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五里霧中を生きていく

何もできないんじゃないかと思う。

やりたいことがあって、
そのために始めたこと、始めさせてもらったことがあって、
だけどまだ何も始まっていないってこと、分からないわけじゃない。

やりたいだけじゃできない。
やりたいって言っているだけじゃできない。

いままで裏切ってきたものを、忘れたわけじゃない。

いままで甘えた厚意を、受けた恩を、知らないわけじゃない。

けれど、私はここにいないのだと思う。

郷に入っては郷に従えというけれど、私にはここの法が分からない。
生まれてずっとここにいるのに。
きっと一生分からない。

ここのルールの中に、私はいない。

異文化の中で生きている。

失礼も働き続けているだろうと思う。
ひとに不快感もあたえているのだと思う。

これは恩だと思うけど、
それをどうしたらいいか分からない。
この恩はどこに置いておけばいい?
どうしたら返したことになる?

どの感情が、事実が、どこに位置したらいいのか分からず、
抱えた腕から下ろせずに、

腕の中でいっぱいになって見えなくなって

運びきれなくなって

きっとぽろぽろこぼしてきている

それでもこぼさない、いつも目につくいくつかを、

どう、行動に結び付けたらいいのか、分からない。

ここの規範が分からない。

自分にはできないかもしれないと思っても、
できないと信じることができない。

できる可能性なら、無遠慮に信じられるのに。

……できると信じているわけでも、ないかもしれない。

できないかもしれない、できるかもしれない、
どちらかに着地する前に、できる前提の行動を起こしてしまっている。

こんなの、いますぐにでも破綻する。

そもそも、成り立ってなんていないじゃないか。

叱られないからって、これでいいわけないだろう。

私はいま何もできない。

これからできる目処も立ちはしない。

五里霧中を生きていく。

せいぜい死なないように生きていく。

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