さ」をまとった1週間の思い出は、私にとって特別なものになった。
会社勤めになった身としては、1週間の旅行というだけでも特別だけれど、それ以上に……
憧れを実現させたこと、不慣れなことがいっぱいあったこと、鉄道で知らない場所へ知らない場所へとグングン移動しまくったこと、いろんな要素が相まって、思い出を特別なものにしている。

「こんな旅行は、人生最初で最後だろうな」ということは、旅の計画を立てているころから思っていた。実際、1人で1週間も家を空けるなんて旅行は、もうできないだろう。

廃駅のような

話は変わるが、昨年廃駅となった、JR札沼線の新十津川駅。
北海道一人旅で訪れて、とても思い出に残っている場所だ。

廃駅になる(可能性が高い)ということを知って訪れた駅。
もう二度と、鉄道で訪れることはできない駅。
新十津川駅のことを思い出すときの切なさと、あの旅のことを思い出すときの切なさは、似ている気がする。

廃駅の記憶も、一生に一度の旅の記憶も、(なんだか一緒にしてはいけない気がするけれど)どちらも決して忘れたくないものだ。そして、どちらも「なかったこと」にはならないものだ。

新十津川駅で撮影したこの写真が、北海道旅行で撮ったなかで、一番お気に入りの写真なのは、そういう理由なのかもしれない。


【おまけ】北海道旅行の思い出は特別すぎて、noteにも書いています。3年経った現在でも未完ですが、いずれは7日ぶん書ききります!!(宣言)よかったら読んでやってください!


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