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片思いと孤独と、マッチングアプリ。

一年ぶりに、心の底から大切にしたい好きな人ができた。
この想いが相手と同じタイミングで生まれていれば孤独は感じないだろう。
しかし、私の好きの感情が生まれた時は、相手に気持ちがなくなった時だった。

片想いは、いつでも私に孤独を与える。
一方的で、共有できないこの想いは、
私の心から溢れ出して、内臓を痛めつけたり、暴れ回りたい欲を生み出す。
この痛みを共有できないとき、孤独を感じる。
そして掻き消そうと、必死になる。

こんな時、私はマッチングアプリを入れ、知らない人に会いに行ってしまう。(病気だ)
他の異性と話せば、忘れられるという淡い希望を抱くのだ。


今日もマッチングアプリで出会った男性と居酒屋へ行った。
その男性は「事前に電話をしたときの声が好き」その理由だけであった。
話している時は人を見下すタイプなのが会話から透けていたので、性格は好きではなかったし、容姿も雰囲気だけ。
本当にそれだけの理由だった。
今思えば、この時点でいいところは声のみだった。


実際に会うと、感じていた通りの人だった。
(人相にも性格が現れていた、これは悪口。)

夕方の6時、まだお客さんも疎な中、お酒と焼き鳥を頼む。
美味しいご飯と美味しいお酒、会話も弾んでいた。
相手は楽しそうに「初対面じゃないみたいだね〜」とか言い、酒を飲んでは喋る。
私もそれに対してただ楽しそうに相槌をした。
きっと店員さんたちには【マッチングアプリで出会ったいい感じの男女】のように見えていたと思う。

しかし、本当は私にとって苦痛な時間だった。

相手を見て、楽しいそうに話を聴きながら、
ただ「あの子が好き」と確信し続ける時間だった。
忘れるために違うもので満たせないどころか、ただ穴を見つめる時間となり、孤独が一層深まっていた。
一緒に話せば話すほど、心が痛いため、麻痺させるように1杯50円のハイボールを浴びるように呑んだ。
箸を3回落とすほど、深く雑に酔った。

その後、店を出て、男性から「また空いてたら一緒に行こう」と誘われた。
どうやら私の演技がうまかったようだった。
私は、「わかった」と、なんとなくかわして別れた。
きっともう会うことはないだろう。

私は、好きな人がいる時に他の異性に会う行為を、
自戒を込めて【自傷行為】と名付けようとおもう。


片思いの孤独は、消すことはできない。
友達と楽しい時間を過ごしても、異性と過ごしても、それは一瞬の誤魔化しだ。
孤独は相手と共有できない限りは、埋められることができない。ただ私を蝕む毒と化す。
そして、それに抗おうとすることは、愚かである。

私はまだあの子のことが好きだ。
これからは、この溢れる気持ちと、
心身を蝕む毒にただ抗わず、受け入れていこうと思う。


もし他に片思いがなくなる方法があれば、教えてほしい。

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