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バイリンガル教育〜18年後

上記のバイリンガル教育その後、がなかなか好評だったので、更に月日を経たバイリンガル教育更にその後を。

息子は日本語補習校中学部を卒業し、年長から始まった長かった計9年の補習校生活が終わった。補習校が終わればバイリンガル教育も終わるのか?終わらせることもできるが、完全に終わる=第二言語である日本語能力は退化して行く、と私は危惧し、補習校後のバイリンガル教育は日本語能力を伸ばすと言うよりは「維持」を目的にしようと考えていた。高校になり勉強も忙しくなるので負担にならないように、週1時間のオンライン家庭教師が個別授業をしてくれる塾で日本語勉強の継続をすることにした。先生は日本在住なので、日本の朝=アメリカの夕方1時間だけ。

そこの塾では海外在住の子供のオンラインでの日本語教育のエキスパートでもあり、面談では色々な情報をいただいた。(もし興味があればX経由でDMしてください)

今後の目標としては、
①AP Japaneseをいい成績でパスする
日本語能力試験(JLPT)に挑戦する
を提案していただいた。日本語の維持だけを考えていた私にとって、更にバイリンガル教育の高みを目指すことができることは励みになった。実は恥ずかしながら、ここで初めてJLPTの存在を知った。調べてみると日本では非日本語話者の日本語能力を証明する試験として結構認知されており、就活でも役に立つらしい。

①は高校の外国語担当の先生や進路指導の先生に相談すれば、その学校でAP Japaneseの授業がなくても試験は受けられる。
②はN1(難易度最高レベル)~N5(一番簡単)まであるが、補習校中学部卒業レベルなら、まずはN2に挑戦してはどうかと薦められた。

教材は塾が薦めてくれた高校現代文のドリルを中心に、漢字は復習も兼ねて中2の漢字ドリルから再スタート。個別指導なので先生は優しく丁寧で、オンライン授業もコロナ禍のリモートですっかり慣れてしまい、問題なく受けることができた。そして、個別オンライン授業を受けていると他のいい点もわかった。それは「母親以外の大人と話す貴重な機会」でもあると言うことだ。私と会話するだけなら、片言だろうが幼稚な話し方だろうが通じる。第三者の大人と話すにはある程度年齢相応の丁寧な話し方をしないといけないが、補習校も終わりそう言う機会がなくなってしまったので、緊張感あるきちんとした話し方の練習にもなる。

そして息子は11年生でAP Japaneseを一番いい成績の5でパスすることができた。AP Japaneseはせいぜい小学校高学年レベルなのでこれは想定内。

JLPTはまずN2合格を目標に。JLPTはアメリカでも受験できるが、定員が日本で行われる試験とは違い少なく、受験の申し込みをしようとしたら、既に定員に達していて申し込めなかった。特に中級レベルのN2~3くらいが人気らしい。

そこで、息子が12年生の時の夏にコロナ後久しぶりに帰省したのだが、その時に実家近くの会場で受けることにした。会場は地元の国立大学のキャンパスだった。日本のそれは定員も多く、問題なく申し込めた。家庭教師の先生と塾の進路指導の方は「息子君だったら多分N2は問題ないですよ」と言われたが、初めての試験だったので、会場まで一緒に息子を見送って、試験後にご飯を食べて実家に帰宅した。結果は合格!

N2合格後はN1に挑戦。すぐに試験の定員枠が埋まると知っていたので、今度は試験の申込開始日の時間にPCの前でスタンバイし、ロサンゼルス会場のN1試験申し込み完了。会場はCal state LAキャンパスだった。そしてN1も合格!N1はアメリカの大学出願時も課外活動や資格として書くこともできた。

以上は補習校が終わってからのバイリンガル教育の励みになったので、漠然と日本語の勉強を続けるよりは、目標を持った方がより効果的に続けることができると思った。向き不向きもあると思うが、子供が大きくなり続けることを迷っている方の参考になれば幸いです。

そしてこの積み重ねが次の「帰国生入試」の可能性にも続きます。


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